2023/01/19
【ペット保険選びのヒント!】若いし健康だからまだペット保険は必要ないと思っていたら、突然ケガや病気になってしまった。そろそろ加入しようとしたら年齢制限や過去の病歴で加入できなかった、というハプニングは少なくありません。ペットと飼い主さん、ともに困らないために、ペット保険の加入タイミングについて考えてみましょう!
ペット保険とは、ペットを動物病院で診てもらったときに、飼い主さんが支払う治療費の一部を補償する保険商品です。ただ、ペットが若くて健康状態も良好な場合、「動物病院へ通院することが少ないからまだ保険を使うことがないかも」と考えてしまい、ペット保険に何歳までに加入するのがよいのか悩む飼い主さんも多いでしょう。
では、どんなタイミングでペット保険の加入を考えていけばよいのか、ポイントとなる保険加入時の年齢制限や、その他の加入条件についてご紹介します。
ペット保険の加入年齢制限
一般的にペット保険は、新規で加入する場合は年齢制限があります。その年齢は保険会社により異なります。犬や猫は7歳頃から「シニア期」、つまり中高年期とされ、病気やケガのリスクが高まります。愛犬・愛猫の年齢がシニア期に突入してしまうと、新規で加入できるペット保険の選択肢は狭くなっていくことから、加入制限となる年齢の目安としては、シニア期以降と考えるとよいでしょう。では、愛犬・愛猫がシニア期を迎えるその前に加入したらよいのでしょうか?
年齢以外にも加入制限があることに注意!
ペット保険は0歳から加入可能となりますが、年齢以外にも保険会社によってさまざまな制限があります。例えば、人の職務に従事する犬・猫(猟犬・闘犬・警察犬など)や商業目的の犬・猫(繁殖用・貸出用・展示目的用など)に該当する場合や、保険会社が定める特定の病気にかかったことがあると、加入そのものができない場合があります。補償を受けるための条件や補償対象外となる病気など、加入条件や補償内容については、事前に各保険会社のウェブサイトなどで確認するか、保険会社に直接問い合わせるとよいでしょう。
保険期間と更新(継続)について
ペット保険の保険期間は1年です。その後は、原則1年ごとに自動更新になります。保険会社によっては、更新の際に審査があります。加入期間中の病歴や病気の種類・程度、保険金の請求状況などを審査した結果、契約を更新できない場合や、次年度契約の引き受け条件が変更となる場合などがあります。
また、更新可能な年齢に制限があるペット保険では、所定の年齢になり保険期間が終了すると契約の更新ができません。他にも、所定の年齢になると補償内容やプランが切り替わる場合などがあります。加入後も定期的に補償内容を確認し、見直していくとよいでしょう。
日本では人に対して国民皆保険制度があり、税金として保険料を納めることで、基本的に医療機関に支払う医療費については1~3割ほどの自己負担とされています。
しかし、ペットには公的な保険は存在しないため、ペットにかかる医療費は飼い主さんの全額負担となります。想定外の高額な治療費に驚かれる飼い主さんも多いでしょう。長期に渡る治療や手術・入院を伴う治療は、家計だけでなく飼い主さんの心の負担になる場合もあります。そんな時、ペット保険に加入していれば、補償内容に応じた保険金を受け取ることができ、ペットに満足のいく治療を受けさせることができます。
犬は皮膚炎、猫は腎臓疾患による請求が多い
2021年7月~2022年6月の一年間「アクサダイレクトのペット保険」へ保険金の請求件数が多かった病気ランキングと、ランクインしている病気の請求額(保険金をご請求いただいた時点での治療費)を一部抜粋しました。
保険金の請求件数が多かった病気ランキング
2021年7月~2022年6月に「アクサダイレクトのペット保険」への請求を対象
「犬」の保険金の請求が多かった病気 | |
---|---|
1位 | 皮膚炎 |
2位 | 心臓病 |
3位 | 外耳炎 |
4位 | 胃腸炎 |
5位 | 下痢 |
6位 | 胆嚢疾患 |
7位 | 腫瘍 |
8位 | 眼科疾患 |
「猫」の保険金の請求が多かった病気 | |
