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犬の病気事典:神経の疾患

壊死性髄膜脳炎

概要

壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)は、大脳の表面(大脳皮質)の一部で原因不明の炎症が起こり、次第に大脳の表面全体や小脳、脳幹へと炎症や壊死が進行していき、それに伴った神経の症状(全身性のけいれん発作など)が現れる病気です。最初にパグで多発する病気として紹介されたので「パグ脳炎」という俗称がつきました。現在はそのほか犬種でも報告があるため、壊死性髄膜脳炎と呼ばれることが多いです。
発症の原因はいまだに不明ですが、発症犬では脳の一部の細胞に対して自分自身が攻撃をしてしまう異常(自己抗体産生)が確認されており、自己免疫の異常による病気(自己免疫疾患)である可能性も疑われます。

症状

突然の全身性けいれん発作が主な症状として現れます。そのほかにも、脳の異常によるものとして、同じ方向にクルクルと回る(旋回運動)、頭が傾いたまま戻せない(斜頸)、ふるえ、目が見えない、よだれを流す、元気や食欲がなくなるなどの症状が現れます。重症化した場合は、全身のけいれん発作を一日の間に何度も繰り返し、昏睡状態になり、最終的には死亡します。数日で死に至る場合もあれば、数ヵ月〜4年以上かけて徐々に進行する場合もあります。

対象

パグでの報告が多いですが、ポメラニアン、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、ペキニーズ、シー・ズー、チワワ、ミニチュア・ダックス、ボストン・テリアなどにも発症します。生後4ヵ月以降〜3歳までの比較的若い年齢で見られることが多い病気です。

予防、治療

予防法は特にありません。報告がある犬種で、特に若齢犬は症状が現れないか普段から注意しましょう。
治療は、現在確立された方法はありません。治療の甲斐なく数日で死亡する犬も多いです。一般的に初期の症状に対して、ステロイド剤の免疫抑制量での投与、抗てんかん薬の投与が行われます。補助的に脳圧を下げる薬を投与することもあり、発作による発熱がある場合は体温調整などが行われます。重症化した犬は誤嚥性肺炎を起こしやすく、誤嚥が疑われる場合はそちらの治療も行います。

監修

白神 久輝 先生

埼玉県草加市にある「ぐぅ動物病院」の院長。2005年4月の開院以来、大学病院や専門病院と連携をとりながら、常に最先端の技術や機器を導入しており、飼い主の方にもわかりやすい説明でサービスを提供し続けている。また病気になりにくい体づくり(予防、日常ケア)のアドバイスも積極的に行っており、地域のかかりつけ医・中核病院として親しまれている。

「病気事典」には「アクサダイレクトのペット保険」の補償対象外の病気や治療内容も掲載されていることがあります。

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