2015/10/13

【高円寺】猫ギャラリーで暮らす野良猫番長。雑貨店の店主との出会い

2015/10/13

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 高円寺の猫雑貨屋さん「猫の額」に暮らすチャットは町の人気猫。店主の木村さんと毎日一緒にお店で過ごしています。
 そんなチャットは野良出身。木村さんとチャットの出会いには大きなドラマがありました。

町のボスと雑貨店の店主

ギザギザ耳は他のねこちゃんとの歴戦をくぐり抜けてきたボス猫の証

ギザギザ耳は他のねこちゃんとの歴戦をくぐり抜けてきたボス猫の証

 クリエイターさんが作った絵や小物がところ狭しと並ぶ店内。
 それら全ての作品はねこちゃんがモチーフとなっています。店主の木村さんがこの「猫の額」を構える高円寺には住民から愛される野良のねこちゃんがたくさん住んでいるのです。

 お店の正面にあるスーパーでレジ係のおばさんにごはんをもらって生活していた茶トラのねこちゃん。
 木村さんがそんな猫の存在に気付いたのは2004年頃。自ら、「チャット」と名付けていつも様子を見ていました。
 男性があまり好きではなく、いつもツンとしていたチャット。耳に残る傷跡から察するに、歴戦をくぐり抜け、他のねこちゃんから一目置かれるこの町のボスだったようです。

 2009年の夏、木村さんがいつものようにスーパーの前でチャットを見かけると、左目と右腕に、目を覆いたくなるような大怪我を負っていました。
 木村さんは一刻も早く病院へ連れて行かなくてはと思いましたが、野良であるチャットを捕らえることすらできません。

 木村さんはどこかから捕獲器を借りてきてチャットを捕まえようと思い立ち、各所に聞いて回りました。
 高円寺のねこちゃん好きのネットワークはすごいもので、なんと思い立ってからわずか2時間で捕獲器を借りることができたのです。
 捕獲器にチャットの好物を仕掛け、明日にでも捕まえられればいいなと思っていたところ、チャットが捕獲器に入ったのは仕掛けてからわずか10分後のこと。木村さんはとてもスピーディーにチャットを病院に連れて行くことができたのです。

大怪我から回復したチャットが暮らす場所

木村さんのお膝の上は、チャットが一番好きな場所

木村さんのお膝の上は、チャットが一番好きな場所

 連れて行かれた病院で入院し手術を受け、左目は失いましたが奇跡的に回復したチャット。
 そうなると困るのは誰がチャットと暮らすのか、という点です。木村さんのおうちには既にねこちゃんがいたので、チャットと一緒に暮らすのは難しそうです。

 木村さんはチャットのことをお店のウェブサイトに綴り、里親を募りました。すると、全国から多数の里親の申し出が来たり、チャットの治療費として寄付が集まったのです。
 しかし、チャットには気軽に里親の申し出に応えられない事情がありました。

 それは病院の検査で発覚したチャットが「猫エイズキャリア」であるということ。
 猫エイズはストレスのない生活を送っていれば発症することはなく、キャリアでも寿命まで健康に暮らすことのできるねこちゃんもたくさんいるウイルスですが、猫同士で喧嘩をして噛み付いたり引っ掻いたりすると、唾液を通じて感染してしまうものです。

 チャットの里親として申し出てくれた多くは既にねこちゃんを飼っていたため、その人達のおうちで猫エイズキャリアのチャットが暮らすのは難しく、かといってねこちゃんを飼ったことのない人のおうちで暮らすのにも不安がある、というのが木村さんの考えでした。

 そこで木村さんが思いついたのは、お店をチャットのおうちにすることでした。それであれば、木村さん宅の先住ねこちゃんのことも世話をしながら、チャットとも暮らすことができます。

 ねこちゃんモチーフの雑貨で溢れる中に一頭、本物のねこちゃんがいるという不思議な光景のお店ができたのはこの日がきっかけでした。

チャットと木村さんの生活

唯一の木村さんとチャットの2ショット写真…これは宝物で常に目に入るところに飾られています

唯一の木村さんとチャットの2ショット写真…これは宝物で常に目に入るところに飾られています

 猫エイズキャリアであることもあり、なるべくチャットにストレスを与えたくないと思っている木村さんはお店で暮らすチャットの世話をするために、木村さんは毎日同じ時間にお店に行き、お店を営業し、毎日同じ時間にごはんを与え、同じ時間にチャットと遊びます。

 チャットは野良時代に毎日同じ時間にごはんをもらっていたこともあり、気まぐれな性格の多い猫には珍しく、時間に正確です。
 木村さんに声をかけられるまでもなく、ごはんの時間を迎えたら、それまでお昼寝をしていてもむくりと起きて、ごはんを食べる準備をするチャット。お店の営業時間も理解しているようで、営業時間中は邪魔をすることなく、木村さんの生活に寄り添ってくれています。

 これまでにも多くのわんちゃんやねこちゃんを飼ってきた木村さんも、ここまで共存できるねこちゃんに会うのは初めてだと言います。
 木村さんはチャットのことを「自分のパートナー」ではなく、「自分自身」と考えて接しているといいます。
「自分がされて嫌なことはチャットにもしない。例えば、猫だからと言って、チャットには赤ちゃん言葉は使いませんよ。丁寧に話しかけます。だって、私自身、赤ちゃん言葉でお話しされるのは、嫌ですからね」

 可愛がってあげなきゃ、看病してあげなきゃ、と力を入れることなく、木村さんは自然体でチャットと暮らしているんですね。
 チャットもそんな木村さんとの暮らしを居心地が良いと思っていることでしょう。
お互いが無理をせず、ありのままの自分で暮らしている木村さんとチャットの関係は、その様子を見ている人たちの心をも和ませます。

お店にいるチャットに会いに来る町の人たち

チャットに会うことを目的にお店に訪れる方も…

チャットに会うことを目的にお店に訪れる方も…

 はじめは慣れない環境に警戒して一ヶ月くらいはお店の一室から出て来ることはなく、鋭い目をしていたチャット。しかし、日が経つにつれて警戒を解き、表情もみるみるうちに穏やかになっていきました。

 そんなチャットに会いに、お店に訪れる人がいつしか増えていました。
 お店のウェブサイトでチャットの様子を心配していた人、町の猫好きの人。お店の営業中にはずっと眠っているチャットですが、チャットの寝床の前にはチャットへのメッセージを書き込むノートが設置されているほどです。

 木村さんの元にも、チャットと同じように野良のねこちゃんを保護したけれどなかなか懐かないという人が相談にくるそうで、木村さんとチャットには不思議と人を惹きつける力があるようです。

 お店に並ぶたくさんのねこちゃんグッズの中にはウインクする茶トラのねこちゃんをモチーフにした作品がたくさん混ざっています。もちろん、チャットをモデルにしたもの。

木村さん、そして高円寺の町の人に見守られながら、これからもチャットはのんびりと過ごすことでしょう。

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