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社用車の防災対策とは?
従業員を守る防災グッズと重要性を解説

公開日:2024年12月17日

社用車の防災対策とは?従業員を守る防災グッズと重要性を解説

自然災害の多い日本では、企業も積極的に防災対策をすることが重要です。特に社用車は、災害時に緊急避難や物資運搬などの役割を担うこともあります。万一の際、社用車にはどのようなグッズを備え、どのような点に注意すべきなのでしょうか。

なぜ社用車の災害対策が重要なのか?

災害時は予期せぬ事態が数多く発生するため、日頃から従業員の安全を守るための準備をしておくと安心です。社用車に防災グッズを積んでおくなどの災害対策を講じることは、従業員を守るだけでなく、企業としての社会的責任を果たすことにもつながります。

災害から従業員の命を守るため

災害が発生するタイミングは正確な予測が困難です。社用車で移動している際に災害に巻き込まれる可能性もあり、従業員が予期せぬ危険にさらされてしまう事態も考えられます。たとえば、大地震や台風によって道路が通行不能となった場合、一時的に車中での待機を余儀なくされるかもしれません。このような際に、防災グッズの備えがあれば、従業員の命を守ることにつながります。

従業員の働く環境を整えるため

災害時には、車中泊をせざるを得ない状況も想定されます。しかし、多くの自治体では車中泊避難をする人に対し、支援の手が回っていないという現実もあります。そのため、社用車にも災害対策を行っていることが、従業員との信頼関係や防災意識の向上に寄与するでしょう。万一のための備えは企業側から率先して行い、従業員の働く環境を整えることが大切です。

被災した周囲の人を助けるため

社用車に防災グッズを備えておくことは、従業員を守るだけでなく、周囲の被災者を助ける手段にもなります。たとえば、車に積んだ救援物資を使って、近くの被災者に水や食料を提供することができるかもしれません。また、応急処置グッズや避難誘導のための装備があれば、被災者の安全確保や二次災害の防止に役立ちます。こうした周りの人への貢献につながる行動は、企業の社会的責任を果たす意味でも重要です。

災害対策は何から始めたらよい?

社用車の災害対策を始める際は、何を準備すべきかを明確にしなければなりません。車載する防災セットを確保すること以外にも、車外へ避難する際に必要な備えや、従業員の具体的な行動指針を決めておく必要があります。

1, 車内で被災した場合の行動指針を周知徹底する

車内で被災した従業員が慌てることのないよう、万一の際にどのように行動すべきかを決め、日頃から周知しておくことが大切です。たとえば、大地震が発生した場合は道路の左側に停車し、災害の情報や周囲の状況を確認する、津波警報が発令された場合は速やかに高台へ避難するなど、具体的な行動計画を共有しましょう。また、会社への連絡は誰にどのような方法でするのかも明確にしておきます。これにより、従業員は適切な対応を取りやすくなり、被害を最小限におさえられます。

2, 車を捨てて逃げるための道具をそろえる

災害時は津波から逃げる緊急の場合を除き、車を移動手段とする避難は推奨されていません。道路の寸断や障害物、信号機の停止による事故などで二次災害の危険性が高まるからです。そのため、社用車が災害時に利用できないことも考慮し、車を置いて避難する際に必要な道具も備えておきましょう。たとえば、歩きやすい靴や防災リュックなどは徒歩による避難の際に有効です。車に閉じ込められてしまった場合を想定し、脱出や救護要請のための道具もあるとよいでしょう。

3, 車内で避難・待機できるだけの備蓄をする

車内で一時的な避難や待機が必要となった場合、社用車に備蓄された防災グッズの有無が、従業員の安全と健康を左右します。非常食や保存水、携帯トイレなどの生活必需品だけでなく、車中泊が数日間におよぶ可能性も考え、簡易寝具や防寒具も準備しておきましょう。孤独な車中泊ではストレスや不安を感じやすくなるため、必要な物資によって従業員をサポートする配慮が重要です。特に、大規模災害時によくニュースで取り上げられる「トイレ問題」は必ず対策を考えておきたいポイントです。仮に、車でトイレがある場所まで避難できたとしてもそのトイレが使用可能な状態にあるとは限りません。避難所に仮設トイレが設置されるまで数日かかることも珍しくないため、衛生観点からもしっかり備えておく必要があります。

社用車に常備しておきたい防災グッズ12選

災害時の不測の事態に備えることで、従業員は避難中の安全確保が可能となります。万一の状況を考慮し、最低限常備しておきたい防災グッズを12種類紹介します。「車」ならではのグッズもあるので、しっかりチェックしましょう。

