テレマティクスの起源

この保険制度のポイントは「自動車の様々なデータを収集するデバイス」にありますが、自動車にそのデバイスを設置し、通信技術と連動することで様々な情報を提供する技術を『テレマティクス』と総称します。テレマティクスは自動車メーカーがドライバーへのサービスとして普及を進めてきた経緯があり、例えばドライブ中の交通渋滞情報の受信等もテレマティクスに含まれます。

このテレマティクスのルーツは、1984年12月 交通安全に関する欧州議会決議(European Parliament Resolution on Road Safety)で道路交通の安全性向上のための技術開発がスタートしたところにあります。その後も欧州を中心として、主に交通安全性向上やドライバーの利便性向上のために開発が進められました。

テレマティクスと自動車保険の組み合わせ

テレマティクス保険のルーツは、1998年に米国の保険会社であるプログレッシブ社が販売開始した「PAYD型自動車保険」にあります。PAYDとはPay As You Driveの略であり、「走行距離に応じた保険」を意味するもので、走行距離を基に保険料の割引を実施するようなシンプルなシステムでした。

テレマティクス保険の今後

欧米では、今や、テレマティクス保険は極めて合理的な自動車保険制度として広く普及しています。保険料を決める要素として、走行距離だけでなく、ブレーキやカーブの反応や運転速度等「自動車の運転の仕方」についても情報を収集するようになりました。さらに、「深夜に都心部を走行するのはリスクが高いため保険料は割高になる」等、実際の走行パターンに合わせた保険料設定も導入されています。

今後も一層ユーザーのカーライフに合わせた保険の整備が進められ、テレマティクス保険の普及が進むものと予想されています。

プロフィール

阿澤 快

1994年に保険会社で営業職に就き、その後保険代理店にて勤務。
保険営業一本で20年以上の経験を有し、一部上場企業のリスクマネジメントからコンシューマー向けの保険制度提案まで幅広いジャンルの保険提案を手掛ける。保険に関する記事の執筆や講演の実績も多数有する。

(主な保有資格)
保険代理店資格
国家FP2級

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