2021/11/16
うっかりドアや窓を開けた隙に、愛猫が逃げ出してしまった!早く帰ってきてほしいけれど見つからない…。そんな辛い思いをした人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、猫が脱走する理由や捜索のポイント、脱走防止の工夫についてご紹介します。
まず、猫が脱走する理由について考えてみましょう。
猫は好奇心旺盛な動物です。窓の外に面白そうなものを見つけたら、気になって外に出てみたくなるのは当然の心理です。
また以前野良猫だった場合は、野良猫のときの習性が抜けきらずに、外の刺激を好む場合が多くあります。
去勢をしていないオス猫や避妊をしていないメス猫は、発情期になるとパートナーを求めて脱走することがあります。
繁殖をさせる予定がないのであれば、早めに去勢・避妊手術をしましょう。脱走防止だけでなく、病気予防やストレス軽減という点でも早めの手術が有効です。
猫の去勢・避妊手術についてくわしくは「猫の避妊・去勢手術はしたほうがいい?獣医さんに聞いてみました」もあわせてご覧ください。
引越しなどで環境が変わった場合や、現在の環境にストレスを感じている場合、元いた場所に戻りたくて脱走することがあります。
また地震で大きな音や震動に驚いて、その場から逃げ出してしまうこともあります。
では、猫が脱走してしまった場合、飼い主さんはどうすればよいのでしょうか?
ほとんど外に出たことがない飼い猫の場合、勢いで脱走してしまってもほとんど動けず、近所でじっとしている場合が多くあります。一般的な飼い猫は1日につき半径100メートル前後が行動範囲と言われています。まずは近所を捜索してみましょう。
また、かつて野良猫だった場合は、元々住んでいたエリアに戻っているかもしれません。
近所にある猫が隠れやすい「自動車の下」「路地」「植え込み」「排水口」などをチェックしてください。また、塀や屋根、木の上に登って下りられなくなっている場合もありますので、「上」も注意して探してみましょう。
猫が安心して自宅に戻って来られるように、自宅の周囲にいくつかの工夫をして、「ここが家だよ」ということを教えてあげましょう。
もしかしたら、誰かに保護されているかもしれません。保護猫の情報は警察や保健所、動物病院などに連絡が入る場合があります。
近所を探しても見つからないようなら、住んでいる自治体の警察署や保健所、動物愛護センター、近くにある動物病院などに連絡をして、保護猫の情報がないか確認してみましょう。
インターネット上には、迷子動物の情報を書き込むウェブサイトがいくつかあります。(例:獣医師広報板「迷子猫・保護猫掲示板」)
猫の写真や特徴、逃げた場所などを書き込んで、情報を集めましょう。
また最近ではTwitterなどのSNS上で情報を拡散してもらう方法もあります。不用意な個人情報の流出に注意し、上手に活用してください。
愛猫の写真を使ってチラシやポスターを作り、それを配布・掲示して情報を集めます。こちらもインターネット同様、個人情報を書きすぎないように注意しましょう。また見つかった後は、すみやかに回収してください。
脱走した猫をやっと見つけた!と喜びのあまり駆け寄ったり大声を出したりすると、猫は驚いてさらに逃げてしまうことがあります。
発見した場合は、ゆっくりと落ち着いて、徐々に近づくようにしましょう。
やがて猫が近づいてきたら、猫が入る大きさの洗濯ネットを一気にかぶせて、そのままキャリーバッグなどに入れて自宅へ運びます。
もし脱走中にケガをしているようだったら、そのまま動物病院に行って診察を受けましょう。
ほんのわずかな隙間でも、猫はくぐり抜けて外に出てしまいます。猫の脱走防止のために、いくつかの工夫をしておきましょう。
また、万が一脱走してしまったときのために、迷子札やマイクロチップを装着しておきましょう。
マイクロチップについてくわしくは「【迷子猫・迷子犬対策】マイクロチップ装着のメリットと費用」もあわせてご覧ください。
猫には帰巣本能があります。もし脱走してしまった場合は、周囲の力を借りながら、帰ってくることを信じて捜索をしましょう。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。