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検知器によるアルコールチェックが義務化!
企業に必要な対応は?

公開日:2024年5月15日

検知器によるアルコールチェックが義務化!企業に必要な対応は?

これまで緑ナンバー車のみに義務づけられていたアルコール検知器による酒気帯び確認が、2023年12月から白ナンバー車にも義務化されるようになりました。この記事では、白ナンバー車のアルコールチェック義務化に関する法改正の概要や企業に必要な対応について解説します。

アルコールチェックの義務化

アルコールチェックの義務化は、従来はバスやトラック、タクシーなどのいわゆる緑ナンバーの事業用自動車を対象としていましたが、道路交通法の改正により白ナンバー車(自家用車)も以下のスケジュールで段階的に施行されるようになりました。

・2022年4月から施行の改正内容

運転前後の目視による運転者の酒気帯びの確認、確認結果の記録と1年間の保管

・2023年12月から施行の改正内容

アルコール検知器による運転者の酒気帯び確認、アルコール検知器を常時有効に保持

2023年12月からは、すでに施行済みの「目視による酒気帯び確認」と「確認結果の記録と保管」に加えて、「アルコール検知器によるアルコールチェック」と「アルコール検知器の常時保持」が必要となっています。

アルコールチェック義務化の対象が拡大された背景

アルコールチェック義務化が進んだのは、2021年6月に千葉県八街市で小学生が飲酒運転をしていたトラックにはねられて死傷した事故がきっかけです。事故を起こしたトラックは白ナンバーで、当時アルコールチェックが義務化されていなかったため、事故の際も実施されていませんでした。この事件を受け、道路交通法施行規則が改正され、白ナンバー車の運転者に対するアルコールチェックが義務化されるようになりました。

アルコールチェック義務化の対象となる企業

アルコールチェック義務化の対象は、「乗車定員が11人以上の白ナンバー車を1台以上保有する」または「白ナンバー車5台以上を保有する」企業・事業所です。道路交通法ではこれらの団体を「安全運転管理者選任事業所」と定め、安全運転管理者の選任を義務付けています。選任した安全運転管理者が、ドライバーの運転前後のアルコールチェックを行います。

対象企業が行うべき対応

新たにアルコールチェック義務化の対象となる企業・事業所は、どのような対応が必要になるのでしょうか。白ナンバー車を使用する企業に求められる4つの対応を解説します。

安全運転管理者の選任

一定台数以上の白ナンバー車を使用する企業・事業所は、従業員(運転者)の安全運転を確保するために必要な業務を行う担当者として、安全運転管理者を選任しなければなりません。安全運転管理者は、目視やアルコール検知器を用いた酒気帯び確認のほか、運行計画の作成、安全運転教育などの業務を担っています。
安全運転管理者について詳しくは安全運転管理者とは?選任方法や業務内容、罰則について解説をご覧ください。

アルコール検知器(アルコールチェッカー)の配備

2023年12月の法改正でアルコール検知器を用いた酒気帯び確認が義務化され、アルコール検知器を「常時有効に保持(*)」しなければならなくなりました。アルコール検知器は特段性能上の決まりはなく、呼気中のアルコールを検知し、飲酒の有無またはその濃度を警告音、警告灯、数値などにより示す機能を有する機器であれば問題ありません。
アルコールチェックをどのように運用していくのかで、検知器の必要な台数は変わってきます。直行直帰がある場合は、備え付けの検知器以外に携帯用の検知器も用意しなければならないかもしれません。あらゆる状況を想定して必要台数を用意しましょう。

「常時有効に保持」とは、正常に作動し、故障がない状態で保持すること。そのために、アルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書にもとづいて電源が入るか、損傷がないかなど、定期的に故障や不具合の有無を確認し、故障がないものを使用しなければならない。

チェックの記録および保管

2022年4月の法改正により、アルコールチェックの結果は記録し、1年間保管することが義務づけられています。
具体的な記録項目は以下のとおりです。

  • 確認者名(安全運転管理者)
  • 運転者名
  • 自動車のナンバー(運転者の業務にかかる自動車の自動車登録番号または識別できる記号、番号など)
  • 確認の日時
  • 確認の方法(アルコール検知器の使用の有無、対面でない場合は具体的方法)
  • 酒気帯びの有無
  • 指示事項
  • そのほか必要な事項

指定の記録簿様式はないため、独自に用意したフォーマットで作成が可能です。また、作成した書類の保管方法は紙・データのどちらでも可能です。

従業員の意識徹底

アルコールチェックの実施にあたっては、安全運転管理者だけでなく、全従業員が実施背景や運用ルールを把握することが大切です。アルコールチェックの実施体制や運用ルールを整備したうえで、事業所内に周知しましょう。また、飲酒運転の危険性やアルコールチェックの重要性などを理解させるために社内研修を実施して、全従業員に安全運転の意識付けをしていく必要があります。

アルコールチェック義務を怠った場合の罰則

アルコールチェックを怠った場合は、安全運転管理者の業務違反に該当します。現時点では直接的な罰則は設けられていませんが、公安委員会によって安全運転管理者の解任や命令違反に対する罰則が科せられる可能性があります。
また、従業員が飲酒運転をした場合、事業所の代表や管理者にも車両提供者として5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される場合があります。

まとめ

2023年12月から白ナンバー事業者にもアルコール検知器によるアルコールチェックが義務化されました。飲酒運転は重大事故に直結する犯罪行為であることはもちろん、企業の社会的信頼を失墜させるため、企業にとっても大きなリスクとなります。
「飲酒運転をしない、させない」ためには、アルコールチェックだけでなく、安全運転管理者、運転者である従業員、事業者が一丸となり会社全体で安全運転に対する意識を高めていくことが大切です。

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