2019/11/26
犬が雪の中を駆け回る様子を歌う童謡があるように、犬は寒さに強いイメージがあります。しかし実際には個体差があり、寒さが苦手で冬の散歩が体の負担になる犬もいます。
寒い季節でも健康的で楽しい散歩ができるように、対策を考えていきましょう。
冬の早朝や日没後の散歩は冷え込みが強く、飼い主さんはもちろん、犬にとっても負担になります。できるだけ日差しのある時間帯に散歩に出かけるようにしましょう。
日中に太陽の光を浴びると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内でつくられるほか、精神のバランスを整えるセロトニンと呼ばれるホルモン分泌の促進が期待できます。
愛犬の自律神経の乱れを防ぐ意味でも、冬場は散歩の時間帯をうまく調整することが大切です。
散歩に出かける際、暖かい部屋の中から急に外に出ると、その寒暖差が犬の負担になります。特に寒い日にはまず、家の中でも気温の低い玄関や廊下などで、少し寒さに慣らしてから散歩に出かけましょう。
愛犬は「早く行こうよ!」と飼い主さんに働きかけたり、ソワソワしたりするかもしれませんが、それも含めて準備運動と考え、ストレスを掛けない範囲でウォーミングアップさせてあげてください。
普段は愛犬に服を着せていないという飼い主さんでも、冬場は保温効果のある防寒着を活用することも選択肢の一つです。
冷たい路面を歩きたがらない場合は、靴を履かせることも効果的です。積雪時には固まった雪で肉球を怪我しやすいので、靴を履くことで怪我の予防にもなります。
また、シベリアン・ハスキーや柴犬に代表されるような、寒冷地原産で寒さに強い犬種でも、雨や雪など特に冷え込む日には、レインウェアや防寒具を着せることも検討してみてください。
冬場は、散歩から戻った後も「部屋が暖かいから大丈夫」と思わず、必要に応じてケアをしてあげましょう。
雨や雪の日、あるいは積雪の残る道を散歩した後は、濡れた体をそのままにしておくと、体温を奪われて体調を崩してしまいます。タオルで拭くだけでなく、ドライヤーでしっかりと乾かしてください。
雨や雪の日の散歩とお手入れのコツについては「犬の散歩、雨や雪の日はどうする?お手入れ方法と過ごし方について」もあわせてご覧ください。
帰宅後、犬が寒がっていないか、注意を払うようにしましょう。震えていたり、体を小さく丸めていたり、人のそばを離れないような様子は、寒がっているサインです。
冷たい空気は床の方に溜まりやすいので、単に室温をチェックするだけでなく、愛犬のいる場所が冷気にさらされていないかも確認するポイントです。お気に入りの場所にマットを置いたり、ベッドに毛布を追加したりなど、下からの寒さ対策も必要です。
室内での寒さ対策については「寒い冬でも大丈夫!室内犬のベストな寒さ対策とは?」もあわせてご覧ください。
日々の散歩は犬にとって適度な運動になり、筋肉量が増えれば体も温まりやすくなります。できれば冬でも毎日散歩に出かけたいものですが、寒さの苦手な犬やシニア犬の場合は無理をせず、天候や健康状態を見ながら判断しましょう。
また寒い日に愛犬が外へ出たがらないという場合は、今回ご紹介したような防寒対策をとることによって、散歩に積極的になってくれるかもしれません。ぜひ実践してみてください。
動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。