2016/02/25

犬が体をかく8つの理由。その症状、皮膚炎へつながることも!? [皮膚炎 前編]

2016/02/25

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 犬が首や身体を掻くことは日常的な行為。
 でも、なんだかいつもよりかゆそう?よく見たら、皮膚が荒れてる!なんてことはありませんか?それ、ひょっとしたら皮膚炎かもしれません。

 掻きすぎて炎症を起こしているのにかゆいのを我慢できず、ずっと掻いてしまう…そうすると治りも悪くなり、時には重症化することも。
 実は侮れない「皮膚のかゆみ」、獣医さんにその原因と対策を教えてもらいました。

心配ないものから受診が必要なものまで!犬がかゆがる理由

愛犬のかゆがり方、なんだかいつもと違う!?

愛犬のかゆがり方、なんだかいつもと違う!?

――保険金請求のランキングを見ると、2位〜4位に皮膚に関する病気がランクインしていますね。やはり愛犬の皮膚のかゆみで悩んでいる飼い主さまは多いのでしょうか?

 1位の外耳炎も皮膚に関する悩みに入れていいと思います。
 皮膚の問題は目につきやすいですし、悩まれている方は本当に多いと思います。皮膚のかゆみに関して言えば、乾燥や換毛期の影響などさほど心配いらないものから、膿皮症やアレルギーなど受診が必要なものまで様々です。

※当社調べ「アクサダイレクト いぬのきもち保険」2015年保険金支払いデータより

*2015年保険金請求の総計31,111件中、請求数が多かった1位〜10位
※当社調べ「アクサダイレクト いぬのきもち保険」2015年保険金支払いデータより

――体毛については抜け毛の時期だから抜けているのか、皮膚炎の影響で抜けているかはどうやって見分ければいいのでしょうか?

 病院に行くかどうかの判断基準としては、全体的に皮膚が見えるほど毛が薄くなる、かゆみを伴う、一部のみ脱毛がみられる、皮膚に赤みや湿疹などの異常がある、皮膚が臭う、このようなときは病院に連れて行くようにしてください。

換毛期にアレルギー、心因性…犬がかゆがる原因は8つ

――愛犬がひんぱんに体を掻いていることに不安を覚える飼い主さまも多いようですが、この場合何か病気であることは考えられるのでしょうか?

 まず、いつもより少し頻度が多いくらいなら問題ありません。しつこく掻いているようであれば、皮膚をチェックしてみてください。
 犬がかゆがる原因は、以下のようなものが挙げられます。

  • 1.乾燥
  • 2.換毛期で抜け毛がまとわりついている
  • 3.毛玉ができている
  • 4.虫さされ
  • 5.外耳炎(耳をピンポイントに掻くのは難しいので首などを掻くことがあります)
  • 6.アトピー・アレルギー
  • 7.細菌感染・外部寄生虫
  • 8.自己免疫疾患

 その他、一部の腫瘍によりかゆみがあったり、心因性の場合もあります。

――こんなにたくさんの原因が!換毛期で毛がうまく抜けないということもあるのですね。この場合は日々のケアが大切だと思うのですが、どうすればよいでしょうか?

 毛がうまく抜けていなかったり、毛玉がひきつれている場合は日々のブラッシング不足が考えられます。
ブラッシングの習慣をつけましょう!

特に毛が長い犬はブラッシングの習慣をつけましょう!

 出来てしまった毛玉をブラシでほぐすのはとても難しく、やり方を誤るとその痛みからブラッシングを嫌いになってしまうことがあるため、毛玉が確認できるときは、トリマーさんなどにお任せすることをおすすめします。

シャンプーが細菌や雑菌繁殖の原因に!?

――犬も人間と同じように乾燥で炎症を起こしてしまうこともあるのですね。やはり空気の乾燥が原因でしょうか?

 乾燥の場合は、空気の乾燥の他にもシャンプーのしすぎが挙げられます。
 お湯で十分に洗い流すだけでも汚れはある程度落ちるので、大量のシャンプー剤を使って洗うのは避けたほうがいいですね。

 また、皮膚がきちんと濡れていない状態のシャンプーも好ましくありません。
 犬を浴槽に入れてからお湯をためてしばらく浸からせてあげたり、シャワーヘッドを皮膚に密着させたりすると十分に濡らすことができます。

――皮膚に問題があると、ついしっかり洗ってあげたくなりますが、気をつけないといけないですね。シャンプー時に気をつけることはありますか?

 シャンプーの際はすすぎや乾燥は年中問わず徹底してくださいね。不十分だと乾燥の原因や、細菌の繁殖につながってしまいます。空気の乾燥を防ぐために、加湿器をつけるのもいいですよ。

正しくシャンプーしないと皮膚炎の原因になることも…

正しくシャンプーしないと皮膚炎の原因になることも…

怖いアレルギーや病気は防げる?

――アトピーやアレルギーの場合の対策を教えてください。

 アトピーやアレルギーの場合は、かゆみの程度も重度で、皮膚が赤くなったり毛が抜け落ちたり、明らかに他の症状が同時にみられることが多いです。
 対策としては早めに受診をして、適切な治療することに尽きますね。

――何がアレルゲンになっているか分からないこともあると思うのですが、そういう場合はどうすれば良いでしょうか?

 接触性のアレルギーは、アレルゲンが体につかないよう専用のスーツを着せることもできます。
 また、食物性アレルギーの場合は病院で処方される療法食が必要です。
 人の食べ物をなんでももらっているような犬では皮膚の状態が悪いこともあるので、注意が必要です。

――犬を可愛がるあまりに与えてしまった人間の食べ物が皮膚を傷める原因になってしまうこともあるんですね。

 人間の食べ物は犬の肥満や内臓に負担をかける原因にもなりますし、一度あげると欲しがるようになるので与える習慣を作らないことが大事です。

健康な皮膚つくりにおいても愛犬に人間の食べ物をあげるのはNG

健康な皮膚つくりにおいても愛犬に人間の食べ物をあげるのはNG

――細菌感染などの見分け方はありますか?

 細菌や真菌による皮膚炎の場合は、かゆみや皮膚の赤み、湿疹などのほかに独特の匂いが生じますので、匂いが指標になるかもしれないですね。

――普段の犬の体臭と違うと感じたら病院に連れて行くべきですね。

 ほかにも、ホルモンの影響によってみられる脱毛もあります。
 これは特に中年以降の犬でみられ、左右対称に脱毛が起こることが多いです。
 ホルモンによるものなので、脱毛だけではなく、目にはみえないところで内臓にも影響が出ているケースがありますので、早めに病院を受診するようにしてください。

――わかりました。ノミやダニなどが付くことによって、かゆみが出ている場合はどう対処すれば良いですか?

ノミ・ダニが原因だとしたら、こまめな掃除や洗濯も皮膚炎予防の一環です

ノミ・ダニが原因だとしたら、こまめな掃除や洗濯も皮膚炎予防の一環です

 まずは、病院で寄生虫を駆除するための駆虫剤を処方してもらいます。
 かゆみの程度が低ければこれだけで治療はおしまいですが、強いかゆみがあり、掻き壊してしまっているような場合は抗炎症剤や抗生剤が必要です。

――日頃の寄生虫予防も大事なんですね。後編では、皮膚炎とストレスについてお聞きします。

愛犬を「皮膚病」から守るために|知っておきたい予防と治療法 [皮膚炎 後編]

三宅亜希先生
お話しいただいた先生 /
三宅 亜希 先生

日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。

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