2019/09/03
猫の座っている姿といえば、どのような座り方を思い浮かべますか?猫の座り方にはその時の心理状態が表れていると言われていて、時と場合によって異なる座り方をしています。
今回は、猫の座り方の種類やその時の状態について解説します。
家の中ではリラックスした姿勢、知らない環境の中ではいつでも動ける体勢にして警戒を強めるなど、その時の猫の状態がわかることがあります。
頻繁に見られる座り方は、猫によって個体差があるため、家の中でよくしている座り方など、愛猫がどんな時に、どういった姿をしているかは知っておくと良いでしょう。
また、いつもと違う座り方をしている時は病気の可能性もあり、普段から愛猫の姿を観察していると病気の早期発見にもつながります。
猫の気持ちは、座り方だけでなく、様々な仕草からも読み取ることができます。「猫の気持ちを読み取ろう!猫が顔や身体を「すりすり」する理由とは」、「猫が顔を洗うと雨が降るって本当?猫が毛づくろいをする理由」でもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
いくつかある猫の座り方の中でも主だった種類は以下の6つです。
後ろ足を体の下にしまい前足を突き出した形で、この座り方の時はやや身構えていると言われています。
ただし、お腹の下に前足をしまうことが窮屈だという理由から、この座り方を好んでいる猫もいます。
横向きに寝転んで、前足を横に出している座り方です。
前足を少し立てている時はやや警戒しており、地面にペタッとしている時は寝てしまうこともあるなど警戒心は薄いと考えられています。
上半身を起こして、前足を揃えた形です。犬のお座りに近い姿勢で、エジプトの神話に出てくる女神が由来とされています。
野良猫によく見られる姿勢で、多少警戒心を抱いているとされています。
上半身を起こし前足をついて体にしっぽを巻いています。基本的には警戒している様子の表れと言われていますが、防寒のためや汚れからしっぽを守るためにしていることもあるので、周りの環境もチェックしてみましょう。
自分のお腹の下に前足・後ろ足をすべてしまっている座り方で、猫の体全体が長方形に見えることから、きれいな長方形の香箱に例えられました。
すぐに動き出す準備がなく、落ち着いている時にする姿勢だとされています。
スコティッシュ・フォールドによく見られます。
背中をつき、お腹丸出しの姿が可愛らしいことで知られ、おじさん座りなどとも呼ばれています。
スコティッシュ・フォールド以外の種類でもこの体勢をすることがあり、お腹を出す無警戒な体勢になるので、かなりリラックスしていると思われます。
猫がリラックスしているかどうか、座り方の他にも様々な行動で見分けることができます。「どんな時にしているの?猫のふみふみの不思議」でも紹介しているので、あわせてご覧ください。
座り方がいつもと違う時は、痛い場所をかばっている可能性があります。猫は病気などを隠すことが多いと言われている動物です。知らない間にどこかを痛めているなど、飼い主さんが気づかないうちに苦しい思いをしていることもあるので、異変には早く気付いてあげることが重要です。
いつもと違う座り方をしている、座り方を頻繁に変えるようになったなど、普段から愛猫をよく観察していれば、病気のサイン発見の手掛かりになることがあります。
よく見られる座り方が変化することで読み取れる主な病気は以下の3つです。
関節の痛みを伴うもので、骨の成長が思うように進まない病気です。
軟骨の部分に問題があり痛みが出る炎症で、加齢や肥満などが主な原因となります。
猫風邪の一つで、多発性関節炎を引き起こす恐れがあります。子猫など体力があまりない猫の場合は、命に関わることもあるので注意しましょう。
他にも、お腹を地面に押し付けている時は腹痛の可能性があります。異変を感じた時は、すぐに獣医さんに診てもらい早期発見に努めましょう。
また、座り方以外で病気に気づける猫の行動として、「可愛いだけじゃない!「猫パンチ」にはこんな理由があった!」でも痛みがある時の行動をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
座っている猫の姿には、実は一つずつ意味があります。猫の警戒度やリラックス度がわかるようになると、信頼関係がさらに深まるきっかけにもなります。愛猫との意思疎通の手段の一つとして、座り方も観察してみてくださいね。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。