ペキニーズってどんな犬?性格としつけ方
更新日:2023年12月21日
- 秦の始皇帝に贈られた犬
- 体高は20〜30cm前後。見た目よりも重い
- ホワイト、ブラック、フォーンが人気
- 下毛が分厚く、大量の抜け毛が出る
- 平均的な寿命は12〜15年
- 犬らしくない犬なのでしつけは大変
- 夏の暑さに弱いのでお散歩は控えめに
- ペキニーズのかかりやすい病気・ケガ
- ペキニーズの保険料例
ペキニーズの特徴
歴史
秦の始皇帝に贈られた犬
ペキニーズは英語で「北京の犬」という意味。原産国の中国では「京巴」(ジンバー)と呼ばれています。歴史が古い犬種で、祖先犬はチベタン・スパニエルといわれており、チベットのラマ教の寺院での繁殖により、獅子に似た風貌のペキニーズが誕生したといわれています。この獅子犬は中国宮廷への献上物とされて秦の始皇帝をはじめとする代々の皇帝に贈られてきました。その後、ペキニーズは門外不出とされて宮廷内でのみ飼育されてきましたが、1860年の阿片戦争に勝利したイギリス軍が5、6頭を国に持ち帰り、そのうち1頭がビクトリア女王に献上されて貴族たちの間で繁殖されるようになりました。
ちなみに、よく似た風貌を持つシー・ズーは、清朝後期にペキニーズとラサ・アプソという犬種との交配により生まれた犬種です。
サイズ
体高は20〜30cm前後。見た目よりも重い
日本で血統書を発行する機関であるジャパンケネルクラブ(JKC)では、オスは5kgを超えず、メスは5.4kgを超えないことを標準としています。見かけよりも持ち上げると体が重いのが特徴。体高は20〜30cm前後です。
被毛
ホワイト、ブラック、フォーンが人気
ペキニーズの毛色はバラエティ豊かで、ブラック、レッド、ホワイト、シルバー、ブラウン、ブルー(青みがかった黒)などがあります。パーティカラーと呼ばれる多色の毛色のものもいます。ただし、ショードッグではアルビノ(先天性の色素欠落)とレバーは認められていません。日本では、ホワイト、ブラック、フォーン(金色がかった茶色)が人気のようです。
お手入れ
下毛が分厚く、大量の抜け毛が出る
ペキニーズは、ダブルコートの犬種の中でも、特に下毛が分厚いのが特徴。換毛期には大量の抜け毛があり、放っておくとすぐに毛玉になってフェルト状に固まってしまうので、ブラッシングは毎日行ってください。
寿命
平均的な寿命は12〜15年
ペキニーズの寿命は12〜15歳くらいといわれています。通常の犬の寿命が12歳前後といわれているので、やや長寿といえるでしょう。
ペキニーズの性格
しつけ
犬らしくない犬なのでしつけは大変
小さくて優雅な見た目に似合わず、ペキニーズは勇敢で大胆、頑固で気まぐれ、マイペース。プライドが高く独立心も強いことから「犬の中で一番犬らしくない、猫のような犬」といわれています。気が向いたときに自分から近づいてきますが、人にかまわれるのが嫌い。飼い主さんのひざに抱かれることを嫌う子も少なくありません。気に入らないことをすると、歯をむいて抵抗されることも。しつけは初心者には大変かもしれません。
しかし、飼い主さんとの信頼関係が生まれれば、飼い主さんの指示をきちんと守れる素直さもあります。子犬の頃に甘やかしすぎず、しっかりしつけることが大切です。
ストレス
夏の暑さに弱いのでお散歩は控えめに
小型の愛玩犬であるため、多くの運動は必要ありません。散歩は1日1回、10分程度、気分転換するくらいの短い時間で十分です。下毛が分厚いことから暑さに弱く、呼吸困難に陥りやすいため、夏のお散歩は控えめに。また、夏のお留守番は、エアコンを忘れずにつけておくようにしましょう。
ペキニーズのかかりやすい病気・ケガ
幽門狭窄
胃の出口の幽門部(ゆうもんぶ)の異常により、胃に入った食べ物を十二指腸に送りにくくなる病気です。幽門狭窄は先天性と後天性があり、ペキニーズは後天性の幽門狭窄が多いです。内科的な治療では十分な効果が得られないことも多く、外科手術が必要な疾患です。
椎間板ヘルニア
背骨と背骨の間でクッションの役割を担っているのが椎間板ですが、この椎間板が変性を起こし突出することで、背骨の上を通っている神経(脊髄)の一部が圧迫される病気です。一般的には、事故や加齢が原因となりますが、遺伝的な素因でなりやすい場合は、若齢でも起こることがあります。ソファの上り下りができなくなる、後ろ肢が立たない、跛行がみられる、背中を触ると痛みでびくつく、などの症状がみられます。
短頭種気道症候群
短頭種の顔や首の構造上、呼吸がうまく行えないことがあり、その総称を短頭種気道症候群と言います。肺へ空気を送る気管がつぶれてしまう気管虚脱、鼻の穴が狭くなる鼻腔狹窄、口の中の上あごの肉が垂れてくる軟口蓋過長などにより、激しいパンティング、呼吸困難、呼吸時のゼイゼイとした雑音などが確認されます。
難産
小型犬、短頭種、頭が大きく腰が細い犬などは難産になりやすいです。シーズー、チワワ、ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、ペキニーズ、ボストン・テリアなどが挙げられます。また、肥満犬、高齢犬、栄養状態が悪い犬なども難産になりやすい傾向にあります。最初から帝王切開が選択される犬種もありますが、そうではない場合は、陣痛が始まってもなかなか子供が生まれないようであればすぐに動物病院を受診しましょう。
第三眼瞼腺脱出(チェリーアイ)
目頭にある第三眼瞼(瞬膜)が飛び出している状態がさくらんぼに見えることから「チェリーアイ」と呼ばれる病気です。正式には「第三眼瞼腺突出」と言います。第三眼瞼は下まぶたの内側にあり、眼球の保護や涙の産生など、大切な役割を担っています。
乾性角結膜炎
涙の産生量が少なく、常に目が乾いた状態になるため、目に傷がつきやすかったり結膜炎を起こします。また、ドロドロした油っぽい眼やにがでることもあります。遺伝的影響が考えられています。
かかりやすい病気・ケガの監修
三宅 亜希先生
日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。
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