2019/10/01
頻繁に見られる症状ではありませんが、犬もしゃっくりをします。通常は、放っておいても自然に治まるので問題ありませんが、何度も繰り返すのは病気のサインかもしれません。
今回は、犬のしゃっくりの原因と対処法について考えていきましょう!
犬のしゃっくりは、人間と同じように、横隔膜(胸部と腹部を仕切る、薄い筋肉でできた膜)が痙攣することで起こります。痙攣を引き起こす原因として、次のようなものが考えられます。
ガツガツとフードを早食いすると、急に胃が大きくなったり、食べ物と一緒に飲み込んだ空気で胃が膨張したりすることによって、横隔膜が刺激され、しゃっくりが出ます。
食後にしゃっくりが起こりやすい場合は、1回の餌の量を減らして、食事回数を増やしてみましょう。また、底に複数の突起がある早食い防止用の食器に替えるなど、ゆっくり食べられるように工夫しましょう。
子犬の場合は、獣医さんに相談の上、ドライフードのふやかし方を少し固めに調整して食事のペースを変えてみるのも良いかもしれません。
フードが犬の体質に合っていない場合、消化の際にガスが発生し、胃が膨張することがあります。
ドッグフードはドライなものからウェットなものまで硬さも様々で、ライフステージごとに適した種類があります。食後のしゃっくりが気になる場合は、パッケージを確認してフードの切り替えを検討しても良いでしょう。
フードが愛犬の体質に合っているかどうか判断が難しい場合や、不安を感じるときは、獣医さんに相談してみましょう。
犬が何らかの不安やストレスを抱えている場合、交感神経が過度に緊張したり、呼吸が乱れたりすることによって、しゃっくりが起こることもあります。
リラックスできるように生活環境を見直したり、適度な運動や散歩をさせたりして、ストレスを発散させてあげましょう。
また、しゃっくりをしているときは、遊びで気分転換をさせてあげるのも効果的かもしれません。
犬がしゃっくりしていても多くの場合は問題ありませんが、病気が原因で起こるしゃっくりもあるので注意が必要です。
呼吸器系の病気では、喘息、肺炎、胸膜炎(肺を覆っている膜の炎症)など。心臓の病気では、心膜炎(心臓を包む膜の炎症)や心臓肥大などに伴って、しゃっくりが出ることがあります。
また、しゃっくりだけでなく、明らかな異常がみられる場合は、緊急性の高い病気も考えられます。
例えば、胃が拡張してねじれ、ショック状態に陥る胃捻転。脳の病気では、脳卒中によって呼吸中枢に障害が出た場合や、てんかんが起きた場合にも、しゃっくりが続くことがあります。
しゃっくり以外に、ぐったりしていたり苦しそうな様子が見られたら、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
犬のてんかんについては、「もし愛犬が痙攣発作を起こしたら?犬のてんかんについて知ろう」もあわせてご覧ください。
時々出るしゃっくりなら過度に心配せず、そのままそっとしておいても構いません。長く続くようであれば、水を飲ませたり、軽く運動させたりして、呼吸のパターンを変えてあげましょう。
大事なのは、「たかがしゃっくり」と思わずに注意を払い、異常があればすぐに気付いてあげることです。また、重い病気には見えなくても、頻繁に繰り返すしゃっくりを改善できない場合は、獣医さんに相談してみましょう。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。