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社用車にドライブレコーダーを付けるべき?
メリットやデメリット・注意点を解説

公開日:2024年12月17日

社用車にドライブレコーダーを付けるべき?メリットやデメリット・注意点を解説

社用車にドライブレコーダーを付けることで、車両の安全な運行・管理に役立ちます。一方で、ドライブレコーダーには車内の様子を記録する機能もあるため、社用車に設置することで従業員のプライバシー侵害になるおそれもあります。社用車にドライブレコーダーを付けるべきか検討している方は、メリットやデメリット、設置する際の注意点を押さえておきましょう。

社用車にドライブレコーダー(ドラレコ)は必要?

ドライブレコーダーとは、車両の前方や後方に取り付け、映像を記録するための装置です。運転中の映像を残すことで、事故やトラブルの際に証拠として使用することができます。「ドライビングレコーダー」と呼ばれたり、日本では「ドラレコ」と略されたりすることもあります。社用車にドライブレコーダーを付ける必要性や主な目的を紹介します。

事故時の記録を残すため

社用車にドライブレコーダーが設置されていることで、事故時やその前後の映像・音声を記録して残すことができます。

また、あおり運転や無理な追い越しなどの危険運転に遭遇した際も、迅速な対応を取りやすくなります。

事故を起こした際は動揺して、正しく当時の状況を覚えていなかったり、冷静に説明できなかったりする場合もあります。ドライブレコーダーの記録映像があれば、事故処理の際の有力な証拠となり、保険会社への事故時の詳細説明がしやすくなります。

従業員の安全運転を促進するため

ドライブレコーダーには、車外の映像だけではなく、車内の映像や走行スピードなどの運転状況を記録する機能もあります。「自身の運転の様子が見られている」という意識から、ドライバーの安全運転を促すことができます。また、運転状況を後から確認することで、運転技術の向上や運転マナーの改善に役立てることも可能です。

従業員が安全運転に対してより高い意識を持つことで、事故の発生を防ぐことができ、結果として従業員自身の安全が守られます。

防犯対策のため

駐車監視機能があるドライブレコーダーなら、車上荒らしや盗難などの抑止にもつながるので、防犯対策としても有効です。

従業員の身を守り、事業への悪影響をおさえることにもつながります。

社用車にドライブレコーダーを導入するメリット

社用車にドライブレコーダーを付けると、事業者や従業員にとってさまざまなメリットがあります。

1, 事故処理をスムーズに進められる

社用車の運行中に万一事故が発生した場合、事故の証拠を残しておくことが重要です。
交通事故では、当事者同士の意見が食い違う場合もあるので、ドライブレコーダーで録画しておくことで、事故当時の信号の色や走行スピードなどの情報を客観的な証拠として活用できます。

また、ドライブレコーダーの映像によって自社側に過失がないことが証明できれば、相手方から事業者や従業員に対する損害賠償請求を回避できる可能性もあります。

2, 事故のリスクを減らせる

常時録画できるタイプのドライブレコーダーであれば、走行中の状況を映像として記録することも可能です。普段の運転中の様子を録画し、各運転者に合わせて指導を行うことで従業員は安全運転を心がけるようになり、事故のリスクを軽減する効果が期待できます。運転者自身も普段の運転を客観的に振り返って、改めて安全運転を意識する際にも活用できます。

たとえば、顔認証機能が搭載されているようなドライブレコーダーの場合、運転者の顔の位置が記録されるため、わき見運転や居眠り運転などの危険性がある運転者には事前に指導を行うなどして、事故防止に努めることができます。

3, 業務を効率化できる

ドライブレコーダーの中には、走行中のさまざまなデータを自動的に保存できるものもあります。たとえば、走行ルートや目的地、運転状況などをデータ化できる機能が搭載されているものであれば、ドライバーの状況確認や労務管理など車両管理責任者の業務効率化につながります。他にも、運転日報を自動作成できる機能を活用すれば、ドライバーの業務負担を減らせるなど、高性能のドライブレコーダーを導入することで効率化を目指せます。

