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仕事用の車を売却する際の税金とその対策とは?
車を売るタイミングにも注意

更新日:2024年12月12日

公開日:2024年10月29日

仕事用の車を売却する際の税金とその対策とは?車を売るタイミングにも注意

法人や個人事業主が車を売却する場合、主に4つの税金が関わっており、売却のタイミングによっても払う税金が変動する可能性があります。どのような税金が関わるのかを理解し、売却時にかかるお金を管理、把握しておくことで、節税が可能となります。

車の売却時にできる節税とは?

売却するタイミングによっては自動車税の節税ができます。
自動車税とは、普通自動車の所有者が毎年納めなければならない税金のことで、4月から翌年3月までの1年分を一括で支払います。そのため、買取業者が売却時から翌年3月までの残期間に応じて自動車税に相当する金額を上乗せすることが一般的です。ただし、買取業者によって扱いが異なるため、事前に確認をしておく必要があります。

車の売却時に関する税金はほかにもありますが、法人か個人事業主であるかによっても扱いが異なります。

車の売却に関する4つの税金

車の売却に関連する税金には主に「自動車税」「法人税または所得税」「消費税」「自動車重量税」の4つがあります。車の所持の有無によって変わる税金や売却時に関わる税金、売却することで変動が起こる税金があり、それぞれの仕組みを把握しておくと各税金で必要となる手続きや確定申告などがスムーズに行えるでしょう。

自動車税

自動車税は毎年車を所有している人に課される税金(地方税)です。車を売却する予定があっても、4月1日時点で所有していれば1年分の税金を納めなければなりません。自動車税の年額は、車両の種類や用途、排気量、新車登録の時期などによって細かく定められています。

売却ではなく、廃車(抹消登録)にする場合は還付制度が適用されます。還付金の計算方法は、以下のとおりです。

還付金=1年分の自動車税額÷12ヵ月×抹消登録の翌月から3月までの月数

3月に抹消登録をした場合、「抹消登録の翌月」が4月となり新年度となってしまうため、還付されません。なお、軽自動車にかかる軽自動車税は廃棄しても還付されないので注意しましょう。

参照:東京都主税局「自動車税種別割」

自動車重量税

自動車重量税とは、車の重量に応じて課される税金(国税)のことで、新規登録時と車検を受ける際にまとめて納めます。新車を購入した場合は、新規登録から次の車検までが3年後になるため、3年分の自動車重量税を納めることになります。以降は、2年ごとに車検を受けるため、2年分の自動車重量税を納める必要があります。

自動車重量税にも還付制度があり、車検残存期間が1ヵ月以上ある場合に「解体を事由とする永久抹消登録申請」又は「解体届出」と同時に還付申請すると、おおむね2ヵ月半程度で還付金が支払われます。

参照:国税庁「使用済自動車に係る自動車重量税廃車還付制度について」

消費税

消費税は、商品の売買やサービスの提供などに対してかかる税金で、課税事業者である法人または個人事業主が業務で使っている車を売却した際にも課せられます。ただし、業務での使用ではなく、完全なプライベート用の車の場合は、消費税はかかりません。

社用車を売却する際、通常は買取業者から受け取る買取金額に税率10%の消費税が含まれています。この消費税分の金額は「受取消費税」として仕訳し、課税方式に従って税額を計算の上、期限までに納めなければなりません。

参照:国税庁「消費税のしくみ」

法人税または所得税

車を売却した際、購入金額より売却金額のほうが大きく売却益が出た場合は、法人税または所得税の課税対象となる可能性があります。

法人が社用車を売却する場合

法人が社用車を売却し、利益が出た場合は法人税がかかります。
通常、社用車を所有する場合、帳簿上は固定資産(車両運搬具)として計上し、使用年数とともに減価償却して簿価(帳簿上の価格)は減少していきます。簿価より売却して得た金額の方が大きければその差額が売却益となり、法人税の対象となります。

個人事業主が業務用の車を売却する場合

個人事業主が社用車を売却して利益が出た場合は、その利益に対して所得税がかかる可能性があります。
社用車の売却益は譲渡所得として扱われますが、譲渡所得ではその年の譲渡益の合計額に対して50万円までの特別控除が受けられます。そのため、社用車の売却益を含む譲渡所得が50万円を超えた場合は所得税の課税対象となります。社用車の売却によって売却損が発生した場合は、その分所得が少なくなるため、所得税が減ります。

参照:国税庁「No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)」

車の売却に関する4つの税金 自動車税:買取金額に自動車税相当分が反映されることがある 自動車重量税:解体に伴う永久抹消登録の際、申請すると還付される 消費税:課税事業者による社用車の売却では支払い義務が発生する 法人税/所得税:売却により利益が出た場合は課税される

車を売るのに適したタイミングはいつ?

