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猫の病気事典:その他の疾患

アミロイドーシス

概要

アミロイドーシスとは、アミロイドという細かい線維状タンパク質が、臓器の細胞同士の隙間に貯まっていき、溶けにくい特徴があるため、次第に臓器やその周辺の組織に機能障害をもたらす病気です。アミロイドは身体のあらゆる場所に沈着しますが、猫で一般的によくあるタイプのアミロイドーシスは、腎臓に沈着するタイプ(腎アミロイドーシス)と肝臓に沈着するタイプ(肝アミロイドーシス)が多く、稀に膵臓や甲状腺に沈着するタイプもみられます。
猫のアミロイドーシスの原因となるアミロイドは、ほとんどが、体内で炎症を起こしたときに作られる『アミロイドAタンパク』が主成分で、慢性的な炎症や感染症、腫瘍、ウイルス疾患などによって発生します。アビシニアンは、ほかの猫と比較して遺伝的にアミロイドの構造に変異があり、アミロイドーシスを発症しやすい品種といわれています。

症状

食欲がなくなる、痩せてくる、元気がなく無気力になる、などの症状がよく現れます。腎アミロイドーシスではそれ以外に、多飲多尿や嘔吐の症状が出てきます。ネフローゼ症候群(腎臓の糸球体の炎症の一種)を起こした場合は、腹水や足先のむくみが出てくることがあります。肝アミロイドーシスでは黄疸(白目が黄色くなったり、皮膚が黄色くみえたりする)や肝臓出血により貧血を起こして粘膜の色(口や舌の色)が異常に白くなります。
まれですが、アミロイドが膵臓に沈着した場合は、糖尿病を発症することがあります。

対象

アミロイドーシスはまれな病気ですが、アビシニアン、シャムなどは遺伝的な発症率が高いので注意が必要です。発症年齢で言うと平均7歳前後で、65%は5歳以上で発症しています。アビシニアンに限っては、平均すると4歳で発症し、1歳未満での発症もあります。

予防、治療

アミロイドーシスそのものに対する予防はありませんが、遺伝的な要因のアミロイドーシスでない場合、起因になる病気(慢性的な炎症や感染症、腫瘍、ウイルス疾患など)の治療を行うことが、結果的にアミロイドーシスの予防につながるでしょう。
抗炎症作用のあるジメチルスルホキシド(DMSO)を飲ませることで腎アミロイドーシスの予防や治療をするデータもありますが、有効性ははっきりとしていません。
治療はアミロイドーシスにより二次的に起きた病気への治療がメインになります。炎症がある場合は炎症を起こしている病気への治療、腎臓や肝臓の機能の低下がある場合はそちらに対しての支持療法を行い、快適に猫が過ごせる時間を作ってあげましょう。

監修

白神 久輝 先生

埼玉県草加市にある「ぐぅ動物病院」の院長。2005年4月の開院以来、大学病院や専門病院と連携をとりながら、常に最先端の技術や機器を導入しており、飼い主の方にもわかりやすい説明でサービスを提供し続けている。また病気になりにくい体づくり(予防、日常ケア)のアドバイスも積極的に行っており、地域のかかりつけ医・中核病院として親しまれている。

「病気事典」には「アクサダイレクトのペット保険」の補償対象外の病気や治療内容も掲載されていることがあります。

「病気事典」には「アクサダイレクトのペット保険」の補償対象外の病気も掲載されていることがあります。
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