未来型保険!
テレマティクス保険の仕組みとは
国内外の自動車保険は大きく技術改革が進み、最近は未来型自動車保険が注目されています。それは「テレマティクス保険」という、移動体通信技術を活用した新しいスタイルの自動車保険です。テレマティクス保険とはどのようなものなのか、詳しく解説します。
2015/12/24基礎知識
テレマティクス保険の概要
テレマティクス保険とは、自動車に取り付けられている通信機器から様々な情報をリアルタイムで受信し、より精度の高い情報に基づいて保険料を算出する新しい自動車保険です。ブレーキ頻度やカーブへの進入速度などを解析し、優良な運転者に対しては保険料の割引、反対に優良ではない運転者に対しては保険料の割増を図るなど、運転者の運行特性に応じた自動車保険の実現を目的としています。
自動車に取り付けられている通信機器は、運転日時や走行距離、運転頻度などの運行情報と、最高速度や平均速度、ブレーキ頻度などの運転行動情報の大きくわけて2種類の情報を送信します。通信媒体は専用車載器、純正カーナビゲーション、スマートフォン、デジタコなどの機器が用いられます。ただし、機器によって取得できる情報の精度や種類が異なるため、サービス毎に指定の機器を取り付ける必要があります。テレマティクス保険はこれらの機器や情報を用いてリスクに応じた保険料を算出することで、社会全体の事故防止と安全運転の推進効果が期待されています。
PAYD(走行距離連動型)とPHYD(運転行動連動型)とは
テレマティクス保険の保険料算出方式は、PAYD(Pay As You Drive)型とPHYD(Pay How You Drive)型との2種類があり、PAYD型は走行距離に応じて保険料が増減、PFYD型は運転者の行動特性に応じて保険料が増減する仕組みになっています。走行距離の少ない方はPAYD型、優良運転の方はPHYD型というように、テレマティクス保険を選ぶときはご自身のライフスタイルに合わせてプランの方式を選びましょう。
テレマティクス保険は、契約者に大きなメリットがあります。車体にテレマティクスの機器を取り付けるだけで、事故の防止やご自身の運転特性の把握などが行えるため、より正確かつ具体的な安全対策となることが期待されています。これからはじまるテレマティクス保険の未来に注目です。
プロフィール
武藤京士
2010年にファイナンシャルプランナーとして独立開業し、現在も多くの人の資産設計や保険相談に対応。
「家計簿の書き方」や「保険を安くする方法」などのテーマで講師としても活動する傍ら、保険に関する記事の執筆や大手サイトのQAアンサーなどの執筆実績が豊富。初心者の立場に立った読みやすい文章の執筆が得意。
(主な保有資格)
AFP
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(生保顧客資産相談業務)
損害保険募集人
損害保険専門試験(自動車)