2017/03/30
リードを首輪に付けてお散歩する犬とは違い、猫の首輪は必ずしも必要なものではありません。でもオシャレなデザインの首輪は魅力的ですし、大切な愛猫に似合う首輪を手作りする飼い主さんもいますよね。
しかし首輪を付けることが事故につながったり、合わない首輪を付けることが猫のストレスになってしまうこともあるのです。
猫が首輪を付けるメリット・デメリット、そして首輪を付ける場合のポイントなどをご紹介します。
まずは首輪を付けるメリットについて考えてみましょう。
外を歩いている猫は、一見して野良猫か飼い猫か判断できません。お散歩が好きな猫の場合、首輪をつけていれば飼い猫だという目印になり、保健所などに保護される可能性も少なくなります。
室内飼育の場合でも、万が一脱走や、災害等に遭ってはぐれてしまうことがあります。そんな時に首輪に連絡先を書いたり、タグを付けたりしておけば、どこかで保護されても飼い主さんと連絡をとることができます。
また迷子の猫を捜索する時には毛色や体型などに加え、首輪のデザインなども手がかりになります。もちろんマイクロチップを埋め込んでいれば飼い主さんの情報を検索できます。しかしマイクロチップリーダーを設置してあるのは動物病院や保健所等の限られた場所です。
もし一般家庭で保護された場合はすぐにマイクロチップの情報を読み取ることができませんので、首輪にも連絡先が記載されていると安心ですね。
首輪に鈴を付けておくと、室内のどこに猫がいるかわかります。万が一、無人の部屋やクローゼットの中などに閉じ込められてしまった時も、すぐに気づくことができます。
では首輪を付けることで、どのようなデメリットが考えられるでしょうか。
考えられるデメリットとして一番大きなものは、事故の危険性です。たとえば狭いところを通り抜けようとした時に、柵や手すりが首輪に引っかかって首が締まってしまい、最悪の場合は窒息死することがあります。
皮膚が弱い猫の場合、首輪で擦れる場所を痒がったり、皮膚病になったり、毛が抜けてしまうことがあります。
鈴を付けていると音がうるさく、猫のストレスになるという意見もありますが、ある程度は慣れるので問題はないようです。しかし猫によっては音に敏感な場合もありますし、また飼い主さんにとっても音をうるさく感じることがあります。
猫の安全に配慮した上で首輪を付ける場合は、以下のことに気をつけましょう。
成猫になってから首輪を付け始めると、嫌がることがあります。付けるのであれば、子猫の時から慣れさせておきましょう。
あまりキツく締めても窮屈ですし、ゆるすぎると皮膚に擦れて毛が抜けてしまうこともあります。
猫の首周りにプラス5~6cm、飼い主さんの指が2~3本入る程度のゆるさが目安です。
子猫の時からずっと同じ首輪をそのまま付けていると、成長に合わせてサイズが合わなくなります。体重や体型の変化に合わせて、常にちょうど良いゆるさを保つように気にかけてください。
首輪の素材は綿やウール、化学繊維など様々ですが、猫によっては痒みを感じる場合があります。また重すぎる、幅が広すぎるなどの付け心地の悪い首輪も、猫にとってはストレスです。
実際に付けてみて猫が心地よさそうにしている、ストレスを感じていないものを選びましょう。
万が一何かに引っかかってしまった場合、すぐに外れるバックル式のものや、ゴムなどの伸縮性があるものであれば、事故につながる危険性は低くなります。
猫に首輪を付けることには、メリット・デメリットがそれぞれあります。これらをよく理解した上で、必要応じてそれぞれの猫に合った首輪を選んであげてくださいね。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。