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バイクで転倒!
転倒によるケガの原因や被害を小さくする方法を解説
更新日:2023年5月18日
公開日:2020年12月24日
バイクを自由に操り、風や路面から季節を感じながら疾走するのは楽しいもの。でもどんなに気をつけていてもバイクで転倒してしまうこともあります。転倒による事故の原因から防止策など、万が一のときに備えておくことを数字やグラフを交えて説明します。
1. 転倒したらどのようなケガを負ってしまう?その原因は?
ライダーを死に至らしめる致命傷の多くは、頭部・胸部・腹部に集中しています。警察庁が発表した令和4(2022)年中の「交通事故の発生状況」(*)によると、全国の二輪車乗車中の事故で最悪の結果を招く原因となった損傷主部位でも、この3ヵ所で実に72%を占めています。
全国の二輪車乗車中の交通死亡事故 損傷主部位
出典:警察庁交通局 令和4(2022)年中の交通事故の発生状況より損傷主部位別・状態別死傷者数(構成数)データを加工(二輪車乗用中部分のみを抜粋)
衝撃を吸収するボディやエアバッグ、シートベルトを備えている自動車と違い、二輪車自体には、直接身を守るための安全装備はありません。そのため、自らが頭・胸・腹部をヘルメットとプロテクターでしっかりと守ることが、安全なバイクライフを送るためには重要です。
2. 転倒時のケガ防止には装備着用を習慣に
では、万が一のバイクの事故から自分の命を守るためにできることは何でしょう。
ヘルメットの着用
まずは、バイク事故で転倒した際に頭部を守るためのヘルメットをきちんと着用することです。義務化されているのだから当然だと思われる方も多いかもしれません。ところが、警視庁の調査結果によると都内で令和3(2021)年中に発生したバイク乗車中の事故による死亡者のうち、なんと約40%の方のヘルメットは頭から脱落していました。ヘルメットを正しく着用しなければ、事故につながりかねません。頭部の損傷、脳への致命的なダメージを防ぐためには、ヘルメットのあごひもをしっかりと締める必要があります。
ライディングジャケットやプロテクターの着用
そしてヘルメットと同様に重要なのが、胸部・腹部を守ってくれるライディングジャケットやプロテクターの着用です。しかし、警視庁の「二輪車利用者への聞き取り調査」(*)によると、胸部プロテクターの着用率は現在わずか8.9%という結果となります。バイク事故から命を守るためのとても有効な手段も、まだまだ普及化されてないようです。同じ調査によると、胸部プロテクターを着用しない理由で最も割合が高いのは「着用するのが面倒」であり、また驚くことに「プロテクターを知らない」という理由も10.4%を占めています。
年別胸部プロテクター着用率の推移
出典:警視庁 二輪車用ヘルメットのあごひも及びプロテクターの着用状況調査結果(令和4年/2022年7月から8月)
出典:警視庁 二輪車用ヘルメットのあごひも及びプロテクターの着用状況調査結果(令和4年/2022年7月から8月)
面倒だから、ちょっとそこまでだから、暑いからという安易な理由でライディングジャケットやプロテクターを着用せず、一生後遺症の残るような大ケガを負ってしまったり命を落としたりしたら、それこそ悔やんでも悔やみきれないはずです。現在では、ジャケット内蔵型プロテクターやエアバック式プロテクターなど高性能なうえ着用も簡単になった、様々なタイプのライディングジャケットやプロテクターが販売されています。
服装についても時と場所と目的に合わせたTPOがあるように、ライダーの安全性を高める正装は、ライディングジャケットやプロテクターの着用です。これからバイクに乗る時は、たとえ近場までだとしても、ライディングジャケットやプロテクターの着用を必ず習慣付けるようにしましょう。
3. バイク転倒の主なパターンと対策
そもそもタイヤが二つのバイクは、四輪の自動車と比べたらとても不安定な乗り物です。スタンドがなければ自立できず、ちょっとしたことでも転倒してしまいます。ほとんどのライダーは、生涯に一度や二度の転倒は必ず経験するはずです。ここでは、バイク転倒の主なパターンと対策について説明いたします。
立ちゴケによる転倒
バイクは停車しようとする時や停車中は、転倒しないようライダーの足で車体を支えてあげなければなりません。しかしその際、タイヤや足が砂や小石で滑ったり、足を地面に着き損ねたり、バイクの車体を倒しすぎたため片足では車重を支えられなくなったりして、転倒してしまうことがあります。