社用車に常備しておきたい防災グッズ12選

脱出用ハンマー

車の水没によって電気系統の故障が起きたり、火災や地震で車が破損したりした際、窓やドアが開かなくなることがあります。脱出用ハンマーは、このような場合に窓ガラスを割って緊急脱出をするための道具です。シートベルトが外せないケースに備えて、シートベルトカッターがセットになっている商品を選択すると、より安心感があります。

笛・ホイッスル

地震などで車内に閉じ込められた際に、自分の居場所を知らせるのに使用します。特に、停電時や視界不良の状況下では、笛やホイッスルの鋭い音が認識されやすいため、スムーズな救助へとつながる可能性が高まります。「防災用」と銘打った商品は、周囲の雑音などに紛れにくい周波数の高い音が出せるようになっているため、災害対策用として有効です。

緊急時用メモ

スマートフォンなどの通信手段が使えない場合、連絡にはメモ帳とペンが役立ちます。たとえば、車から離れて避難する際、自分がどこへ向かったのかをメモして車内に残しておけば、後から来た救助隊や同僚などが行動を把握しやすくなります。また、車の持ち主の特定や安否確認にも役立つでしょう。災害時に使用する筆記用具は、水害を想定して耐水性に優れたものを選ぶのがポイントです。

ライト

停電時や暗い場所での待機・避難が必要な際は、周囲の安全を確認するのにライトが必須です。また、救助を待つ場合にも、自分の居場所を視覚的に知らせる信号としても役立ちます。太陽光や手回しによって充電できるタイプであれば、電池切れを気にせず使えるので安心です。ライト・ホイッスル・ペンが一体化した設計の商品を選択することで、それぞれを単品でそろえるよりもコンパクトな備えができます。

非常食・保存水

災害時の非常食と保存水の備蓄は最低3日分、できれば1週間分が必要といわれます。特に水は、ライフラインが止まった際に命をつなぐ最重要の資源です。飲料用のみであれば1人1日1リットル、調理用を含めると1日3リットルが目安とされるため、数日を車の中で過ごせるだけの備えを確保しましょう。非常食は水や食器を使わず、加熱も不要なレトルト食品や缶詰、日持ちのするスイーツなどが適しています。

携帯トイレ

携帯トイレは袋の中に凝固剤が入っており、排泄物を固めて処理できる使い捨てタイプが一般的です。1人1日5回分程度を目安に、数日分を備蓄しておくとよいでしょう。車内の限られたスペースに保管することを考慮すると、コンパクトで持ち運びやすいサイズのものが適しています。また、周囲の目が気になる環境下での避難も想定し、目隠し用のポンチョなども備えておくのがおすすめです。

防寒・防暑グッズ

寒冷地や猛暑の中で避難や移動をすると体力を消耗しやすく、健康に悪影響を与える可能性があります。また、冬場は低体温症、夏場は熱中症のリスクも高まるため、注意しなければなりません。防寒・防暑グッズは、折りたためるアイテムや小型の商品を中心に複数常備しておくと安心です。

防寒グッズ例:アルミ温熱シート、ブランケット、携帯カイロなど
防暑グッズ例:瞬間冷却材、クールタオル、日よけシェード、ポータブル扇風機など

充電用グッズ

スマートフォンなどの通信機器のバッテリーを確保し、情報収集や緊急時の連絡を維持するには、充電用グッズが不可欠です。代表的なものには、モバイルバッテリーやシガーソケットUSB、乾電池などがあります。手回し充電器やソーラーチャージャーなどがあれば、長期にわたる停電や移動にも耐えうるでしょう。ただし、充電用グッズは車内に長期間放置しておくことで、乾電池の液漏れやモバイルバッテリーの故障・発火が発生するリスクがあります。そのため、車の乗り降りの際に、点検をした上で一緒に積み下ろしする防災セットとして管理するのがおすすめです。

衛生用品

衛生用品は、手洗いができない、トイレが使用できないといった状況を想定し、病気や感染症を防ぐために準備します。アルコール消毒液やウェットティッシュ、マスク、トイレットペーパー、使い捨て手袋、生理用品などは従業員の衛生環境を保つのに有効です。

応急処置グッズ

切り傷や擦り傷の応急処置には、ばんそうこうやガーゼ、消毒液などが役立ちます。包帯や三角巾とともにハサミやピンセットもあると、捻挫などで患部を固定したい場合も対応可能です。鎮痛剤や抗炎症薬などの医薬品を備えることにより、治療を受けるまでの痛みや炎症をおさえる方法もあります。適切な応急処置ができるよう、わかりやすい説明書がついている商品を選びましょう。

