猫にも花粉症はあります。人と同じくくしゃみが出たり、鼻水や涙が増えたりする他、猫の場合は皮膚に痒みが出るという症状が見られることが多く、身体を掻いたり擦ったりします。また、皮膚が赤くなったり、抜け毛が増えることもあります。
花粉症は、花粉に対するアレルギー反応が原因です。そのため、抗ヒスタミン剤やステロイド剤などで身体の過剰な免疫反応を抑えることが治療になります。また、花粉と接触させないことが大切なので、猫を完全室内飼育にするのはもちろんのこと、帰宅時には家族が服や髪に付着した花粉を玄関前ではらったり、外に洗濯物を干すよりも乾燥機を利用したりなど、外から室内に花粉を持ち込まないようにする工夫も必要です。
もし、皮膚に何らかの症状がでていないようでしたら、風邪の可能性も考えておいたほうがよさそうです。
人でも、風邪かと思っていたら花粉症の症状だったり、逆に花粉症だと思っていたら風邪を引いていたり、というように、花粉症と風邪には、くしゃみ、鼻水、流涙など、共通した症状が現れます。
猫風邪(上部気道感染症)は、猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、その他のウイルス、細菌、などによる感染症で、鼻や喉、目などに症状が起こります。猫同士のグルーミングなどでもすぐに感染するので、外に出る機会がある猫だと、野良猫などから感染することが多いですが、4か月齢という年齢だと、お家に引き取る前の環境で、すでに感染していたことも十分考えられます。
猫風邪はさほど恐い病気ではありませんが、結膜炎を起こすことで猫が目を擦り、角膜に傷をつけてしまったり、目やにが増えて瞼に皮膚炎が起こったりすることもあります。また、体力が十分ではない子猫では、気管支炎などを起こし、重篤化することもあるため、早い段階で受診をしておいた方が安心です。
余談ですが、花粉症や猫風邪以外にも、くしゃみや鼻水を起こす原因はあり、鼻腔内への異物混入、刺激物の吸引、花粉以外のアレルギー疾患などがあり、また、涙の原因には、角膜への傷や、同様に花粉以外のアレルギー疾患などが挙げられます。特に、目は片方だけ涙が多くなっているようなときは、目そのものの病気が強く疑われます。