法人向け自動車保険

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法人向け自動車保険に代車費用特約は必要?
事故時にどのように役立つ?

更新日:2024年12月12日

公開日:2024年10月29日

法人向け自動車保険に代車費用特約は必要?事故時にどのように役立つ?

事故などによって社用車の修理が必要になると、修理中は事業に社用車が使えなくなります。そのため、代車(レンタカー)を手配する必要があります。このような場合に役立つ、法人向け自動車保険の「代車費用特約(レンタカー費用補償特約)」について、概要やメリット・デメリット、必要性などを紹介します。

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)とは?

代車費用特約とは、車両保険の対象となる事故によってご契約のお車に損害が発生した場合に、レンタカーを借りた際の費用を補償する特約です。保険会社によって名称は異なり、レンタカー特約やレンタカー費用特約、レンタカー費用補償特約とも呼ばれています。法人の場合、車が使用できないことによる業務の停止や遅延を避けるため、万が一の際は代車が必要となる可能性が高いと考えられます。

補償内容

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)は、契約車両に事故などによって損害が発生し、保険会社が指定するレンタカー会社よりレンタカーを代車として借りたときに、その費用について保険金が支払われる特約です。

特約をセットできる条件

車両保険の支払い対象となる事故では代車が必要になることが多いことから、代車費用特約(レンタカー費用補償特約)は、車両保険を契約している場合に付帯できる特約としていることが一般的です。

支払限度日額(保険金額)

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)では、支払限度日額として1日あたりの補償金額を設定することができます。支払限度日額は保険会社によって異なり、5,000円、7,000円、10,000円を限度額として選択できることが一般的です。高い支払限度日額ほど保険料も上がるため、代車として利用したいレンタカーの車種やグレードに合わせ、コストとのバランスを考えて支払限度日額を選びましょう。

支払限度日数(補償期間)

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)には支払限度日額とは別に、支払限度日数も定められており、1回の事故につき15~30日を限度として選択できることが一般的です。

保険金が支払われないケース

知人などから車を借りた場合や保険会社が指定するレンタカー会社以外で借りた場合は適用されません。ただし、お客さまが希望したレンタカー会社から借りた場合でも、契約条件の範囲内で補償されることもあるため、保険会社に確認しましょう。

また、車両保険が適用されないケースでは、代車費用特約(レンタカー費用補償特約)からも保険金は支払われません。車両保険の細かい補償内容は保険会社によって異なるため、代車費用特約(レンタカー費用補償特約)を契約する際は、併せて車両保険の補償内容についても把握しておくことが大切です。

法人用自動車保険に代車費用特約を
セットすることはできるのか?

法人向け自動車保険に代車費用特約(レンタカー費用補償特約)をセットすることは可能です。ただし、契約自動車が自家用8車種に限定されるなど、保険会社によって条件が設けられていることがあるため、事前に確認しましょう。

自家用8車種

法人向け自動車保険に代車費用特約を
セットするメリットとは?

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)を付帯した場合のメリットについて、レンタカーの手配や費用面における利点を解説します。

1, 保険会社にレンタカーを手配してもらえる

通常、保険会社に任せることが可能です。保険会社が提携しているレンタカー会社にて車を手配するので、契約者は保険会社に連絡するだけで済みます。事故などによってストレスを抱えている中、煩雑な手続きを軽減でき、スムーズにレンタカーを手配できる点はメリットといえるでしょう。

2, レンタカー費用が保険で補償される

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)をセットしていない場合、レンタカー費用は自社で負担しなければなりません。

例えば、小型乗用車に分類され、コンパクトカーと呼ばれることもある車種の場合、24時間のレンタル料金は9,000円前後、以降1日につき7,000円前後の追加費用がかかります。仮に30日間レンタルしたとすると、その総額は20万円程度です。代車費用特約をセットしていれば、支払限度日額の範囲内でレンタカーを借りることで自己負担なく使用することができます。

あくまで計算例となり、実際のレンタル費用や自己負担額とは異なります。

3, 事故以外でも適用できる場合がある

保険会社によっては、事故以外の理由により車を使用できなくなった場合でも補償の対象としていることがあります。ただし、故障の場合は支払限度日数が短縮されるケースや、盗難は補償の対象外とされるケースもあります。どこまでのリスクをカバーできるのか、あらかじめ確認しておきましょう。

法人向け自動車保険に代車費用特約を
セットするデメリットと注意点は?