軍手・グローブ

軍手やグローブは、割れたガラスやがれきの撤去、車の修理などによって、手にケガをするのを防ぐ役割があります。いくつかのタイプが販売されていますが、災害時は耐久性や防水性に優れた商品であることが重要です。滑り止め加工が施されているものであれば、より使いやすさがアップするでしょう。寒冷地では、防寒グッズとしても使用することが可能です。

ゴミ袋

ゴミ袋は汚れたものをまとめる以外にも、一時的な防寒グッズとしても代用可能です。簡易ポンチョのように使うことで雨や風を防ぎ、体温を保てるため、特に寒冷地では役に立つでしょう。災害時は鋭利な破片を扱うこともあるため、ゴミ袋は破れにくい厚手のものがおすすめです。防寒対策にも使用することを考慮すると、45リットル以上の大容量タイプがよいでしょう。

社用車の防災グッズを準備する際に
注意すべきポイントは?

社用車に防災グッズを備える際は、ただ必要なアイテムをそろえるだけでなく、効果的に使える状態にしておくことが重要です。定期点検や使用方法の周知などのポイントを押さえ、従業員の安全確保につなげましょう。

コンパクトな車載用防災セットを選ぶ

社用車の限られたスペースに防災グッズを収納するには、コンパクトで持ち運びしやすいことが重要です。車載用に設計された防災セットであれば、必需品が最小限の大きさに収まるよう工夫されているため、利便性が高いでしょう。個別にグッズをそろえる場合は、車外に持ち出す可能性も考慮し、リュックなどにまとめる必要があります。適切なサイズと内容のバランスに気をつけながら、準備してください。

非常食は高温環境下で劣化しにくいものを選ぶ

夏場の車内は50℃を超えることもあるため、非常食は高温の環境下でも劣化しにくいものを選ぶ必要があります。車に載せる非常食であることを考慮すると、温度変化に強く、5年以上の保存期間があるものが安心でしょう。商品によっては、耐温度域(どの程度の気温まで耐えうるか)が明記されているものもあります。

定期的に点検・入れ替えをする

非常食や保存水、医薬品などには使用期限があるため、定期的な点検と入れ替えが必要です。いざというときに食べられなかった、使えなかったといったことのないよう、点検・入れ替えは少なくとも年に1回は行いましょう。バッテリーやライトなどの電気機器についても、動作確認が必要です。たとえば、毎年9月1日は「防災の日」です。台風が多く災害の起こりやすい季節でもあるので、こうした防災意識の高まるタイミングに合わせて作業するのを習慣化するのもよいでしょう。

給油の頻度を高める

災害時はガソリンスタンドが使用できなくなり、臨時の給油所に長い列ができたり、ガソリンの供給自体が滞ったりすることがあります。社用車の燃料は常に満タンに近い状態を維持できるよう、給油の頻度を高めておきましょう。特に、台風や大雨などの予想が出て、大規模災害が予測されるときは事前の給油が重要です。普段からガソリンの残量が半分以下になったら給油するなどのルールを定め、万一の際も移動や車内の冷暖房の使用ができるよう、余裕を持たせておきましょう。

社員に防災グッズの保管場所や使用方法を周知しておく

災害対策は必要なものを準備するのと同時に、従業員にその保管場所や使い方を周知することも重要です。定期的に防災訓練を実施し、防災グッズの使い方も共有しておきましょう。特に、日常生活で使用頻度の低い携帯トイレや、実践練習をすることが困難な脱出用ハンマーなどは、繰り返し取り扱い方法を確認する機会を設けましょう。

従業員を守るために重要な社用車の
災害対策を講じよう

災害はいつ・どこで発生するかわからず、突然の被災が従業員の安全や企業活動に大きな影響をおよぼす可能性があります。そのため、オフィス内だけでなく、社用車にも防災対策を施すようにしましょう。適切な対策をすることは、従業員の命を守るだけでなく、周りの被災者を助けることにもつながります。従業員が万一の状況でも冷静かつ迅速に対応できるよう、防災グッズは日頃から点検・見直しを行い、行動指針などの周知徹底も忘れないことが大切です。

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監修者 吉田 奈央

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、一種外務員資格

監修者 吉田 奈央

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、一種外務員資格

大学卒業後、地方銀行、投資系コンサル会社を経て、2021年独立。金融機関や保険会社、不動産会社が運営するメディアを中心に、編集者として記事執筆や運営に携わる。お金や保険、不動産に関して『知らないだけで損をしてしまう人』を減らすべく活動中。

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