ヘッドライトは何時に点けるのが正解?
夕方の事故を「トワイライト・オン」で撃退
1日のうちで交通事故が起こりやすい時間帯をご存じでしょうか。やっぱり夜? それとも慌ただしい朝? 実は、仕事が一段落してホッと一息つきたい夕方に事故が多発しているのです。
でも、視認性の低下などが理由である夕方の事故はドライバーの気配りで防ぐことも可能です。事故の傾向と対策をチェックして、
「いってきます」から「ただいま」まで、1日中ずっと安全なドライブを!
夕方の対歩行者死亡事故は昼間の4倍!
事故が多発する夕暮れ時には特に「横断歩道以外の場所で、道路を渡っている歩行者」に注意する必要があります。
警察庁の統計によると、死亡交通事故が特に多いのが「薄暮時間帯」と呼ばれる日没前後1時間を中心とした17時台から19時台。中でも歩行者と自動車が接触する事故は日中の4倍にも上ります。そのうち「道路横断中」の事故が約9割。事故が起きた「横断場所」の8割が「横断歩道以外」に集中しています。
当事者別の時間あたり死亡事故件数
(平成25年~平成29年)
昼間(薄暮時間帯を除く)
薄暮時間帯
夕方(薄暮時間帯)に事故が多い理由は?「見えにくい」×「ラッシュ」×「疲れ」のコンボ
【夕方は視認性が下がる(=周囲が見えにくくなる)】
暗くなってくると瞳孔が大きくなってモノがぼやけて見えたり、コントラストが低い物が見えにくくなる、遠近感がつかみにくくなるなど、「見る力」がグッと低下します。
さらに薄暮時間帯は地上付近の暗さに対して空には光が残っているため、「まだ明るい、十分見えている」と思い込んでしまうことも。また、歩行者側も車の接近に気付きにくい時間帯でもあります。
【帰宅ラッシュで歩行者もドライバーも慌ただしい】
ちょうど帰宅ラッシュで車の交通量が増える時間帯と重なります。歩行者も営業先から会社へと戻る方、仕事や学校、買い物等を終えて帰宅する方など、たくさんの人達が慌ただしく移動しています。
【1日の疲れで注意力が下がる】
仕事を終えて疲れがドッと出てくるのもこの時間帯。日中よりも注意力が散漫になって歩行者を見落としてしまう危険性が高まっています。
明るい内のライトオン&「かもしれない運転」で事故を回避
夕方の事故予防のためには、「見えてると思っているけど、実は見えていないんだ」と自覚して運転することが重要です。誰であっても夕方は視認性が落ち、注意力も散漫になってしまうもの。それが分かっていれば「無理なく安全に走ろう」と心に余裕が生まれます。
【ヘッドライトは日没の1時間前、暗くなる前にオン】
薄暗さが原因となる夕方の事故の予防には、明るいライト点灯が効果的! ポイントは「暗くなってきた」と感じるよりも前にヘッドライトをオンすること。ドライバーの視認性が高まる上に、歩行者も車の接近に気付きやすくなります。
オートライト(自動点灯機能)は車によって点灯のタイミングが異なるので、手動でサッと点灯することを習慣にしましょう。警視庁や各自治体でも夕暮れ時の事故を防止するための「トワイライト・オン」を呼びかけ、日没より1時間早めのライトの点灯を推奨しています。季節や地域によって日没時間は変わりますが、点灯時間の目安は、9月は17時半、10月は17時、11月・12月は16時です。
【「かもしれない」を忘れずに】
安全運転の基本である「かもしれない運転」を特に意識しましょう。「かもしれない運転」とは「大丈夫だろう、行けるだろう」と油断せず、常に「あの角から人が飛び出してくるかもしれない」と慎重に運転すること。夕方は歩行者も気がせいています。飛び出しや斜め横断、信号無視等を常に予測して、イザというときに備えましょう。
【「ゆっくりすぎ?」でちょうどいい】
帰路を急ぐ夕方はついスピードを出してしまいがちですが、焦っているときほどスピードメーターを確認して意識的に速度を落としましょう。ゆっくり走ることで歩行者の見落としを防ぎます。