4, 無駄な経費を削減できる

ドライブレコーダーの活用により、社用車の無断使用や無駄な走行をしている車両がないか定期的に確認し、必要に応じて運転者に指導を行うことで業務に関係のない社用車の使用を防止できます。

その結果として、経費削減につながる可能性があります。さらに、運転中の映像を活用して安全運転指導を強化し、事故を減らせれば、修理代や損害賠償などの想定外の支出を抑えられる場合もあります。

社用車にドライブレコーダーを導入する場合の
デメリット・注意点

社用車にドライブレコーダーを導入する際は、メリットだけではなく、次のデメリットや注意点も考慮したうえで検討しましょう。

1, 従業員が反対する可能性がある

社用車にドライブレコーダーを設置する場合、従業員から反対される可能性があります。特に車内の映像や音声を常時記録する場合は、「常に行動を監視されている」と受け取られたり、ストレスを感じたりして、従業員から反対意見が出ることも少なくありません。そのため、ドライブレコーダーを導入する際は、従業員からの理解を得られるよう十分に説明する必要があります。

2, 導入費用や維持費がかかる

ドライブレコーダーを導入する場合、装置本体の購入代金や取付費用、設置後のメンテナンスなどに費用がかかります。社用車すべてにドライブレコーダーを取り付ける場合、台数分の装置を用意する必要があるため、多くの社用車を保有している会社では費用負担が大きくなります。

ただし、近年はドライブレコーダーを購入するだけではなく、レンタルやリースできるサービスも増えてきました。レンタルやリースなら月額料金を支払うだけで利用できる場合もあるので、導入費用を抑えたい場合におすすめです。自社の予算やニーズに合わせて、導入しやすい方法を選ぶとよいでしょう。

3, 機能や操作性を確認する必要がある

ドライブレコーダーにはさまざまな種類があるため、機能や操作性を確認した上で導入を検討する必要があります。

ドライブレコーダーの撮影範囲は、前方のみ、前方・後方、前方・後方+車内、全方位などの種類があるので、設置目的に合わせて選ぶことが大切です。また、操作性の確認も重要なポイントです。複数の人が使用する場合や、ドライブレコーダーの扱いに不慣れな従業員がいる場合は、操作しやすいドライブレコーダーを選ぶとよいでしょう。

ドライブレコーダーによる車内映像や音声の記録は
従業員のプライバシー侵害になる?

ドライブレコーダーを導入する際、従業員のプライバシー侵害に当たるかどうか気になっている事業者や車両管理責任者の方もいるでしょう。ドライブレコーダーにおけるプライバシー侵害の問題や注意点について解説します。

原則プライバシーの侵害には当たらない

労働時間中のドライブレコーダーによる車内映像の録画や音声録音は、原則プライバシーの侵害には当たらないとされています。社用車を使用している時間は基本的に労働時間内であり、ドライブレコーダーで従業員の運転状況を管理・把握することは業務の一環とみなされるためです。

ただし、録画や録音した内容を本来の目的とは関係のない用途で使用したり、個人を特定できる形で公開したりすると、プライバシーの侵害とみなされる場合があるので記録データの扱いには注意が必要です。

従業員に目的や使用範囲を説明することが重要

社用車にドライブレコーダーを導入する際は、従業員に目的や使用範囲を明確に説明する必要があります。導入する目的を伝えずに一方的に導入すると従業員が不満に感じる可能性があるので、十分配慮しましょう。

また、ドライブレコーダーで収集したデータは、本来の目的以外で使用することを防止するなどのルールを設け、社内で適切に管理することが重要です。

事業用のドライブレコーダーを選ぶポイント

ドライブレコーダーは製品によってさまざまな機能があります。社用車にドライブレコーダーを導入する際は、設置する目的に合わせて選ぶことが大切です。

撮影範囲

ドライブレコーダーを選ぶ際は、撮影できる範囲が重要になります。カメラを設置する場所や撮影する角度によって記録できる範囲が変わってくるので、必要な範囲を撮影できるものを選びましょう。

