2016/05/31

野良猫を保護した時の5つのポイント|拾ってから飼うまでの注意点

2016/05/31

野良猫を保護した時の5つのポイント|拾ってから飼うまでの注意点

 途方に暮れている野良猫を保護したものの、まず何をすべきかわからない…というケースは意外と多いもの。猫を初めて飼う人はもちろん、すでに猫を飼っている人でも、勝手が違うために困ってしまうこともありますよね。
 今回はそんな時に役立つ、野良猫を保護する時のポイントをご紹介します。

野良猫を拾ったらまずやること

野良猫を拾ったら、まずは動物病院へ連れていってあげましょう

野良猫を拾ったら、まずは動物病院へ連れていってあげましょう

  1. まずは動物病院へ

    野良猫を拾ったら健康状態を確認するため、まずは動物病院に連れていってあげましょう。野良猫は十分な食事がとれていなかったり、過酷な状況にいたことで衰弱していることも多いものです。
    獣医さんにきちんと診てもらうことで猫の健康状態を把握できるだけでなく、感染症の検査や予防接種をすることもできます。感染症は人にうつるものもあるので要注意です。
    予防接種の費用は4,000~6,000円程度。 また、ノミダニの駆除に2,000円程度、検査などに5,000円~10,000円程(病院やコースによって変動)、初診料が1,000~3,000円程度かかります。
    やや費用は嵩みますが、初めにしっかりと検査をすることで猫にも飼い主さんにも安心な状態をつくることができます。

  2. 本当に野良猫か

    健康状態の確認は最優先ですが、本当に野良猫なのか確認することも重要です。まずは最寄りの警察や保健所で、飼い主からの迷子届けが出ていないかどうか確認を。
    また飼い猫は首輪のほかに、マイクロチップがつけられていることもあります。チップの有無と健康状態を同時に確認できる動物病院が行くのがおススメです。

保護するときのポイント

固形フードをあげてよいかは、体重で判断しましょう

固形フードをあげてよいかは、体重で判断しましょう

  1. 食事のポイント

    子猫と成人した猫では、食事の内容も異なります。拾ってきた猫がどのくらい成長しているか見極めることが大切です。眼が開いていなかったら確実に離乳前ですので、固形フードはNG。個体によりますが、400g未満の場合は、まだミルクが必要です。
    体重がそれ以上なら、子猫であっても固形フードでOK。フードは沢山の種類があって選ぶのに困ってしまいますが、「総合栄養食」と記載してあるフードならなんでも大丈夫です。ドライフードよりもウェットフードを好む猫の方が多いです。
    注意しないといけないのは、離乳しているかどうかを問わず、猫に牛乳を飲ませると下痢を起こす危険があるということ。下痢になると、脱水症状につながるため注意が必要です。
    野良猫は体力を消耗していることが多いので、脱水症状が命取りになることも。400g未満の子猫にミルクをあげるときは、下痢になってしまうのを防ぐためにも必ず猫ミルクをあげてくださいね。

    ミルクは必ず猫ミルクを!

    ミルクは必ず猫ミルクを!

    近くに猫ミルクを売っているお店がない場合は、人間用の赤ちゃんミルクを通常の2倍に薄めたもので代用することも可能。ですが、これはあくまでも緊急手段ですので、翌日以降は猫ミルクに切り替えてあげてくださいね。

  2. お風呂のポイント ~お風呂に入れない~

    野良猫はお風呂が苦手な場合が多く、非常にストレスになります。衰弱している場合には、体への負担も大きくなります。ノミやダニなどが心配だという方もいると思いますが、実はシャンプーで害虫をとりきることはできません。
    害虫対策は病院で処方される駆除薬を使うのがおススメ。成虫を駆除するだけでなく、害虫の卵や幼虫の発育を阻止するような高い効力が1カ月以上続くものもあります。
    どうしてもシャンプーをしてあげたい場合は、病院へ行って薬を処方してもらってからにしましょう。猫のストレスを考えれば、飼い主さんにも慣れてきてからの方がベストです。

  3. お部屋でのポイント ~先住猫とは隔離する~

    先住猫との対面は慎重に。布で覆ったケージにいれ、まずは気配だけで対面させましょう

    先住猫との対面は慎重に。布で覆ったケージにいれ、まずは気配だけで対面させましょう

    猫を飼っている人にとって重要なのが、この先住猫と拾ってきた猫を隔離するということ。
    特にまだ病院へ連れていってない場合は、病気の感染の可能性もあるので安全が確認されるまでは接触させないのが得策。時には喧嘩をして、お互いにけがをしまうこともあるので、気を付けましょう。
    また人間でも同じですが、慣れない部屋は不安なもの。もしかしたら、暴れてしまうこともあるので、事前にお部屋を片付けておくのも大事なポイントです。

  4. トイレのポイント

    飼い猫と一番勝手が違うのが、トイレの問題。特に離乳前の子猫はトイレを自分でできません。ティッシュやコットンなどをぬるま湯につけ、軽く絞ったものでお尻を優しく拭いて刺激を与えてあげてください。
    子猫は離乳食を食べ始めるころから、徐々に自分でトイレができるようになります。大体生後1カ月くらいのときで、体重は400g以上が目安です。
    離乳後の猫のトイレには、猫砂が最適ですが、すぐに用意できないときは、箱に新聞紙を細かく裂いたものを入れてあげましょう。

    トイレができてこそ一人前。しっかりトイレトレーニングをしてあげましょう

    トイレができてこそ一人前。しっかりトイレトレーニングをしてあげましょう

    野良猫はトイレの躾ができてないことがほとんどなので、初めは失敗することも。お部屋の中をそわそわと歩き回ったり、落ち着きのないそぶりを見せたら箱の中に入れてあげてください。
    すぐに外に出てしまう場合でも、幾度か入れてあげると無事に用を足せることもあります。トイレが自分でできるよう、少しずつ躾をしてあげたいですね。

  5. 睡眠時のポイント

    ご飯やトイレの準備が整ったら、最後は睡眠時の環境を整えてあげましょう。汚れてもいい毛布やバスタオルを用意することで、体温の低下を防ぐとともに、快適な寝床をつくってあげることができます。
    どうしても落ち着かない場合は、毛布やバスタオルと一緒に箱にいれてあげると落ち着きます。安心できる環境をつくることで、だんだんとお部屋や飼い主さんにも慣れてくれるはずです。

子猫は自分で体温調節ができません。拾ったら真っ先に温めてあげましょう!

子猫は自分で体温調節ができません。拾ったら真っ先に温めてあげましょう!

 わからないことや心配な点があれば、すぐに動物病院へ行き、獣医さんに相談してみましょう。獣医さんの元には、同じようなケースで相談に来る方が多いので、それぞれの猫にあった的確なアドバイスをしてくれます。

 初めは健康診断や治療で費用がかさむこともありますが、しっかりとケアをしてあげることで、後々の手間やリスクはぐっと減ります。拾ってきたときのポイントを押さえれば、子猫もすくすくと育ってくれるはずです。

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