2020/03/12

愛猫が血便を出したときの原因と対処法を獣医さんに聞きました

2020/03/12

愛猫が血便を出したときの原因と対処法を獣医さんに聞きました

 愛猫の便に血がついていた、重大な病気だったらどうしよう?と不安になってしまいますよね。今回は、猫が血便を出したときに考えられる原因について、獣医師の三宅先生にうかがいました。

猫が血便を出す原因は?

—猫の便に血がついていたら、どのような病気が疑われるのでしょうか?

 血便が出るというのは、口の中から肛門までの間のどこかで出血をしていることになります。
 その原因としては、便が硬いことによる肛門付近の出血、腸炎などによる腸の炎症、腫瘍からの出血、食物性のアレルギーなど、様々なことが考えられます。毛づくろいの際に飲み込んだ毛が、出血の原因となることもあります。
 一般的に飼い主さんがすぐに気づくのは赤い色の血ですが、それは肛門の近くである大腸からの出血です。
 胃や十二指腸など肛門から離れた場所で出血していたら、どす黒いタール状の便になるので、一般的な血便のイメージとは異なるでしょう。

子猫が血便をした場合は、早めに受診したほうが良いでしょう。

子猫が血便をした場合は、早めに受診したほうが良いでしょう。

—血便が出たら、すぐに受診すべきでしょうか?

 正常な便に少量の鮮血がついている、くらいであればそんなに慌てる必要はありません。ただ、その状態が数日間続いたり、定期的に繰り返したりするのであれば受診をしましょう。
 下痢便に血が混じっている、吐き気や食欲不振、だるさなどその他の症状が出ている場合も、受診をおすすめします。
 もし、便そのものが赤いジャム状や赤い液体のような見た目のときは緊急性が高いので、すぐに受診が必要です。
 また、子猫が下痢の血便をしている場合はウイルス感染も懸念されます。こちらも早めに受診したほうが良いでしょう。

—受診の際は、便を持参したほうが良いのでしょうか?

 可能であれば、一番新しい便を持っていってください。ただ、便がなくても、肛門から採便棒を入れて採取することもできますので、必須ではありません。

—血便で受診したら、どのような検査をするのでしょうか?

 便検査に加え、食事の状況を含めた問診などを行い、総合的に判断して治療を進めます。状況に合わせて超音波やレントゲンなどの画像診断、血液検査などを行うこともあります。

日々の健康管理。便のどこをチェックすべき?

—健康管理のためには、日常的に便の状態をチェックするべきでしょうか?

 そうですね。回数や硬さなど、その猫の「通常の状態」と異なる排便が続いたら、一度受診を検討してください。
 便の色は食べた物によって変わるので、通常と違う色でもおやつやフードなどに心当たりがあるなら心配はいりません。
 ただし、同じフードを与えているのに便の色が変わったら注意が必要です。

日々の便の状態を観察していれば、異常を見つけやすくなります。

日々の便の状態を観察していれば、異常を見つけやすくなります。

—下痢や便秘が起こったら、フードを変えるべきでしょうか?

 「これを食べると明らかに便の状態が悪くなる」とわかっているのであれば変更したほうが良いですが、ちょっと下痢や便秘をしたからと言って、フードをコロコロ変えてしまうと、かえって胃腸の調子がおかしくなってしまいます。便の状態が多少悪くても、一時的である可能性もあるため、すぐにフードを変える必要はありません。

—膀胱炎などで血尿が出て、それが便と混じって血便のように見えることもありますか?

 尿と便は出てくる場所が違うので、通常は混じることはありません。

—シニアになると血便が出やすくなりますか?

 シニアになると便秘がちになる猫は増えますので、硬い便による出血が起こりやすくなる可能性はありますが、血便が出やすくなるということはありません。
 便に血がついていたら、飼い主さんはドキッとするかもしれませんが、多少の出血であればしばらく様子を見てかまいません。
 血便が続く、明らかに普段と様子が違う、吐き気などその他の症状が出ている場合は、早めに動物病院を受診してくださいね。

三宅亜希先生
お話しいただいた先生 /
三宅 亜希 先生
日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。
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