ドライブレコーダーのカメラには、主に以下のタイプがあります。

  • フロント1カメラタイプ:1つのカメラで前方のみを撮影できる
  • 前後2カメラタイプ:前方・後方を撮影できる
  • 前後車内3カメラタイプ:前方・後方に加えて、車内も撮影できる
  • 360度カメラタイプ:全方位(前後・左右)と車内を撮影できる

より広い範囲を撮影したい場合は、前方・後方・車内を撮影できるタイプや、360度を撮影できるタイプがおすすめです。ただし、撮影範囲が広くなるほど価格が高くなる傾向があるため、予算とのバランスをふまえて検討しましょう。

映像の画質

ドライブレコーダーの画質は、事故やトラブル時の正確な情報を把握するために重要な機能です。例えば、当て逃げやあおり運転などの被害を受けた際に、相手の自動車のナンバーが読み取れる程度の画質であれば、証拠として活用しやすくなります。

カメラの解像度が低いと画質が悪くなり、正確な情報を読み取れない可能性があるので注意が必要です。ただし、解像度が高いほど価格が高くなり、導入コストがかかることも考慮しておきましょう。

ドライブレコーダーを導入する目的に合わせて、適切な画質のドライブレコーダーを選ぶことが大切です。

GPS機能

GPS機能が搭載されたドライブレコーダーなら、位置情報を記録できるので、より正確に車両の状況を把握できます。リアルタイムで車両情報を取得できるため、事故やトラブルが発生した際に迅速な対応が可能になります。また、効率的な配車や走行ルートを確認する際にも便利です。

加速・停止した位置や、走行速度の記録が可能なタイプもあるので、事故時に法定速度を守っていたかどうかの確認や、ドライバーへの安全運転指導などにも活用できます。

夜間・暗所対応センサー

社用車を夜間や早朝に運行する機会が多い場合は、夜間・暗所対応センサー機能があると安心です。暗い場所でも鮮明な映像を撮影できるため、夜間やトンネルなどの暗い場所で事故やトラブルにあった場合でも、明確な映像を残せる可能性があります。

Gセンサー

Gセンサー(加速度センサー)とは、事故時の衝撃や急ハンドル・急ブレーキを感知するセンサーです。Gセンサーが付いているドライブレコーダーの場合、センサー稼働時に自動でその前後の映像が記録される「イベント録画」が可能です。

常時録画された映像は、SDカードの容量がいっぱいになると古い情報に上書きされますが、イベント録画では専用フォルダに映像が保存されるため、事故時の映像を確実に残したい場合に有効です。

なお、ドライブレコーダーの録画方法には、主に「常時録画」「イベント録画」「常時録画+イベント録画」の3つがあるため、ニーズに合わせて機種を選ぶとよいでしょう。

従業員の安全対策として社用車へのドライブレコーダー設置を検討しよう!

社用車にドライブレコーダーを設置することで、事故発生時のスムーズな処理が可能になります。また、ドライバーの安全運転への意識が高まり、事故防止につながる可能性もあります。従業員の安全対策になり、事故による会社の経済的損失や社会的信用の低下などリスク回避にもつながるため、社用車へのドライブレコーダーの設置を検討しましょう。

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監修者 佐藤 寿美礼

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)

監修者 佐藤 寿美礼

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)

2016年からフリーランスとして活動。金融や投資、税金、保険、住宅ローン、不動産、社会保障制度など、「お金」関係の記事を中心に編集や執筆をしています。子どもの大学進学やマイホーム購入などをきっかけに、お金の管理に興味を持ち、投資や保険、法律などを勉強中です。

執筆者 鈴木 靖子

AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

執筆者 鈴木 靖子

AFP認定者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

銀行の財務企画や金融機関向けコンサルティングサービスに10年以上従事。
企業のお金に関する業務に携わる中、その経験を人々の生活に生かすためFP資格を取得。
現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆・監修や相談業務を中心に活動中。

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