自信がないから、安全運転。
毎日運転、毎日緊張
- 普段どんなときに車を運転していますか?
- 平日は、家から2 キロくらいのところにある勤務先との往復。あとは小学生の娘がバスケ部なので、時々週末に練習試合や遠征の送り迎えで運転しています。あとは病院に行くときにも運転しています。
- 車の運転は好きですか?
- 正直、まったく好きではなくて。そもそも私って、自分は運転が下手だと思っていますから。趣味でドライブなんて、まずあり得ません(笑)。高校生の頃に免許を取ってからしばらく運転していなくて、生活のために5 年前に運転を再開しました。毎日運転していますが、慣れるどころか毎日緊張していますね。
- このプロジェクトに参加したきっかけは?
- たしか、アクサさんからのメールで「スマホの充電器をプレゼントします」って書いてあって、それがきっかけです(笑)。充電器目当てで、YouDrive アプリをつないで参加しました。
- アプリを取り付けたことで運転への意識は変わりましたか?
- そうですね…(しばし考えてから)。意識はあんまり変わらなかったですね。普段通りの運転しかできないですし。だから優勝の連絡がきたときは「なんで私なの?」って。不思議でしたね。だって何も特別なことはしてないんですよ!?
運転中は、自分の車が大きく感じる
- 運転中はどんなことに気をつけていますか?
- 普段の運転コースの中に、危ないって思う場所がいくつかあるんです。細い道を逆走してくる自転車とか、見通しの悪いところから飛び出してくる人とか。特に近所の細い道から、大きな道路へ左折するときなんですけど、家の塀もあってミラーでしか周囲を確認できないのに、逆走してくる自転車がいると、突然視界に現れてビックリします。なので、そういうポイントを通る時は、必ず細心の注意を払っています。
- 運転中はどんな心境なんですか?
- 私の場合、運転中に自分の車が大きく感じていると思います。だから、本当はスッと曲がれるカーブでも、一度切り替えして曲がっているかもしれません。駐車のときも他の人より作業が多いかもしれないですね。
- 法定速度は意識していますか?
- 標識や道に書いている数字は一応見ていますね。速度を守るというよりも、狭い道が多いので、自然とスローな運転になっているんじゃないでしょうか。
- お子さんたちに注意していることはありますか?
- 子どもには自転車に乗るときは「絶対逆走しちゃだめ」ってしつこく言っています。特に子どもって、車を運転する人の気持ちがわからないじゃないですか。大人の方でも、車を運転する側が気をつけているものだと思い込んで、あまり注意せず自転車に乗ったり歩いたりしている人も案外いるかもしれないですよね。
高齢者の運転には、見習うことが多い
- 誰かに運転してもらったときに、危ないなって思うことはありますか?
- 時々思いますね。「あ、この人事故を起こす」って思ったら案の定、本当にこすっちゃったり、後ろのバイクにぶつかっちゃったりとか。
- 高齢者の運転について思うことはありますか?
- 最近はよく報道で「高齢者の運転が危ない」って言われていますよね。でも、私にとっての身近な高齢者って父親で、その父の運転って、すごく安心感があるんです。スピードを出さないし、無理をしないし、あわてない。ブレーキのタイミングとかも心地いいですし。おじいちゃんの運転って意外と安心だなって。多分、高齢者の運転って、実は見習うことがたくさんあると思いますけどね。
調子に乗らず・無理をせず・フラットな気持ちで
- ご自身が運転するときに気をつけていることは?
- 基本、調子に乗らないことですね。気分はフラットで。仕事を抱えていたり、子どもが後ろでギャーギャー騒いでいたりとか、運転中のイライラはすごいんですけど、気分と運転とは別にすることは心がけているかもしれない。子どもたちに気を取られて事故を起こしたママ友がいるんですが、その気持ち、すごくわかりますし。
- 自分の運転ができなくなる場面って、どんなときですか?
- たとえば子どものバスケの練習試合で、保護者の方と数台の車で向かうことがあって。そのときの「前の車について行こうね」っていう乗り方は、かなり苦手で…。がんばるとすごく危ないんですよ。前の車しか見なくなって、周りが見えなくなるから。私の場合、すぐにあきらめてカーナビに頼ります。「どうせ目的地は一緒なんだから」と割り切るようにしていますね。
- 無意識のうちに、安全運転を心がけているんですね。
- いえいえ。ただ心配性なだけです。多分、ブランクのせいもあってブレーキやアクセルの踏み方やタイミングとかが、教習所で習ったまんま。それが結果的に良かったのかしら?
- 改めて安全運転能力が高いと評価されて、自分の運転に自信が持てましたか?
- 正直まったく自信は持てません(笑)。これからも調子に乗らず、無理をせず、フラットな気持ちで運転していこうと思います。
取材を終えて
安全運転の基準があれば、運転への意識が変わる
このプロジェクトによって、春田さんのような“運転が苦手だと思っていた人”を、客観的な数値に基づいて「安全運転ドライバー」として表彰することができました。また、お話しを聞くなかで、おじいちゃんや初心者といった今まで光が当たらなかった人たちの運転にも、実は多くのことが学べるという気づきもありました。運転が下手だと思っている人の運転。それは、決して危険な運転とは限らない。運転中の丁寧な気配りや心がけを評価することができると、安全運転への意識が変わるはず。みんなで共有できる、安心安全な社会をつくるためには、安全運転の基準をつくる必要があるのですね。
プロフィール
- 氏名:春田真理さん(仮名)
- 年齢:40歳
- 居住エリア:千葉県八千代市
- 運転歴:5年
- 安全運転の秘訣:過信しないこと