車を売るタイミングは、税金を納める時期と車の価値が変動する時期の観点から適した時期を検討するとよいでしょう。

車検が更新になる前

車検を受けるためには一定の費用がかかり、合格するための整備が必要になることもあるため、車検の1~2ヵ月程度前に車を売ることでこれらの費用や手間をおさえられるでしょう。

また、車検時には自動車重量税を次の車検まで前払いしなければならないので、車検前に売却することで税金の負担もおさえられます。自動車重量税は自動車登録を抹消する場合は残存月数分が還付されますが、売却時には抹消登録は行われないため、一度払った自動車重量税は還付されません。

ただし、買取業者によっては自動車重量税分を上乗せして買取金額を提示してくれる場合もあるので、車検後に車を売却する場合は買取業者に確認・相談をしてみましょう。

自動車税を納める前

自動車税は毎年4月1日に車を所有している人に課され、1年分の税金を前払いします。そのため、車の売却と所有者の名義変更が4月1日を迎える前に完了していれば、次年度分の自動車税の納税義務はなくなります。これは軽自動車の所有者に課される軽自動車税も同様です。

車の需要が高まる時期

車の買取価格の相場は常に一定ではなく、需要によって変動します。車の需要が高まる時期に売却すると、通常より高い金額で買い取ってもらえる可能性があります。

たとえば、1~3月は新生活がスタートするタイミングで車を購入したいと考える人が増える時期です。特に3月は買取業者の決算月である場合が多く、高値が付きやすいといわれています。また、7~9月頃も夏のボーナスで車を買う人が増えるため、需要が高まる傾向があるようです。

車を売却するタイミングを調整できる場合は、車の需要が高まる時期に売却することを検討してみましょう。

車の価値が下がる前

車は年式が古く、走行距離が長いほど、買取金額が低くなる傾向があります。車の査定金額は買取業者によって異なりますが、一定の基準があるため、年式や走行距離がその基準を超える前に売却するのがおすすめです。

一般的に、年式は10年、走行距離は10万キロを超えると買取金額が低くなるといわれています。同じ車種でも年式や走行距離が違うだけで買取金額が大きく変わることもあるので、この基準を目安に売却するタイミングを検討するとよいでしょう。

車を売却する際の注意点

車の売却を検討している方は、以下の点に注意が必要です。それぞれの注意点について詳しく解説します。

1, リサイクル預託金が返金されるケースもある

リサイクル預託金とは、車を購入する際に支払う預託金のことで、国が指定する自動車リサイクル促進センターによって厳格な管理がされています。自動車リサイクル法に基づき、車の所有者が負担することが義務付けられています。

車を売却する際に、所有者にはリサイクル預託金が還付され、新たな購入者がリサイクル預託金を支払います。買取金額内にこのリサイクル預託金に相当する金額が含まれている場合や、買取時とは別で支払われる場合があります。リサイクルのための預託金のため、廃車する場合は返金されません。

2, 税金が未納の状態では売却できない

自動車税が未納の状態になっていると車を売却できません。車を売却する際には、これまでの所有者から購入者へ名義変更をしますが、同時に自動車税の納税証明書の提出を求められることが一般的です。自動車税が未納の状態では納税証明書が取得できないため、名義変更ができず、車も売却できないため注意しましょう。

未納の状態が続くと車が売却できないだけではなく、ペナルティとして延滞金が発生し、本来の税額よりも高くなるおそれがあります。さらに、督促状や催告書が届き、最終的には財産が差し押さえられることもあるので、未納に気づいた時点で速やかに納付してください。

3, 個人売買の場合は税金の負担をよく話し合う

車は買取業者を通さずに個人に売却することも可能ですが、税金の負担についてはよく話し合っておく必要があります。

年度の途中で車を売却した場合や、次の車検まで期間がある場合は、自動車税や自動車重量税の未経過分をどう扱うか決めておきましょう。車の個人売買において契約書の作成は必須ではありませんが、後々トラブルに発展しないよう、合意した内容を書面に明記しておくとよいでしょう。

4, 軽自動車税は還付されない

普通自動車の所有者が納める自動車税と、軽自動車の所有者が納める軽自動車税では、売却時および廃棄時の扱いが異なる点にも注意が必要です。

4月1日時点の車の所有者が納めるべき税金である点は、自動車税も軽自動車税も同じです。しかし、軽自動車税には自動車税のように車を廃棄した際の還付制度はありません。そのため、普通車の売買のように自動車税に相当する金額を買取金額に上乗せされることも少ないようです。

早く売却したからといって軽自動車の買取金額が高くなる可能性は低いですが、翌年4月1日までに売却しないと新たに軽自動車税を納める必要があります。売却の予定がある場合は3月中に名義変更の手続きまで済ませておくとよいでしょう。

車の売却は節税対策だけでなくタイミングも重要!

法人や個人事業主が車を売却して利益が発生した場合、法人税または所得税が課される可能性があります。また、消費税の課税事業者の場合は、原則として売却額に消費税がかかります。一方で、自動車税や自動車重量税においては、売却時に還付される法的な制度はないものの、買取業者によっては残期間に応じた税額分が買取金額に上乗せされることがあります。

このように車の売却時期によって税金の負担が変わってくることがあるため、適切な売却のタイミングを見極めることが大切です。社用車の売却を検討している法人の担当者や個人事業主の方は、車の売却に関連する税金や売却するタイミングを意識したうえで手続きを進めましょう。

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アクサダイレクトの法人向け自動車保険の商品・サービスについて

監修者 佐藤 寿美礼

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)

監修者 佐藤 寿美礼

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)

2016年からフリーランスとして活動。金融や投資、税金、保険、住宅ローン、不動産、社会保障制度など、「お金」関係の記事を中心に編集や執筆をしています。子どもの大学進学やマイホーム購入などをきっかけに、お金の管理に興味を持ち、投資や保険、法律などを勉強中です。

執筆者 鈴木 靖子

AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

執筆者 鈴木 靖子

AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。
企業のお金に関する業務に携わる中、その経験を人々の生活に生かすためFP資格を取得。
現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆・監修や相談業務を中心に活動中。

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