2016/05/19
愛犬と暮らす中で時折心配になる病気。
「犬がかかりやすい病気ってどんなものがあるの?」「犬種によってかかりやすい病気って違うの?」そう疑問に思う飼い主さんも、多いのではないでしょうか。
アクサダイレクトの取り扱い保険金支払いデータを元に犬がかかりやすい病気をご紹介します。
犬種・犬の年齢問わず発症しやすいのが外耳炎。どの犬種、年齢でも上位に外耳炎が入っていました。
特にゴールデン・レトリーバーなどの耳が垂れている犬種、フレンチブルドッグなどの皮膚が弱い犬種がかかりやすいです。
炎症が軽度の場合は点耳薬を差すのみで解決しますが、重症だと何度も通院する必要があり、治療が長期化します。
通院が必要な例の中でも、比較的軽度なものとして、通院(診察・処置・内服薬など)5日で12,000円ほどの治療費が必要です。
さらに、犬が耳を掻きすぎて出血し耳道がふさがってしまうと、手術が必要になることもあり、合計で232,000円という治療費例もあります。
外耳炎の原因や詳しい症状、予防のケアについては以下のリンクにある記事をご覧ください。
▶犬がかかりやすい病気「外耳炎」の原因って?正しい予防と治療方法
犬の皮膚炎は寄生虫や細菌・真菌性のものからストレスや毛玉のひきつれ、過剰なシャンプーまで、原因は多岐にわたります。
皮膚炎は、その原因により治療法が大きく変わりますが、主に使用する薬はダニなどを駆除する駆虫剤やアレルギーの反応を抑える薬、かゆみ止めの薬などです。
ノミの吸血により全身にかゆみが生じていたミニチュア・ダックスフンドの治療例を紹介します。検査や処置、内服薬を含め、通院費として合計4,250円でした。
また、重症化したアトピー性皮膚炎の例では、注射や皮膚の衛生を保つためのシャンプー、トリミングが必要になり、2週間も通院したケースがあります。その場合、合計141,800円の治療費がかかりました。
犬が体をかく8つの理由。その症状、皮膚炎へつながることも!?
愛犬を「皮膚病」から守るために|知っておきたい予防と治療法
1歳未満の子犬だと、下痢・嘔吐が皮膚炎より上位に入っていることがわかります。
子犬は環境の変化に弱く、家に迎えたばかりだとストレスを感じたり、ウイルスや寄生虫が原因で下痢を起こすことがあります。これは、子犬は成犬と比べて免疫力・体力ともに不十分なためです。
子犬が下痢をした場合、原因を突き止めるため、病院で便の検査をするのが一般的です。
原因によって、抗生剤や駆虫剤、整腸剤を投与します。特に子犬が何回も下痢をしていると脱水に陥っている可能性があるので、その際は点滴を行います。
下痢の治療費では、血液検査などの諸検査、抗生剤、整腸剤などの投薬処置、8日間の入院費等を含め、105,490円かかった例もあります。
たかが下痢、と軽視しがちですが、重症化すると入院が必要になることもあるので、下痢の症状が見られたら、すぐに病院へ連れて行ってあげてくださいね。
下痢の他にも、子犬は一緒に暮らすうえで気をつけるべきことが多くあります。
詳しくは以下のリンクにある記事をご覧ください。
▶1歳になるまでの子犬は感染症に注意!年齢別正しいケアの方法
予め愛犬がかかりやすい病気を飼い主さんが知っておくことで、実際に愛犬が病気にかかった際、焦らず、対処できることもありますよね。
愛犬と長く楽しく暮らしていくために、今一度愛犬の病気や治療について考えてみませんか?
ゴールデン・レトリーバーは、表1のランキングと同様に外耳炎、皮膚炎が上位に入っていることが目立ちますが、ゴールデン・レトリーバーならではの病気として注目していただきたいのが耳血腫。
耳血腫は、耳の毛細血管が切れ、耳介に血や漿液(しょうえき)がたまる病気です。
外耳炎にかかってしまった犬のなかには、頭を振って痒みから逃れようとすることがあり、特にゴールデン・レトリーバーなど中・大型犬で、耳が垂れている場合、頭を振りすぎると耳血腫にかかりやすいのです。
チワワやマルチーズといった小型犬で特筆したいのは、7歳以上のシニア期で上位に入っている僧帽弁閉鎖不全症という病気。
これは、加齢により心臓内の弁が閉じにくくなり肺に負担がかかる病気で、犬の心疾患の多くが僧帽弁閉鎖不全症であるとも言われています。
心疾患は命にかかわる病気。手遅れになる前に、必要な治療を受けさせてあげたいですね。
ミニチュア・ダックスフンドは、他の犬より椎間板ヘルニアになりやすいことは、よく知られていますよね。
足が短く胴が長い特徴から腰に負担がかかりやすいためです。
ミニチュア・ダックスフンドの椎間板ヘルニアでは、神経の検査やレントゲン検査、CT・MRI検査でどこの椎間板が突出しているかを検査しますが、重症の場合、外科手術・入院が必要になり、治療費で280,000円かかった例もあります。
シー・ズーやジャック・ラッセル・テリアなどのテリア系は、結膜炎、緑内障、パンヌスと目の病気が上位に入っていることが特徴です。
目が丸く大きいことと、長毛種なので目に毛が入って炎症を起こしやすいのが原因です。
結膜炎や緑内障は、まず点眼薬の治療が行われます。点眼薬で改善しない場合は外科手術が必要になります。重症化すると失明する恐れがありますから、早い段階で治療してあげることが大切です。
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・老犬(高齢犬)のケアの基本。健康診断でかかりやすい病気をチェック
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・犬が体をかく8つの理由。その症状、皮膚炎へつながることも!? [皮膚炎 前編]
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・ペット保険の保険料を決める要素|品種での制限は?高齢でも入れるの?[vol.4]
→大きく3つの要素から決まるペットの保険料。品種やペットの年齢などで変わる保険料の仕組みを、具体例をみながら確認しましょう。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。