動いていた、ということであればノミの可能性が高いと思います。犬につく寄生虫として有名なのは、ノミとマダニですが、ノミが犬の皮膚を動きまわるのに対し、マダニは自身の口を犬の皮膚に突き刺し固定させて吸血するため、動きません。また、大きさにも違いがあり、ノミは2〜3ミリの大きさですが、マダニは十分に吸血した状態では1センチほどの大きさにまで膨らみます。
ノミが寄生することによって起こる症状としては、痒みが代表的です。咬まれた箇所が痒くなるのはもちろんですが、ノミの唾液に対するアレルギー反応により、全身性のアレルギー性皮膚炎を起こすことも多く、身体を痒がる仕草が見られます。また、大量のノミが寄生することにより貧血を起こすこともあります。
犬の身体にノミを見つけた場合には、セロハンテープに張り付け密封した状態で捨てるか、水と台所用洗剤を混ぜた容器にノミを入れ、動きが完全に止まったことを確認してから捨てるようにするといいでしょう。ノミ駆除用のノミ取り櫛などもありますが、早めに動物病院でノミ予防 (駆虫) の薬を処方してもらうことをお勧めします。その際に、皮膚に強い痒みや炎症がある場合は、痒み止めなどの内服薬も処方されることがあります。
病院で処方されるノミ予防(駆虫)の薬は、体に付いたノミを死亡させ、その効果は一定期間持続します。背中に垂らす液体タイプの薬や、内服させる錠剤タイプの薬などがあり、製品によって効果の持続期間は異なりますので、どれくらいの間隔で使用すればよいのかは、かかりつけの先生に確認しましょう。ノミとマダニどちらにも効果を発揮するものもあります。ちなみに、市販されているノミ予防薬はハーブの香りなどで虫を寄せつけないようにするタイプのものなどが多く、十分な駆虫効果はありません。
寄生したメスの成虫は毎日卵を30個ほど産卵するといわれています。室内にノミの卵や、卵から孵化した幼虫、さなぎ、などが落ちている可能性がありますので、こまめに掃除機をかけたり、犬の寝具を定期的に洗い、日干しをするのも良いでしょう。