更新日:2023年12月21日
最大の特徴は、体のサイズです。成猫でも体重は2〜3kg程度で、一般的な猫の半分ほどです。活発に動き回るため筋肉が発達していて、体つきがしっかりとしています。また、黒いアイラインが入ったアーモンド型の目が、ピンと立った大振りの耳や細長いしっぽなどと相まって、高貴な印象を与えます。バランスがきれいに取れ、スラリとしたボディラインはとても魅力的です。毛色はアグーチセピアと呼ばれる薄い茶色で、1本の毛に濃淡があり、光り輝くように見えます。体の下部に薄い縞が入るのも特徴です。
正式な血統種として登録されたのは1980年頃と新しい猫種ですが、もともとはシンガポールの土着猫とされています。現地に仕事で駐在していたアメリカ人夫婦が5頭を譲り受け、赴任終了とともにアメリカへと持ち帰りました。繁殖させたところ、ほかの猫種にはないとても小さなサイズということもあって、瞬く間に人気となりました。キャットショーで優勝したことが、シンガプーラが猫種として認められるきっかけとなり、現在に至ります。
毛は短く、量も多くはないので、ブラッシングなど一般的なお手入れで、十分その美しさを保つことができます。ただ、神経質な部分もあるので、飼育環境には配慮してストレスをかけないようにしましょう。とくに睡眠時間はとても長いので、ゆっくりと寝られるようにしてあげることが大切です。
もともと下水溝の中でネズミを捕っていたとされるだけに、とても活発で、運動神経も抜群。好奇心も旺盛です。身軽なので、狭いところに入り込んだり、高いところに登ったりするのも得意です。ただ、慣れた人には従順ですが、知らない人には姿を隠して見せないなど、やや神経質な面もあります。
ピルビン酸キナーゼという酵素が遺伝的に欠乏することにより、赤血球に異常が起こり、壊れてしまいます。これにより慢性的な貧血を引き起こす可能性があります。異常な赤血球は脾臓で分解されるため、脾臓の腫大もみられます。
遺伝性の疾患で、徐々に視力が低下し、最終的には失明します。暗いとき行動したがらない、光に対して瞳孔反射が鈍くなる、などの症状がみられます。残念ながら、有効な治療法はありません。
三宅 亜希先生
日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。
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