保険料や自己負担額、特約の適用条件など、契約前に把握しておきたい注意点について解説します。

1, 自動車保険の保険料が高くなる

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)をセットした分の保険料が加算されるため、保険料の総額は上がります。ただし、特約を含む自動車保険の保険料は、その全額が法人の経費として認められます。法人の場合、必要経費が増えると税負担は減るため、結果的に大きな負担にはならないケースも考えられます。

2, レンタカーの車種を指定することができない

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)を使用する場合、提供されるレンタカーは保険金額に応じた車種となるため、契約者は自由に選べないのが一般的です。また、レンタカー会社の保有する車やレンタル状況によって、手配できる車の範囲が限られる可能性があります。

3, 修理期間が長いと自己負担が発生する

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)には補償期間に上限があるため、修理が長引いた場合、支払限度日数を超えた分のレンタカー費用は自己負担となります。例えば、車体に大きな損傷がある場合や部品の取り寄せなどにより修理期間が支払限度日数をオーバーしてしまうケースがあります。

4, 車両保険の補償対象外の事故では利用できない

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)の適用は、車両保険の補償対象となる事故などに限定されることが一般的です。例えば、車両保険の種類が補償を限定するタイプの場合、電柱に衝突するといった単独事故では、車両保険が対象外になるため、代車費用特約も補償対象外となります。

5, 実費以上の保険金額を受け取ることはできない

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)を適用した場合、実際に発生したレンタカー費用にもとづいて保険金が支払われます。例えば、支払限度日額を10,000円に設定していたとしても、実際にかかった費用が日額8,000円なのであれば、受け取れる金額は8,000円です。反対に、12,000円かかった場合は差額の2,000円が自己負担となります。このように、実費を超える保険金を受け取ることはできません。

支払限度日数30日、支払限度日額10,000円の場合 実際にかかった費用日額:12,000円 借りた日数:25日 1日目:支払われる保険金/10,000円 お客さまの自己負担/2,000円 2日目:支払われる保険金/10,000円 お客さまの自己負担/2,000円 〜 24日目:支払われる保険金/10,000円 お客さまの自己負担/2,000円 25日目:支払われる保険金/10,000円 お客さまの自己負担/2,000円 実際にかかった費用日額:8,000円 借りた日数:31日 1日目:支払われる保険金/8,000円 2日目:支払われる保険金/8,000円 〜 30日目:支払われる保険金/8,000円 31日目:お客さまの自己負担/8,000円

法人向け自動車保険における代車費用特約の必要性

法人向け自動車保険における代車費用特約(レンタカー費用補償特約)の必要性は、社用車をどのように使用しているかによって大きく変わります。必要性が高い、もしくは低いと考えられるケースについてそれぞれ紹介します。

代車費用特約の必要性が高いケース

次のようなケースでは、代車費用特約(レンタカー費用補償特約)の必要性が高いと考えられます。

  • 日々の業務に車が欠かせない場合
  • 通勤や社長の送迎など、毎日の移動手段が車になっている場合
  • 会社のブランディングを重視し、高いグレードのレンタカーを借りたい場合

毎日の業務や通勤に車を使用しており、代車を確保することが業務の継続に不可欠、あるいは車以外の代替手段の確保が困難な場合は、特約の必要性が高くなります。また、ハイグレードの車種は利用料金がかさみやすいため、企業イメージを重視している法人や、顧客を乗せることが多い業種などの場合は、万一の際の出費に備えて代車費用特約(レンタカー費用補償特約)の付帯を検討してみてください。

代車費用特約の必要性が低いケース

次のようなケースでは、代車費用特約(レンタカー費用補償特約)の必要性は低いと考えられます。

  • 会社で所有するほかの車で業務をカバーできる場合
  • 電車やバスなどの公共交通機関の利用で対応できる場合
  • 車で対応しなければならない業務が少ない場合

事故で修理に出すことになっても、ほかの社用車をすぐに利用できる環境にあり、業務への支障も少ない場合は特約の必要性は低いといえます。また、公共交通機関が発達している都市部では、ほかの移動手段によって代替できるため、レンタカーの必要性が低くなる傾向もみられます。

万が一を想定して代車費用特約の必要性を検討しよう

代車費用特約(レンタカー費用補償特約)は、事故などによって車を使用できなくなった際、レンタカーを利用する費用を補償する特約です。必ずセットしなければいけない特約ではありませんが、事業に車が不可欠な業種・企業の場合は、万が一の事故の際、レンタカーにかかる費用や手配の負担を軽減したい場合にはセットすることをおすすめします。会社が保有するほかの社用車の使用状況や公共交通機関の利用が可能であるかなどを考慮し、代車費用特約(レンタカー費用補償特約)の必要性についてご検討ください。

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代車費用特約に関するよくある質問

  • ロードサービスに含まれる代車提供サービスと代車費用特約の違いとは?

    ロードサービスに含まれる代車提供サービスとは、事故や故障などにより車が走行不能となった緊急時に、出先から自宅や目的地に到着するまでの一時的な移動手段を提供するサービスです。代車費用特約(レンタカー費用補償特約)は車を修理する間、支払限度日数を上限にレンタカー費用を補償する特約です。

  • 代車費用特約を使うと等級への影響はありますか?

    車両保険を使わず、代車費用特約(レンタカー費用補償特約)のみを使った場合は、ノーカウント事故として等級に影響しません。

    車両保険を使う事故の場合、事故の内容によって翌年の等級が3等級、もしくは1等級下がります。

監修者 吉田 奈央

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、一種外務員資格

監修者 吉田 奈央

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、一種外務員資格

大学卒業後、地方銀行、投資系コンサル会社を経て、2021年独立。金融機関や保険会社、不動産会社が運営するメディアを中心に、編集者として記事執筆や運営に携わる。お金や保険、不動産に関して『知らないだけで損をしてしまう人』を減らすべく活動中。

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