2016/05/19
お店に行くとずらりと並ぶ多種多様なドッグフード。
犬種別、無添加など「どれを選べばいいのかわからない!」と悩む飼い主さんも多いはず。
犬にとってベストなドッグフードとは、栄養バランスにすぐれ、歯やあごの健康を保てるものです。とは言え、体調や年齢、好みだって犬によってバラバラ。
そこで、あなたの愛犬に合ったドッグフードを選ぶコツを、ご紹介します。
みなさんは、ドッグフードの成分表を気にされたことはありますか?
実は、この成分表にもドッグフードの選び方のコツが隠れているんです。
犬に最適な栄養素は動物性タンパク質。
犬はもともと肉食動物ですから、穀物や野菜はうまく消化できずに消化器官に負担をかけてしまうのです。
そのため、チキンやビーフといった動物性タンパク質が含まれているドッグフードをおすすめします。
成分表は、原材料に占める割合が大きいものから順に記載されています。
もし、コーンなどの穀物が先に表記されていたら、お肉などのタンパク質は少なめのドッグフードということ。
また、成分表に見られる「チキンミール」「ビーフミール」「サーモンミール」などの○○ミールは、特定の動物の成分を粉状にしたものを表します。
犬にとって良い栄養となるものもありますが、「○○ミール」「○○エキスパウダー」は、具体的に動物のどの部分を粉状にしたのか不明瞭なことが多いため、敬遠されている飼い主さんもいらっしゃるかと思います。
ドッグフードは、愛犬が毎日口にするものですから、成分や原材料にも気を配ってあげましょう。
最近だと、手作りドッグフードにチャレンジする飼い主さんもいらっしゃいますよね。
ただ、手作り食には栄養が偏ってしまう恐れもあります。栄養学や専門家のアドバイスを参考にして、バランスの良いドッグフードを心がけて下さい。
ドッグフードには大きく分けて4つの種類があります。
それぞれの特徴から、愛犬の年齢や体調に合わせたドッグフードを選びましょう。
最も一般的な総合栄養食・ドライタイプ
ドライタイプは長期保存ができ、かつ皿もあまり汚れないため、お手入れの手間もかかりません。
程よい硬さがあるので、歯やあごの健康に役立ちます。
歯やあごの発達が未熟な子犬にはソフトドライタイプ
ドライタイプに比べ、粒が柔らかく口当たりがよいのが特徴で、まだ歯が十分に発育していない生後6ヵ月以内の子犬におすすめです。
好き嫌いの激しい犬やシニア犬にはセミモイストタイプ
香りや食感がよく、ドライタイプをなかなか食べない犬におすすめです。
ドライタイプとこのセミモイストタイプを混ぜて、徐々にドライタイプに慣れさせてあげると良いでしょう。
また、消化吸収がよいため歯やあご、消化機能の落ちたシニア犬にも向いています。
食欲のない犬や胃腸の弱いシニア犬にはウェットタイプ
食感が生肉に似ており、犬が喜んで食べます。
他のフードと比べ水分量が多く食べやすいため、食欲が落ちている時に与えるとよいでしょう。
犬の年齢やライフステージによって必要な栄養素、最適なドッグフードの与え方も異なります。
ここでは、犬の年齢・ライフステージを「成長期」「維持期」「妊娠期・授乳期」「高齢期」の4つに分類します。
成長期(0歳~12か月):必要なエネルギー量は成犬の2~3倍!
成長期の子犬は、成犬と比べると2倍から3倍のエネルギーが必要と言われています。
特に、タンパク質、カルシウム、リンが成長には欠かせません。
子犬向けに栄養バランスのとれたドライタイプのドッグフードをあげましょう。
生後6ヵ月以内の子や、それ以上の月齢でもドライタイプを食べにくそうにしているあごの力が弱い犬の場合は、ソフトドライタイプのドッグフードもおすすめです。
維持期(1歳~6歳):成長期よりもあげる量を調整する
身体が十分に成長している時期で、成長期に比べて必要なエネルギー量は少なくなります。
したがって、成長期と同じようにドッグフードをあげると肥満になってしまいます。運動量や体格に合わせてあげる量を調整しましょう。
もし肥満になってしまったら、脂肪分を抑えた肥満用のドッグフードに切り替えるのもおすすめです。
妊娠期・授乳期:肥満にならないよう小分けにしてあげて
妊娠後期(5週~)から必要とするエネルギーの量が通常の2~4倍に増えます。
ドッグフードは高カロリーで消化のよいものを与えるようにし、特にカルシウムやリンといったミネラルを多く含む妊娠・授乳期用フードで積極的に栄養を補うようにしましょう。
但し、食べ過ぎないよう小分けにしてあげましょう。
高齢期(7歳~):維持期と比べ必要なエネルギーは1/3に
高齢になると、維持期に比べて必要とする栄養の量は1/3程度に減ります。
また、脂肪の多い食事は肥満や高血圧など、病気の原因となるので控えたほうがよいでしょう。
一方、骨や肉の老化が進んでいくために必要なタンパク質の量は増えますから、より良質なタンパク源のドッグフードを与えましょう。
なお、シニア犬用のドッグフードの中には、関節を動かしやすくする成分「コンドロイチン」を含むものもあります。
愛犬の健康に気をつかってドッグフードを変えたら、下痢などかえって体調を崩してしまった!なんてことはありませんか?
ドッグフードを急に変えてしまうと、形状や硬さ、栄養が今までと異なることで、消化しきれないことがあります。
ドッグフードを変えるときは、1日で変えるのではなく、今までのドッグフードと混ぜながら、1週間ほどかけてゆっくりと変えていくのが理想です。
また、柔らかいタイプのドッグフードは歯垢がたまりやすい傾向にあります。
歯垢がたまると、口臭の原因となるだけでなく、歯周病になってしまうこともあるので、柔らかいタイプのドッグフードをあげるときは、歯垢除去の効果があるデンタルフードやおやつを合わせるといいでしょう。
体調や年齢により、必要な栄養素やエネルギー量、さらには食べやすい形状は異なります。
健康は食事からといわれるように、毎日食べるドッグフードで愛犬の健康は大きく変化します。
ドッグフードを正しく選び、正しく与えることで、元気な愛犬と楽しく過ごしましょう。
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動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。