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犬の病気事典:呼吸器の疾患

特発性鼻炎

概要

犬の鼻炎とは、鼻の中の粘膜が炎症を起こした状態を言います。飼い主は犬に鼻炎が起こると、まず鼻汁の増加やくしゃみなどの症状に気がつくでしょう。犬の鼻炎が慢性化すると、細菌が増殖して膿性の鼻汁になります。抗生剤などを投与すると一時的に症状は改善しますが、ほとんどの場合、ほかに原因があって二次的に細菌感染が起こっていますので、根本的な鼻炎の原因を探り、そちらへの治療を行わないと再発を繰り返してしまいます。
原因としては、歯牙疾患(特に上の犬歯の根の化膿)ウイルス感染、カビへの感染、アレルギー、異物(イネ科の草の実など)、鼻周辺の腫瘍があります。ただし、慢性的な鼻炎の中で最も多いものは、原因を調べても診断できない「特発性鼻炎」で、慢性鼻炎のおよそ1/4を占めます。特発性鼻炎のほとんどは、炎症細胞の特徴から「リンパ球形質細胞性鼻炎(りんぱきゅうけいしつさいぼうせいびえん)」と呼ばれる鼻炎に属します。犬の特発性鼻炎は、吸入性のアレルゲンや刺激物質、免疫の異常などに対しての慢性的な炎症ではないかと疑われてはいますが、はっきりとしたことはわかっていません。
命に関わる状態になることは少ない病気ですが、治療への反応が良くないことが多く、治療に反応する犬は半数程度です。完治する可能性が低い病気なので、緩和を目標に置いて根気よく治療を続けていきましょう。

症状

主な症状は慢性鼻炎(1ヵ月以上続く鼻炎)によるものです。まず、くしゃみと鼻汁が確認されます。鼻汁は初期には透明でサラサラ〜ネバネバした状態ですが、次第に細菌感染を起こして膿状になり、血が混じる場合もあります。鼻粘膜の腫れが出ると鼻道が狭くなり、呼吸と共にズーズーといった鼻音が聞こえる場合があります。鼻粘膜の腫れや分泌物が鼻を詰まらせてしまい、呼吸困難を起こす場合もあります。二次的に咽頭炎が起こった場合は、えずいたり、咳の症状が出ます。

対象

若齢〜中年齢で発症し、好発犬種にはミニチュア・ダックスとウィペットが挙げられます。鼻の比較的長い中型〜大型犬にも発生しやすいです。

予防、治療

決定的な予防法はありませんが、飼育環境の管理、特に室内の加湿は、鼻炎を起こしやすい犬に対して鼻汁の排泄を促し、鼻のとおりを良くし、埃(ハウスダストなど)が浮遊しにくくなるので効果的です。
完治を期待した治療ではなく、症状を緩和することを目的にした治療が行われます。完治しないと思い悩むことがないように、治療目的をしっかりと理解して治療に入りましょう。治療を開始する時点で、ほとんどの犬は二次的に細菌感染を起こしています。抗生剤の投与によって感染をおさえ、抗炎症薬やステロイド薬の内服や点鼻を行い鼻の炎症をおさえます。犬に薬剤を混合した蒸気を吸入させる(ネブライザー)治療により、鼻汁の排泄や鼻の炎症や感染への治療を行う場合もあります。
最後になりますが、慢性鼻炎の最も多い原因は特発性鼻炎ですが、原因によっては完治が期待できる病気も多々あります。この病気を真っ先に疑うのではなく、まずそのほかの慢性鼻炎を起こす病気を検査によって除外するようにしましょう。

監修

白神 久輝 先生

埼玉県草加市にある「ぐぅ動物病院」の院長。2005年4月の開院以来、大学病院や専門病院と連携をとりながら、常に最先端の技術や機器を導入しており、飼い主の方にもわかりやすい説明でサービスを提供し続けている。また病気になりにくい体づくり(予防、日常ケア)のアドバイスも積極的に行っており、地域のかかりつけ医・中核病院として親しまれている。

「病気事典」には「アクサダイレクトのペット保険」の補償対象外の病気や治療内容も掲載されていることがあります。

「病気事典」には「アクサダイレクトのペット保険」の補償対象外の病気も掲載されていることがあります。
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