2018/04/26
小さめのかわいらしい顔に長いヒゲ。猫のヒゲには、様々な役割があることを知っていますか?今回は、あまり知られていない猫のヒゲについてご紹介します。
猫といえば口元の長いヒゲが特徴的ですが、実は、猫のヒゲはいくつも種類があり、また意外な場所にあったりするので覚えておきましょう。
眉上毛:目の上の長い毛。
頬骨毛:目の横下にある1、2本の毛。
上唇毛:唇の横にある約24本の毛。いわゆる、猫のヒゲと聞いてイメージされるもの。
下唇毛:見えにくい場所にある、顎の短い毛。
口角毛:上唇毛の上にある1、2本の短い毛。
足の毛:前足首の毛。
猫のヒゲには、いったいどのような役割があるのでしょうか。ヒゲが普段の生活で果たしている役割について見ていきましょう。
平衡感覚を保つ
周囲の環境をチェックするセンサーの役目を果たしています。ヒゲ先に少し触れると感知することができるので、狭い道でも挟まることはありません。また、上唇毛と口角毛は顔の横、下唇毛は視界に入りにくい顎下の障害物を感知します。移動時に身体を傷つけない役割も果たしているようです。
空気の流れを感じ取る
猫に限らず動物が移動をすると、その動きにより空気の流れに乱れが生じます。猫はその微細な空気の変化を感じ取り、物体との距離や位置まで把握することができます。そのため、辺りが見えない暗闇の中でも、物にぶつからずに歩くことができると言われています。
目を守る
眉上毛に何か触れた場合や感知した時には、すぐに目を閉じて異物などが入らないようにして目を守ります。
感情を表す
ヒゲは猫の精神状態を表します。そのため、ヒゲを注意深く観察することで猫の気持ちを把握することができます。例えば、上唇毛が下に垂れているときは、リラックスしている証拠。褒められたり、遊んでもらっていたりして喜んでいるときは上向きになるほか、情報収集や興味をそそられている場合は前向きに広がります。
ヒゲは換毛期、病気、年齢などで短くなったり、抜けてしまったりすることがあります。もし、変化があった場合に慌てることがないようにヒゲの変化について理解しておきましょう。
ヒゲは、半年に1回生え変わるので2、3本落ちている場合は心配いりません。しかしストレスによって抵抗力が落ちると、ニキビダニが原因で皮膚炎になり抜けることがあります。また、老化によりヒゲが短くなります。若いのにヒゲが急に短くなってしまった場合は、病気の可能性もあるので早めに病院へ連れていくことも検討した方が良いでしょう。
猫は日本や海外で縁起ものとされていて、黒猫は厄除け、三毛猫や招き猫は金運を運んでくると言われています。そのため、ヒゲにも力があると信じられ、抜けたヒゲは日本では金運、ヨーロッパでは恋愛運に良いとされています。ただし、お守りにすることができるのは、自然に抜けたものだけなので、無理に抜くことはやめましょう。抜けたヒゲをお財布に入れ、大切に保管する人が多いようです。もし、抜けたヒゲを発見したら、お守りとして持っておくのも良いかもしれませんね。
いかがでしたでしょうか。猫のヒゲは、日常生活を送るために必要なパーツなのです。ヒゲ以外にも私たちの知らない秘密が猫にはありそうですね。過去の記事で猫のしっぽに関してご紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。猫を観察し、理解することにより、コミュニケーションが深まると良いですね。
「猫のしっぽはこんなにすごい!?猫を支える2つの役割」
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。