これらの原因による転倒を走行中の転倒とは区別して、一般的に「立ちゴケ/立ちごけ」と呼んでいます。他にも、スタンドの出し忘れやズボンの裾や靴紐が車体に引っ掛かり、バランスを失って転倒するケースなども多く見られるので要注意です。走行中の転倒と比較すれば、命に関わるような重大なケガや車体の大きな破損につながることは少ないものの、ライダーが下敷きになりバイクの車重によってケガを負う場合や、転倒後にほかの車両と接触する場合があるので、油断することはできません。
立ちゴケの対策としては、まずは体格にあった大きさのバイクを選ぶこと。またがった時に両足のつま先が地面に着く大きさが、適正と言われています。また停車する際は、足下を必ずきちんと目視し、堅く平らな場所で砂や小石等の滑りやすい物が無いのを確認すれば、ある程度は防ぐことができるはずです。
走行中の転倒
バイクで走行中の転倒は、路面上の何らかの原因によってタイヤが滑り、転んでしまうスリップダウンが多くを占めます。例えば凍った路面、濡れたマンホールや白線(道路表示)、落ち葉、砂などがタイヤを滑らせる原因となります。また、急ブレーキで前輪のタイヤがロックしてバランスを崩すことによる転倒や、危険を避けようとしての急ハンドルによる転倒、Uターンの際のエンストによる転倒、すり抜けの際のクルマとの接触による転倒などもよく見られるケースです。
これらの走行中の転倒防止対策としては、タイヤのすり減りをチェックすること、急ブレーキや急ハンドル、急加速など、急のつく運転をしないこと、路面状況を常に考慮した運転をすること、危険を予測した運転をすること、スピードの出し過ぎやすり抜けなどの無謀な運転は絶対にしないことです。バイクの走行中は集中力を欠かさず、心にゆとりを持って速度を抑え、常に安全運転を心掛けていれば、転倒のリスクはかなり減少できるはずです。
4. バイクが転倒!被害を最小限にするにはどうすればいい?!
身体の被害を最小限にする
前述したとおり、まずはヘルメットのあごひもをしっかりと締めて、ライディングジャケットやプロテクターもあわせて着用しましょう。そのうえで、万が一走行中に危機を回避することができず自動車やガードレールなどに衝突しそうになった場合は、衝突の瞬間まで諦めずにブレーキをかけ続けて、バイクの速度を可能な限り落とすようにしてください。
衝突時の衝撃(運動エネルギー)は、速度の二乗に比例します。逆に言えば、速度が半分になれば、バイクや身体がうける衝撃は4分の1まで減少させることができます。つまり、速度が上がっていると想定以上に衝撃があります。その際、前輪だけロックしないよう前後のブレーキを同時にかけてください。平成30(2018)年10月1日以降に発売された126cc以上の新型バイクであればABS(アンチロックブレーキシステム)(*)が義務化により装備されていますので、緊急時には強くブレーキがかけられます。バイクが衝突後に転倒し、投げ出されてしまったら身体の1ヵ所に衝撃を集中させないためにも、頭を守りながら体を丸めてください。道路上であれば対向車線に飛び出さないよう周りの状況を確認しながら、無理に止まろうとせずに転がったり、滑ったりしながら衝突エネルギーを受け流しましょう。丸まって転がることで、衝撃は分散されていきます。
引用元:国土交通省 二輪自動車へのABS(アンチロックブレーキシステム)の装備義務付け等に係る関係法令の改正について 改正概要
最後に、バイクで転倒すると故障や事故などの大きなトラブルにつながる場合があります。そんな時に助けになるのが、任意で加入する「バイク保険」です。バイクが転倒して走行不能になったり、落輪をしてしまった時など、レッカー移動をしてくれるロードサービスが用意されています。また、事故による人のケガや物が破損したなど損害に対しても補償を受けられる場合があります。なお、バイク保険の補償内容やサービスは、各保険会社が提供する保険商品ごとに異なります。各保険会社のウェブサイトなどで確認してみましょう。
万が一に備えて、安全性を高めるアイテムをしっかり身に付けたうえで充実したバイクライフを送りましょう。
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記載の情報は2023年5月時点の内容です。