2015/11/19
飼い主さまが最も気になることのひとつが、愛犬の年齢と健康。愛犬にはいつまでも元気でいてほしいですよね。
そんな飼い主さまのために、愛犬の年齢ごとに気をつけておきたい病気や検査などについて獣医さんに聞いてきました。
—多くの飼い主さまの場合、犬の年齢が2~3ヶ月くらいでご自宅へ迎え入れるかと思いますが、その頃、気をつけてあげるべきことはありますか?
食欲があり健康的な便をしているか、というのは日々観察してもらいたいです。子犬の食欲不振や下痢は様子をみずに受診されたほうがよいでしょう。
また、ケンネルコフと言って、子犬によくある咳を伴う風邪がありますが、犬の咳は「カハッ」とむせるような咳なので、「なにか食べ物がつまっているのかな?」と感じる飼い主さまが多いです。見逃さないように注意してください。
犬を飼い始めたら、早めに健康診断を受けておくと安心ですね。
—早めに健康診断を受けることが大事なんですね。ワクチン接種もこのくらいの時期ですか?
生後1ヶ月までの子犬は母犬からの移行抗体で身体は守られていますが、それ以降はワクチン接種が必要です。
通常、ペットショップやブリーダーさんで1回目~2回目のワクチン接種が済んだ状態で手渡されることが多いかと思います。追加接種が必要かまたその時期はいつ頃がいいかなどについては、病院で相談してみましょう。
—ワクチンではどんな病気が予防できますか?
まず、「コアワクチン」と言われる重症化するような感染症から守るワクチンがあり、これには「犬ジステンパーウイルス感染症」「犬アデノウイルス感染症」「犬パルボウイルス感染症」、そして日本では「狂犬病」が含まれます。
また、地理的な理由や生活環境などにより接種が必要となる「ノンコアワクチン」があり、これには「犬パラインフルエンザ感染症」「レプトスピラ感染症」などが含まれます。
どのワクチンを接種するかはかかりつけの先生と相談して決めましょう。
—子犬は抵抗力が弱いとのことですが、生まれつき体が弱い犬というのはどう見分けられますか?
環境の変化に弱く、家に来たばかりの時に体調を崩してしまう子犬は意外と多いです。しかし、環境の変化によるものではなく、それが先天性かどうかは判断が難しいですね。
また、1歳未満の頃から病院によくかかっている犬は、成犬になっても体調を崩しやすい傾向があるので、成犬になってからも注意してあげてください。
基本的にはよく食べ、よく遊び、よく眠る子犬が健康的と考えていいですね。
—よく食べ、遊び、眠る子が健康というのは人間と同じですね。人間の子供だと食物アレルギーに気をつけますが、子犬の場合はどうですか?
食物アレルギーは子犬に限らず、起こりうるものです。消化不良の便をしたり、かゆみが出たりなど、人間と同じような症状が出ます。
食物アレルギーによる体調不良は、飼い主さまが「食物アレルギーのせい」と分かってご相談されることは少なく、下痢や体をかゆがっているという症状で病院へ行き、原因を突き詰めてみると、実は食物アレルギーだったというケースが多いです。
そういった場合は低アレルゲンのフードに変更したり、アレルギーの成分が分かっている場合にはそれを避けた食事にすることで対処できます。
—犬といえば、口腔ケアも大切と言われていますが、子犬の歯のケアは何歳くらいから始めた方が良いですか?
口腔内のトラブルは、若いうちから発生します。犬ごとの体質でも差が出て、同じフードを同じように食べていても、歯石のつきやすい犬とつきにくい犬がいます。
口腔内ケアのためのサプリメントもありますが、やはり一番良いのは飼い主さま自ら歯磨きをしてあげることです。
子犬のうちから歯磨きの習慣をつけることで、成犬になってからも口腔内ケア・歯周病のチェックがしやすくなります。
歯石はひどくなると、全身麻酔でスケーリングをすることもあり、犬の体への負担も大きくなるため日常からケアしておくことが重要です。
—これまで、主に子犬のケアについて伺ってきましたが、犬が成犬と呼ばれる年齢は何歳くらいでしょうか?
性成熟を迎えたら徐々に身体ができ上がってくるので、犬種にもよりますが、年齢としては1歳くらいでしょう。
フードを幼犬用から成犬用に切り替えるのも、生後7カ月前後~1歳半くらいの時期が多いようです。そして、成犬からシニアになる年齢の目安が大体7歳くらいですね。
—7歳でもうシニアなんですか?子犬時代だけではなく、成犬時代もとても短いように感じます。
犬の寿命はどんどん伸びているので、シニアになるのが早すぎるように感じますが、年齢が7歳になったら健康面に気をつけてあげるべきです。
去勢・避妊手術をするのであれば、若いうちに済ませておくとよいでしょう。
—いつまでも子供のように思っている飼い主さまもいらっしゃるかと思いますが、体調面では愛犬の年齢に応じたケアを心がけるべきですね。
子犬の時に食欲不振・下痢などの消化器症状や感染症がなければ、6歳くらいまでは何事もなく過ごす犬が多いです。でも、この年齢の犬は元気がありあまっているので、怪我に注意してあげたいですね。
—[シニア犬編]では年齢を重ねた愛犬の健康管理についてお聞きします。
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