2020/06/25
車に乗る前に、車の周囲や中に猫がいないか確かめる行為…それが「猫バンバン」です。エンジンルームやタイヤの隙間に猫が入り込むトラブルが多発しています。痛ましい事故から猫の命を守るために、ドライバーの方は「猫バンバン」を心がけましょう!
「猫バンバン」とは、車のエンジンをかける前にボンネットを叩くことで、エンジンルームやタイヤの隙間に入り込んでいるかもしれない猫を追い出すことを指します。
2016年から日産自動車がSNSなどを通じて啓発活動を行ったことで、この言葉が広まりました。
警戒心の強い猫にとって、狭くて薄暗く、しかも人目につかない場所は絶好の休息場所。
「どこからエンジンルームの中に入るの?」と思われる方も多いと思いますが、実はエンジンルームの下には部品と部品の間にわずかな隙間があるのです。体が柔らかい猫、特に子猫がその隙間からエンジンルームの中に入り込むのは、難しいことではありません。
猫が入り込んでいるのに気づかずにエンジンをかけてしまい、トラブルになる事例は多々あります。
JAF(日本自動車連盟)によると、2018年1月だけでも、猫が車に入り込んだことによるトラブルの救援依頼が19件もあったそうです。
もし猫に気づかずにエンジンをかけてしまったら、熱でやけどをしたり、エンジンベルトに巻き込まれて猫がケガをしたり、最悪の場合は死に至ります。また、エンジン側も損傷する場合があります。
もちろん、猫に限らずネズミや鳥など、さまざまな動物がエンジンルーム内に入り込む可能性もあります。
実際に「バンバン」と大きな音が立つほど強く叩く必要はありません。むしろ、大きな音に驚いて猫が怯えてしまい、さらに奥に入り込んでしまうこともあります。
コンコンと軽く叩いて様子を見て、動物の気配を感じたら実際にボンネットを開けてみましょう。
またエンジンルームだけでなく、車の下や車体とタイヤの間も猫がよくいる場所です。
発車前に車の周囲を目視で確認し、フェンダー部分なども軽く叩いてみてしっかりと確認することが重要です。
[猫バンバンの方法]
猫が多い環境にいつも車を停めている方の場合は、猫よけグッズや忌避剤を使用し、猫を車の周囲に近づけさせないための根本的な対策も必要となります。
寒さが厳しい季節は、暖を取る目的で車の中に入る猫が増えます。しかし、「猫バンバン」が必要なのは冬だけではありません。
夏の日差しや雨をしのぐために車の中に入ることもありますし、一度車の中が快適だと知ってしまった猫は、季節を問わず繰り返しやってくることもあります。
猫の健康と命を守るために、車に乗る前はいつでも「猫バンバン」を忘れずに!
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。