---|---|
1位 | 腎障害 |
2位 | 皮膚炎 |
3位 | 膀胱炎 |
4位 | 胃腸炎 |
5位 | 嘔吐 |
6位 | 心臓病 |
7位 | 腫瘍 |
8位 | 尿石症 |
では、ランクインしている病気について、実際の請求額はいくらくらいとなるのでしょうか。
「2021年7月~2022年6月の一年間「アクサダイレクトのペット保険」」のデータより、実際にあった請求額をいくつかご紹介します。
まず、犬に多い病気として知られる心臓病のひとつである「僧帽弁閉鎖不全症」では、症状の進行具合などによって治療費は大きく異なり、今回の調査では1~4万円ほどが請求額の平均値でしたが、通院と入院治療費を合わせた請求額が40~60万円と高額になったケースもありました。
8位の眼科疾患に含まれる「白内障」は、片目もしくは両目なのか、手術を伴う治療を行っているのかで治療費は大きく異なり、今回の調査では1~2万円ほどが請求額の平均値でした。ただし、実際に手術となれば検査や数日間の入院も必要となるため、なかには請求額が30万円以上になったケースもありました。
続いて、猫の心臓病で多い「心筋症」では、今回の調査での請求額は1~3万円ほどでした。心筋症のほかにも心臓病の治療のなかには、定期的な通院費や薬代に加え、症状が重篤化した場合には、入院治療が必要になる事もあり、合計すると高額になることもあるようです。
また、猫は「腎臓」の病気で通院することも多く、今回の調査での請求額の平均値は1~3万円ほどでした。病気が進行し長期入院となる場合は、治療費が40万円以上になることもあるようです。
そのほかにも、猫の病気で多い「下部尿路疾患」に含まれる膀胱炎が、上位にランクインしています。個々の状態により治療方法は異なるため、治療費について一概には言えませんが、今回の調査での平均請求額は1~2万円ほどでした。長期入院や手術を必要とする場合には、30~60万円と高額になることもあるようです。
ペットの傷病に伴う請求例
では、実際に請求のあった治療費をご紹介します。外耳炎で治療を受けた2歳のスタンダード・プードルで、入院なしで7回通院したケースです。
これらはあくまで一例となり、病状の進行具合や他の病気を併発しているか否かなどにより、治療内容はそれぞれ異なりますが、思いもよらず高額になるケースもあります。どのような病気でも症状が進行するにつれ、気持ちの負担も大きくなります。突然の病気やケガで慌てないように、普段から備えておくことが大切です。
ペット保険の加入は、基本的には「健康であること」が条件となります。そのため、飼い主さんはペットの健康状態を申告する必要があります。過去に病気やケガで治療を受けたことがあれば、その傷病名、治療の内容・期間、動物病院名などを記入する必要があります。
病気やケガの経験があると審査結果によっては保険へ加入ができなかったり、補償内容の制限や条件をつけたうえで加入となる場合があります。
体が未発達な子犬、子猫は「誤飲」「嘔吐」「下痢」をはじめ、ちょっとしたジャンプや転んだことでも起こる「骨折」や「脱臼」など、病気やケガは年齢に関係なく起こりますし、人間と同じように、年齢があがるにつれて糖尿病や癌、白内障などさまざまな病気を発症しやすくなります。遅くとも病気へのリスクが高まる年齢の前には、ペット保険に入っておくとよいでしょう。
ペットが、すでにシニア期に到達しているという場合でも、加入ができるペット保険は存在します。ただし、加入前から治療中の病気を含む関連疾患は補償の対象外になったり、付帯できるサービスや補償内容が異なることもありますので、加入条件をよく読んで検討しましょう。
どんなに日々のケアをしっかりしていても、ペットが高齢になるにつれ、人間と同じように病気やケガのリスクが高まります。「備えあれば憂いなし」ということわざがあるように、いざという時のために加入しておくことで、満足のいく治療を受けさせてあげられる安心感を得ることができます。大切な家族の一員であるペットのために、必要になってからではなく、ペットが若いうちからのペット保険の検討・加入がおすすめです。