チョコレートに含まれる、テオブロミンが犬に中毒を起こすからです。チョコレート以外でも、ココアパウダーにも含まれています。中毒を起こすと、嘔吐、下痢、興奮、頻脈、痙攣、不整脈などの症状が見られ、命を落とすこともあります。通常、チョコレートを食べてから症状が出るのは、6〜12時間後ですが、24時間以内は油断できません。
テオブロミンの犬での致死量はおおよそ100〜200mg/kgです。あくまで致死量なので、この1/5ほどの量でも軽度の症状が出ることはありますし、また、個体差もあります。
通常、市販されている板チョコレートなどの含有量は約2mg/gですので、体重1kgあたり50gが致死量、10gで症状が出る可能性あり、ということになります。
テオブロミンの量は、チョコレートに含まれるカカオの量によって左右します。
高カカオのチョコレートはテオブロミンの量が通常のチョコレートの4倍ほどあるものもあり、通常危険と言われている量の1/4でも中毒を起こす恐れがあります。
危険度としては、高カカオチョコレート > 製菓用チョコレート > ミルクチョコレート > ホワイトチョコレート の順で、ホワイトチョコレートに関しては、テオブロミン含有量はほとんど気にしなくてもいい量でしょう。
犬にとって危険な食べ物はほかにもあります。
カフェインにはテオブロミンと同じような毒性があるので、紅茶、コーヒー、緑茶などを犬に与えるのは避けましょう。ネギ類(タマネギ、長ねぎ、ニラ、にんにくなど)に含まれる、アレルプロピルジスルフィドは、赤血球を壊し貧血を起こします。
キシリトールは虫歯にならない甘味料としてガムや飴などに使用されていますが、一度に多量のキシリトールを摂取することで、インスリンが分泌され急激な低血糖を起こすことがわかっています。
また、レーズンを食べた犬が腎不全を起こしたケースもあり、原因物質の特定はできていませんが、レーズンやブドウも避けたほうがいいとされています。
このように、人にとって問題はなくても、犬にとっては危険な食べ物はたくさんあります。人の食べ物を気軽に与えることのないようにしましょう。