2020/03/19
「愛犬を自由に走らせてあげたい」「いつもと違う環境で遊ばせてあげたい」「他のワンちゃん達と触れ合わせたい」そう考えている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
そんなときにおすすめしたいのが「ドッグラン」ですが、行ったことがないと「うちの子でも大丈夫かな?」「ルールや決まりは?」「他のワンちゃんと仲良くできるかな?」などの不安がありますよね。
そこで、ドッグランを安心して楽しむために、飼い主さんが知っておくべきマナーや事前に確認するポイントをご紹介します。
ドッグランとは犬をリードなしで自由に遊ばせてあげられる隔離されたスペースのことを指します。1980年代にニューヨークで誕生し、英語では「ドッグパーク(dog park)」と呼び、日本でも公園やショッピングモール、アミューズメント施設、パーキングエリアなど、さまざまな場所にドッグランが併設されており、利用者も年々増えています。
ドッグランは愛犬のストレス発散や運動不足の解消はもちろんのこと、犬同士で遊ぶことによって社会性を学ぶ場としての役割があります。
ドッグランを利用する前に、飼い主さんとしてしっかりと確認しておくべきことがいくつかあります。
ドッグランがある施設にはそれぞれ「利用規約」があります。行きたいと思った施設の利用規約は必ず事前にチェックしておきましょう。
特にワクチン接種の有無については厳しく定められており、1年以内の証明書(狂犬病ワクチン/混合ワクチンなど)を必要とする施設がほとんどです。また施設の利用料や登録料の有無も確認しておきましょう。
犬のワクチン接種については、こちらもあわせてご覧ください。
「犬の予防接種|狂犬病・混合ワクチンの種類と費用」
ワクチンの証明書等があっても、下記のようなケースは利用できないことがあります。判断が難しい場合は施設に問い合わせてください。
・噛み癖のある犬
・気性の荒い犬や好戦的な犬
・発情期の犬
・伝染病や皮膚病疾患のある犬
利用する施設によっても異なりますが、下記はドッグランに持参する代表的なリストです。マーキング癖のある犬は、マナーベルトも忘れずに持っていきましょう。
□鑑札
□狂犬病やワクチン接種の証明書(1年以内)
□リード、首輪またはハーネス
□水(犬の飲み水やおしっこを流すため)
□マナー袋やビニール袋(うんち用の袋)
□タオルやウェットティッシュ
□オモチャ/おやつ(施設によっては不可のところもあります)
など
ドッグランはたくさんの人が利用する共用施設です。みんなが安心・快適に利用できるよう飼い主さんはルールを守って、責任ある行動をしましょう。
ドッグランの出入りは必ずリードを付けた状態で行います。また扉の開閉時に他の犬が飛び出さないように十分注意しましょう。
場内にトイレがある場合は、入ってすぐ愛犬に確認させます。トイレがない場合は入場前に済ませておくようにしましょう。
もし場内で排尿してしまった場合は施設のルールに従い飼い主さんが対処します。フンをした場合は必ず飼い主さんが持ち帰ります。
施設によってはオモチャの使用を禁止しているところもあります。持ち込みOKの場合で、もし愛犬が他の犬のオモチャを横取りしてしまったときは、すぐに取り上げて持ち主さんに返しましょう。
オモチャの使用や持ち込みについても、事前に確認が必要です。
ほとんどの施設でおやつの持ち込みを禁止しています。おやつのニオイで他の犬が興奮してトラブルになってしまったり、もしアレルギーを持っている他の犬が食べてしまったりすると危険なためです。
そしてドッグランの利用中は、特に以下の点に注意が必要です。
ドッグランでは複数の犬が一緒になって遊んでいます。愛犬が他の犬に迷惑をかけてしまう、もしくはかけられてしまうといったトラブルを未然に防ぐため、目を離さないようにしてください。
ドッグランに来ている犬たちは、人懐っこくみえても実はかなり臆病だったり、手を出して突然噛みついたりすることもあるため、他の犬を触ったり抱っこしたいときは、必ずその飼主さんに許可を得てからにしましょう。
愛犬が楽しそうに遊んでいる姿を写真や動画で撮り、SNSやネットにアップすることもあるでしょう。しかし他の犬と一緒に撮ったり(写り込んだり)、他の飼い主さんと一緒に撮った写真や動画の場合、SNSやネットにアップして良いかどうか必ず許可を取るようにしましょう。
ドッグランには色々なタイプがあります。ここでは代表的なタイプをご紹介しますので、ぜひ愛犬と飼い主さんに合ったドッグラン施設を探してみてください。
「フリーエリア」や「オープンスエリア」と呼ばれ、犬の大きさに関係なく一緒に走り回れるエリアです。広々とした場所で愛犬と思いっきり遊びたい飼い主さんにおすすめです。
犬の大きさによってエリアを分けている施設があります。基本的には「中・大型犬用」と「小型犬用」に分かれています。
犬が走り回る地面の素材もさまざまで「土」「天然芝」「人工芝」「ウッドチップ」などがあります。普段のお散歩で慣れた足場を選んであげるのも、あまり遊んだことのない足場で好奇心を刺激してあげるのも良いでしょう。
屋内型ドッグランは、天候を気にすることなく利用することができます。犬が滑らないよう、クッションフロアになっているところが多いようです。中には屋内と屋外の両方が楽しめるドッグラン施設もあります。
キャンプ好きな愛犬家の方なら、ドッグランが併設されたキャンプ場がおすすめです。このようなキャンプ場はテントやキャビンで犬の宿泊がOKのところが多く、大自然の中で愛犬とゆっくりくつろげます。
愛犬を連れてのキャンプは「休日は愛犬とキャンプへ!安全に楽しむためのマナーと注意点」もあわせてご覧ください。
ドッグランは愛犬と飼い主さんが一緒になって楽しむ場所ですが、これは他のワンちゃんと飼い主さんにも言えることです。ドッグランは共同の施設であるという認識をしっかり持ち、施設のルールを守って楽しい時間を過ごしてください。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。