2016/02/18
まだ上手にトイレができないなど、猫が粗相をしてしまった時、どのように片付けていますか?
「ていねいに拭き取ったり、消臭剤をまいてもいまいち臭いが取れない」「ちゃんとトイレでしてくれてもトイレ自体が臭ってしまう」そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は猫のトイレの「臭い」を自宅にあるもので解消する方法、ご紹介します。
1.上手にトイレができなかった場合
きちんとトイレでおしっこをしてくれない愛猫…その場合はどうすればよいのでしょうか?
猫のおしっこがかかってしまった場所が、洗濯できるものとできないものに分けてご紹介します。
まずはその場所をよく叩いて拭き取ります。
こするように拭いてしまうと、おしっこが余計に染みこんでしまう原因になるので、叩いておしっこを雑巾に吸い取らせるようにしましょう。
<服やカーテンなどの洗濯可能なもの>
服などの洗濯ができるものは、酸素系漂白剤を使用します。
①酸素系漂白剤をおしっこのかかった部分に塗りこむ
漂白剤の原液を塗りこみます。この際、色物の場合は様子を見ながら塗付しましょう。やりすぎると色落ちの原因となってしまいます。
②ぬるま湯に酸素系漂白剤を入れ、30分ほど浸けておく
ぬるま湯に酸素系の漂白剤を入れます。分量はお湯3リットルに対し大さじ2杯程度が目安です。
③そのまま洗濯する
浸け置きした漂白剤は流さず、そのまま洗濯機で洗濯をします。
<壁などの洗濯不可能なもの>
洗濯不可能なものにおしっこをしてしまった場合は、先ほどと同じようによく叩いてから、お酢を水で薄めたものを使って消臭すると良いでしょう。
①お酢50mlを水200mlで薄め、スプレーボトルに入れてから、吹きかける。
薄めたものをおしっこで汚れてしまった部分に吹きかけます。この際、少し多めに吹きかけるとよいでしょう。
②消毒用アルコールで消毒し、乾燥させる
お酢を薄めたものを吹きかけたら、次は消毒用アルコールで消毒します。消毒後はドライヤーを使って乾燥させましょう。
2.空間が臭うとき
空間が臭うときは、消臭効果のある煎茶やコーヒーの出がらしを臭いのする場所に置いておきましょう。1日置いておけば臭いはある程度軽減されます。
ただし、お茶やコーヒーに含まれるカフェインは猫の身体に害を及ぼすため、誤食には十分注意してくださいね!
3.猫のトイレそのものが臭うとき
猫のトイレそのものが臭ってしまうときは、トイレごと洗ってしまいましょう。
トイレを洗っても臭いが軽減されない場合は、以下のような原因が考えられます。
◎トイレのシートや猫砂をこまめに取り替えていない
こまめに猫砂などを取り替えなかったり、掃除を怠っていると臭いが発生します。
最近では1週間掃除しなくてもOKなシートや猫砂も出ていますが、臭いを抑えるにはこまめに掃除をするのがもっとも効果的です。
◎猫がトイレの後、ちゃんと猫砂で埋めてくれない
猫はトイレの後、自分の便や尿を埋める習性があります。
気に入らない猫砂だと、猫がきちんと埋めてくれない場合があります。その場合はお気に入りの猫砂を探してあげましょう。
猫砂の好き嫌いはトイレの居心地の良し悪しにつながります。トイレの居心地が悪いために上手にできないこともありますので、居心地にも気を遣ってあげられるとよいですね。(それでも上手に猫砂をかけられない場合もあります。)
◎消臭効果の低い猫砂を使っている
猫砂にも様々な素材がありますが、中でも木材系の猫砂は消臭効果が高いと言われています。
木材系以外の猫砂を使っている場合は、木材系に変えるのもよい方法でしょう。ただし、猫砂も猫の好みがあります。新しい猫砂を猫が嫌がらなければ変えてみましょう。
猫が上手にトイレができない原因はしつけが不十分だからと考えていませんか?
実は、複数の原因が考えられます。
トイレの居心地が悪い
先に挙げたように、トイレの居心地が悪いことで猫がトイレで用を足したくなくなり、粗相をしてしまう場合があります。
トイレの設置場所が猫にとって落ち着かないところ(騒音がある、直射日光が当たる、同居猫がいる場合、あまり仲良くない猫の近くにトイレがあるなど)、猫砂やトイレそのものが好みでないなど、です。
その場合は猫が落ち着く場所にトイレを移動したり、猫砂やトイレを別のものに変えましょう。
「スプレー」というマーキング行為
主に去勢前のオス猫に見られる「スプレー」という濃いおしっこを広範囲にかけるマーキング行為があります。
これは性ホルモンの影響や、室内がいつもと違う臭いがして不安や不満を感じた時に行われることが多いです。
前者の場合、多くは去勢することで解消されます。それでも解消されなければ一度生活環境を見直してみましょう。
新しい猫が加わったり、外の臭いを持ち込んだりしていませんか?猫は臭いに敏感で、いつもと違う臭いに気づくと自分の臭いをつけようとスプレーを行います。
なるべくいつもと違う臭いを家に持ち込まないよう、家に入る前に衣服に消臭剤をまくなど、対策をしたほうがよいでしょう。
また、多頭飼いの場合、トイレの数は「飼っている猫の数プラス1カ所」が鉄則です。ぜひ参考にしてください。
発情期の猫の様子については、以下の記事もご覧ください。
泌尿器系の病気でおしっこが我慢できない
膀胱炎など、猫自身はトイレで用を足したくてもトイレまで我慢できずに粗相をしてしまうことが考えられます。
猫は身体の構造上、泌尿器系の病気になりやすい動物です。
おしっこが出にくかったり、何度もトイレに行ったり、いつもより元気がない場合は泌尿器系の病気の可能性が考えられますので、すぐに病院を受診しましょう。
猫の膀胱炎について、詳細は以下の記事もご覧ください。
おしっこがいつもと違う?猫の膀胱炎はどうやって気付けばいいの?症状と対策方法
猫だって動物。うっかり粗相をしてしまうことはあります。
その際、正しい方法で片づけられれば安心ですよね。今回紹介した方法はご自宅にあるものでできることばかりなので、参考にしてください。
また、トイレが上手にできないとついつい叱りたくなりますが、意味がないばかりか隠れて排泄をするようになってしまうこともあり逆効果ですので止めましょう。
愛猫の粗相の原因を探るのは困難ではありますが、しつけ以外にストレスや病気が潜んでいる可能性も考慮したいですね。
▼コチラの記事もCheck!▼
・猫のトイレ、しつけは楽って本当?粗相の原因、置く場所や数を見直そう!
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・おしっこがいつもと違う?猫の膀胱炎はどうやって気付けばいいの?症状と対策方法
→猫がかかりやすい病気の一つである「膀胱炎」。普段のケアももちろんですが、ちょっと様子がおかしいと感じた時には病院でしっかりと治療をしてもらうことが必要です。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。