テレマティクス保険を選ぶ際の
ポイントとは?
「テレマティクス保険」という新しい自動車保険制度が話題になっています。これはユーザーの自動車に特殊なデバイスを設置し、速度・車の運転の仕方、GPSデータ等の情報をリアルタイムで収集することで保険料を決める仕組みです。データから「どれだけクルマを使ったか」「どのようにクルマを使ったか」を分析し、走行量や運転の安全性に応じて保険料を割り引くシステムが採用されています。
テレマティクス保険は契約者の運転実態に近い形で保険料の設計が可能となるため、安全運転への意識が高い若年層を中心に広く支持されています。テレマティクス保険の専門家の95%以上が「10年以内に全世界で契約台数が1億台を突破するだろう」*と予想し、急速に普及が進んでいます。
ここでは、そんなテレマティクス保険を選ぶ際のポイントについてご説明していきます。
*国土交通省 第9回 自動車関連情報の利活用に関する 将来ビジョン検討会 資料P3より
2015/12/24国内
保険のタイプは2つ
テレマティクス保険ではタイプが2種類に分けられます。ひとつは保険料の割引に用いるデータの内容が「走行距離」に応じた保険で、もうひとつは「運転の仕方」に応じた保険です。
走行距離から割引率を計算するほうがシンプルですが、「運転の仕方」まで割引の対象に含めることで一層の割引を獲得できます。ドライバー自身も「安全運転して保険料を抑えよう」という動機が生じ、事故を起こしにくくなるという別のメリットも得られます。
若年層にも有利な保険
テレマティクス保険はドライバーそれぞれの運転状況に応じて保険料を計算する仕組みです。このため、「従来の自動車保険では保険料が高いカテゴリー」に含められてしまっている若年層の方にとっては有利な保険となります。テレマティクス保険に契約して「自らの自動車の使い方が安全である」と証明できれば、ふさわしい割引サービスを得られ、保険料が安くなります。
長距離運転をするドライバーは加入前に要チェック
テレマティクス保険ではドライバーの運転情報から「どのくらいの事故リスクがあるか」が判断されます。よって、走行距離が長距離となり、危険な運転状態で走行するケースの場合は通常の自動車保険よりも割高になる可能性がありますので注意しましょう。
国内ではテレマティクス保険の導入・普及は始まったばかりですが、上記のポイントを押さえて、上手にテレマティクス保険と付き合っていきたいものです。
プロフィール
阿澤 快
1994年に保険会社で営業職に就き、その後保険代理店にて勤務。
保険営業一本で20年以上の経験を有し、一部上場企業のリスクマネジメントからコンシューマー向けの保険制度提案まで幅広いジャンルの保険提案を手掛ける。保険に関する記事の執筆や講演の実績も多数有する。
(主な保有資格)
保険代理店資格
国家FP2級