2015/06/29
今回お話をお伺いしたのは、東京都にお住まいの徳江修さん・智恵子さんご夫婦。
現在、女の子のたまお(向かって右)と、男の子のとらお(向かって左)のねこちゃん2匹と一緒に暮らしています。今では、たまおととらおは家族の一員としてのんびりと過ごしていますが、実は、最初からこのような関係ではなく、たまおととらおが仲良く暮らせるようになるまでには、少々時間がかかったようです。
たまおが、徳江家に迎え入れられたのは6年前。
以前から、ねこちゃんの保護活動に関心があったお2人は、飼うなら里親を探しているねこちゃん!と決めていたこともあり、里親募集をしていた“たまお”を迎え入れ、愛情たっぷりに育てていました。
そんなご夫婦とたまおとの穏やかな生活は、捨て猫だったとらおを保護したことで変化し始めたのです。
2匹目のとらおとの出会いは、本当に偶然でした。
ある日、マンションの駐輪場で「みゃあみゃあ」と、か細い鳴き声が聞こえたそうです。智恵子さんがその声の主を探していると、そこには、小さな小さな茶トラの仔猫がいました。
「もしかしたら、母親が近くにいるかもしれない…」と思い、一旦、その場を離れたそうですが、仔猫のことが気になって仕方がなかった智恵子さんは、翌日、もう一度、探しに行ったそうです。
すると、まだあの仔猫がいるではないですか!
仔猫はお腹を空かせ、ずっと鳴きどおしだったようで、智恵子さんのほうをじっと見つめ、智恵子さんが手を伸ばすと、弱々しい様子でそのまま手の中へ。
これが、とらおとの出会いでした。
ただ、智恵子さんにはひとつ不安がありました。
それは、先輩ねこちゃんのたまおが新入りのとらおと仲良くやっていけるかということ。なぜなら、生まれたばかりの頃に徳江家へ引き取られたたまおは、今まで人間としか暮らしたことがなかったのですから。
案の定、その日、智恵子さんに抱かれたとらおを見たたまおは、「なにか来た!」と警戒しっぱなし。そこで、徳江さんご夫婦は、しばらくの間、2匹を同じ部屋に入れず別々の部屋で世話をすることに。
そうして1カ月が過ぎた頃、とらおのワクチン接種が終わったこともあり、ご夫婦はとらおを家の中で自由に行き来できるようにしました。好奇心旺盛なとらおは、まるでパトロールするかのように家中をウロウロ…。
すると、ついにたまおととらおがバッタリご対面!
びっくりしたたまおは硬直。とらおはたまおに興味津々。どんどん近付くとらお、嫌がって離れるたまお…そんな繰り返しの末、なんと、とらおが後ろから飛びつくという事態に。あまりの驚きに、おとなしかったたまおが「フーッ!」「シャーッ!」と、とらおを威嚇したそうです。
その後も、とらおからちょっかいを出される日が続き、繊細な性格のたまおは、ストレスを溜めてしまったそうです。そのストレスから、たまおはお腹を舐め続け、しまいにはハゲてしまったのだとか。引き取られた頃はあんなに弱々しかったとらおが、こんなに元気になったのはよかったのですが…ちょっと元気がよすぎるのかも?
すっかりたまおと同じくらいの大きさにまで成長したとらおですが、やんちゃなところは相変わらず。でも、たまおに威嚇されてからは、ちょっかいも減ってきたようです。
たまおも、とらおへの警戒心はなくなり、お腹にできてしまったハゲも、ご夫婦が気づいた頃にはきれいに治っていたそうです。また、とらおがごはんを食べているところに自ら近寄っては、同じお皿でごはんを食べることも少なくないのだとか。
とらおのやんちゃが過ぎると、怒ることもあるそうですが、かわいい弟ができたと思えるようになったのかもしれませんね。
繊細でおっとりのたまおに、マイペースでやんちゃなとらお。性格が正反対の2匹共通のお気に入りは、智恵子さんとのリラックスタイム。
「たまおはこちらの様子を伺いながら甘えてきますが、とらおは甘えたい時に甘えて、気が済んだらプイッて感じです(笑)」と智恵子さん。性格だけでなく甘え方も正反対のようですが、智恵子さんの膝の上で甘えているたまおの傍らで、そっと寄り添うとらお。
この様子を眺めていることが、徳江さんご夫婦にとってなによりの喜びなのだそうです。
仲良くなるように仕向けられたわけではないのに、こうして自然と距離が縮まってきたたまおととらお。これからも、ご夫婦に優しく見守られながら、少しずつ絆を深めていくことでしょう。
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