2015/10/13
ヨークシャーテリアのりくは2歳の男の子。
池崎さんのおうちで暮らしています。とても小さなりくですが、おうちの中での役割がしっかりあるんです。
もともと動物好きの池崎さんは、他のわんちゃんを抱っこする機会はあったものの「一緒に暮らす」という実感までは湧かず、お仕事が忙しいこともあり、わんちゃんを飼うことに高いハードルを感じていました。
でも、まだ生後2ヶ月だったりくを初めて抱っこしたときだけは違いました。「この子となら一緒に暮らせる!」と直感した池崎さん。なんと、その場でりくをお家に連れ帰ると決めたそうです。
しかし、お家にはわんちゃんが来るなんて想像もしていない息子さんが…
池崎さんは勝手にわんちゃんを連れ帰ってきたことを怒られるのではないかと心配していました。恐る恐る息子さんの目の前でりくの入ったケージを開けると、覗き込んだ息子さんの顔はパーっと笑顔に。
お互い、わんちゃんを飼いたいなんて話はしたことがなかったお2人。
息子さんも以前からわんちゃんと一緒に暮らす生活に憧れを持っていて、りくを初めて見たときには「とうとう夢が叶った!」と感激したそうです。
こうして、池崎さん親子とりくの生活が始まりました。
お互い仕事が忙しく、会話の少なかった池崎さん親子。そんな日常を変えてくれたのがりくでした。
池崎さんと息子さんはりくをとても大事に育て、お互い綿密に連絡を取り合い、りくをお家でひとりにさせないよう、そして、ごはんの時間を守ってあげられるよう、フォローしあうようになりました。
「りくが、なかなかうんちをしない」という小さなことでも親子で一緒に心配し、「りくをどう育てるか」をお互い勉強し共有するうちに、親子の間にはりくについて話し合うという習慣が自然と生まれたのです。
りく自身も、池崎さんと息子さんのことをいつもよく見ています。
池崎さんと息子さんが喧嘩になってしまい、息子さんが自室にこもってしまった時には、りくが息子さんの部屋のドアをカリカリと引っ掻き、出てくるきっかけを作る役目を担っています。
一方、池崎さんと息子さんも、りくが人間の言葉が伝わらないのにも関わらず、ふたりが喧嘩をしている時にはそれを察し、大人しくなってしまうことに気づいてからは、りくに心配をかけるから言い争いはしない、と心がけているとのこと。
とてもマメでりくの小さな変化をいつも心配している息子さんと、子供を育てあげた経験もあって大きく構えていられる池崎さん。
一見、正反対に見えるふたりが共有する思いは「りくを幸せにしたい」ということ。
りくがやってきたことによって、親子には交流や会話が生まれ、お互いのことを今まで以上に理解し思いやることができるようになりました。
また、りくも池崎さんと息子さんが仲良く毎日を過ごせるよう、言葉はなくとも一生懸命におうちの中のムードメイカーの役割を全うしているのです。
池崎さん親子とりくが一緒に暮らし始めた当初、息子さんはフリーランスの仕事をしていました。
幼い頃のりくに気管虚脱という病気の疑いがあった時には、息子さんが在宅で仕事をしながらりくを見守ったこともあり、どちらかというと息子さんの方に懐いていました。
しかし、息子さんは近いうちに実家を出ることを決めていたため、りくが懐いていては、自分が家を出た時にりくが戸惑ってしまうのではと心配していました。
息子さんは遠くへ引っ越すわけではなく、もう二度とりくに会えなくなるわけではありませんので、別れと言うには大げさでしょうが、池崎さん親子とりくの2人と1匹、当たり前のように毎日顔を合わせ、触れ合うことができる日常がなくなってしまう…りくは、きっと寂しい思いをするでしょう。
息子さんはりくと一緒にいたい気持ちを抑え、お散歩は母である池崎さんに任せるなどして、りくと池崎さんの関係を作っていったそうです。
ちょうど息子さんのお仕事が忙しくなったため、りくにごはんをあげる役割を池崎さんが担当することが多くなったり、池崎さんとりくが二人きりで過ごす時間が増えたこともあって、結びつきは以前よりも強くなっていきました。
息子さんもりくに懐かれているとはいえ、少しずつ変わっていく関係を見て、寂しく感じることもありましたが、同時に安心したと言います。
2015年の夏、とうとう息子さんが実家を出る日が来て、池崎さんとりくの二人暮らしが始まりました。
息子さんが過ごす”母とりくのいない日々”、池崎さんとりくが過ごす”息子さんのいない日々”。
りくの心情を思い、池崎さんは、これまで勤めていた会社で定年退職再雇用を受けることになりました。
この制度で働くことにより、池崎さんは時短勤務となり、りくは池崎さんと今までよりも長い時間一緒に過ごせるようになったのです。
平日にも昼間にお散歩に連れて行ってもらえるりくは、とても幸せそうです。
池崎さんは今も、息子さんとメールでりくの様子を毎日のようにやりとりし、息子さんも毎日りくのことを考えていらっしゃるそうです。
りくも、息子さんが帰ってくるのを玄関先で待ちつつ、週に一度、息子さんが実家で2人と1匹で一緒に過ごせる日には、りくは部屋中走り回るほど大喜びします。
りくと池崎さんの絆、りくと息子さんの絆、そしてりくが変えてくれた、池崎さん親子の絆。2人と1匹の家族の間に結ばれた絆は、離れて暮らすことになっても決して弱くなることはありません。
これからも、りくは池崎さんと息子さんに深く愛されながら、そして池崎さんと息子さんの絆を強く結びながら、楽しく暮らしていくことでしょう。
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動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。