2016/11/15
家族の一員として、一緒に楽しい毎日を暮らしていく犬との出会いはとても運命的なもの。その出会い方も家族によって、実に様々です。
ペットショップでの購入や、ブリーダーさんや知人からの譲渡、路上での保護などはもちろん、最近注目を集めているのが、譲渡会などを利用した里親制度。様々な事情で飼い主さんを失ってしまった可愛そうな犬を譲り受け、新しい家族の一員として受け入れることは尊い命を守ることにもつながります。今回は犬の里親になるときのハウツーをご紹介します。
近年では、インターネット上の里親募集サイトや、譲渡会でマッチングが行われています。特に、直に様々な犬と触れ合える譲渡会は相性のいい犬と出会える可能性が高いので、パートナーをお探しの方は一度参加してみてもいいかもしれません。
そもそも保護犬とは、元の飼い主さんがどうしても飼えなくなってしまったり、ブリーダーさんから怪我の後が残ってしまったなど販売ができない犬と判断されたなど、様々な理由で保健所などに持ち込まれる犬のこと。例えば、迷子犬として保健所に来たもののそのまま期間内に飼い主さんが現れなかった場合や、多頭飼いに失敗し保護された犬、ブリーダーさんが廃業や事業の縮小を行う場合に保護団体が引き受けることになった犬など、人間の都合で可哀想な運命を背負ってしまった犬が多いです。
身寄りのない犬と優しい新たな飼い主さんとのマッチングこそが、里親募集サイトや譲渡会のミッションとなっているのです。
日本では保護犬の間違ったイメージが広まってしまっていることもあり、「犬の年齢が高齢ではないか?」「虐待されていて性格悪くない?」「保護犬は汚いのでは?」など、いろいろと不安に思う方も多いかもしれません。
でも心配ご無用。若い犬も沢山いますし、年齢が高い犬の場合は訓練をされているので、逆に飼いやすいなどのメリットも。性格についてもスタッフの方が事前にその子の特徴をしっかり説明してくれます。
パグ、チワワ、ボーダーコリー、シーズーなど、人気のある犬種に特化して保護し、里親募集を行っている保護団体もあります。
また、ほとんどの施設では衛生面が徹底されており、非常に清潔な状態に保たれています。もちろん、病気の予防接種や害虫駆除をされていない犬が同じ空間に収容されていることもあるため、ノミやダニ、寄生虫などの危険が潜んでいないとは言えません。
しかし、これはペットショップでも同様ですので、保護犬だからといって特段心配をする事柄ではありません。ワクチンやノミダニ駆除をしてあげるのは、どこで出会った犬でも必須事項。どんな場合でも、新しい犬を飼い始めるときは、飼い主さんの方できちんと処置を行ってあげることが重要です。
とはいえ、インターネットや譲渡会を通じて里親になろうと思っても、すぐに引き渡しがおこなわれるわけではありません。再び野良犬にならないよう、相性や条件の確認が行われます。ここでは、里親になるまでの流れをご紹介します。
~インターネットでの里親募集の場合~
~譲渡会の場合~
譲渡会に行くのが初めてという方は、こちらのレポートがおススメ。猫の里親を募集する「譲渡会」ってどんなところ?実際に行ってみた
犬と猫の違いはありますが、雰囲気や流れはしっかり掴めるはずです。
インターネットの里親募集掲示板などを利用する場合、相手が保護団体などではなく、個人であるということも珍しくありません。その場合、元の飼い主さんとのトラブルが生じることもあるので注意が必要です。特にお金の受け渡しが生じるときは、犬の受け渡しと同時に実際に会って行うことをおススメします。
心ない人による詐欺にあってしまうケースも報告されていますので、不安な場合は書面を残すのもひとつの方法です。
またインターネット、譲渡会どちらの場合でも、マイクロチップの登録や、ワクチン代などの医療費、ゲージやトイレシートなどの生活必需品の購入費を合わせると、総額で5~6万円ほどかかります。また、去勢手術を行う場合、オスの去勢手術(入院なし)で、2~3万円程度、メスの避妊手術(1泊入院)で、3~5万円程度、上記にプラスしてかかってきます。後になって、こんなにかかるとは…とならないよう費用は事前にしっかり把握しておきましょう。
マイクロチップの登録の仕方がわからないという方は、こちらの記事を参考にしてください。【迷子猫・迷子犬対策】マイクロチップ装着のメリットと費用
飼い主が変わった成犬は気持ちが不安定になることも多いもの。里親になるためには、飼い主さん側の心の準備も大切になってきます。中には過去にトラウマがある犬もいるため、しっかり相手と向き合い、犬の気持ちを考えてあげることが重要になります。
そして、何より大事なのが、犬を二度と悲しい目にあわせないよう、一生一緒に暮らすんだという強い覚悟を改めてしておくということ。ペットを飼う上では当たり前のことなのですが、犬が来るまでの間に今一度、新しい「家族」が来るんだということを意識して、温かく迎え入れてあげる体制を整えましょう。
特に先住犬がいない場合やはじめて犬を飼う場合は、飼うための環境を整えておく必要があります。ハウス、トイレ、食事、リードなどの道具など、犬が快適に暮らせる環境を事前に準備しておきましょう。おやつやおもちゃを用意してあげるなど、小さな心遣いも犬はきっと喜んでくれるはずです。
里親になってからしばらくは、丁寧なケアが必要です。特に飼ってすぐは、逃げ出してしまう犬もいるので要注意。慣れるまではリードを首輪にぶらさげておきましょう。また一般的には外出時はリード一本で散歩に行くことが多いと思いますが、慣れるまでは二本のリードをつけておいた方が安心です。
さらには、飼い始めてしばらくはどんな癖があるか分からないというのも怖いところ。外出などで長い時間目を離す時は、サークルやケージの中で待たせるようにすると、犬の安全を守ることにもつながります。中には来訪者などにかみついてしまうなど、問題を起こしてしまうことがあるので注意しましょう。
相手が保護団体の場合は、基本的にスタッフの方が犬の特徴をつかんでおり、引き渡し時に気を付けることを教えてくれます。個人の場合は、相手の方と密にコミュニケーションをとり、こちらから特徴や注意事項を聞き出すくらいの心構えがあるとよいでしょう。
里親になる場合は、子犬から飼い始める時と違って信頼関係を築くまで時間がかかることもあります。しかし、相手としっかり向き合えば必ず気持ちが通じるものです。家族の一員ですから、我が子と同じように、焦らず長い目で見てあげましょう。ぜひ新しい家族と一緒に、楽しい毎日を送ってくださいね!
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動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。