2018/08/02
みなさんは秋田犬にどのような印象を持っていますか?『忠犬ハチ公』として古くから知られていましたが、いまや秋田犬は、世界中からの注目を集めていますね。可愛らしい外見とは対照的に狩猟犬としての性質も持っています。今回は人気の秋田犬についてご紹介します。
秋田犬(アキタイヌ)は天然記念物に認定された大型の日本犬です。人間と一緒に狩りをする犬を総称して『マタギ犬』と呼びますが、秋田県では古来よりこのマタギ犬を重宝していました。秋田のマタギ犬を特に『秋田マタギ犬』といい、秋田犬の祖先となっているのはこの品種です。
江戸時代~明治時代に犬同士を戦わせる闘犬が流行り、闘犬用に品種改良しようと西洋犬との混血が進められたことで、一時期、純血種の秋田犬が激減してしまいました。その後、大正時代になって純血種の保存運動が始まり、昭和6(1931)年には秋田犬は国指定天然記念物として登録されました。
太平洋戦争時には、食糧難で餌の確保が難しかったことや軍用犬として西洋の大型犬と混血したこと等で、再び純血種の数が減少してしまいました。戦後には、残った少数の純血種を利用して再び保存活動が起こり、『秋田犬保存会』が日本だけでなく海外にも支部を設立するなど、秋田犬保存のための活動が拡大していきます。
また、戦時中に軍用犬との交配により誕生した秋田犬をルーツとする犬種が、戦後アメリカに渡りさらに改良され、『アメリカン・アキタ』として海外でも愛されるようになりました。
特徴
性格
大型で攻撃的な一面を持っている秋田犬を飼うことは簡単ではありませんが、きちんとしつけをすれば、優しくしっかり者で『忠犬ハチ公』のような最高のパートナーとなってくれることでしょう。
まず無駄吠えに対するしつけをしっかりとしておきましょう。番犬としても活躍してくれますが、近隣に住宅が密集している環境の場合、鳴き声が近所トラブルの要因となってしまうことがあります。
しつけは生後2~3ヵ月頃から始めると良いでしょう。秋田犬のしつけで一番大切なことは、誰がリーダーなのかをはっきりとさせることです。
例えば、食事の時に指示があるまで食べてはいけない、散歩の時にリードを引っ張る、など主従関係をはっきりとさせることが重要となります。これができないと秋田犬は言うことを聞かなくなってしまいます。
また甘噛みも注意が必要です。力の弱い犬であれば問題ないのですが、秋田犬や力の強い犬は、大人になるにつれ怪我をさせるほどの力になるからです。
自宅でのしつけが難しい場合は、ドッグトレーナーなど経験者のサポートを受けると良いかもしれません。「吠え」については以下のリンク
「ドッグトレーナー監修|タイプ別でみる愛犬の「吠え」のしつけ方」
をご参照ください。
ペットショップでは、秋田犬を取り扱っている数が少ないため、ブリーダーから譲り受けるか里親になるのが良いでしょう。ブリーダーから譲り受けた場合は、親犬や兄弟犬と長時間過ごしていたことにより社会性が身につきやすいようです。里親として譲り受ける場合は厳しい条件が設けられていることが多いようです。
世界からも注目を浴びている秋田犬。国の天然記念物でもある犬種を、これからも守り継いでいきたいですね。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。