更新日:2023年12月21日
「キング・チャールズ・スパニエル」とは、チャールズ王の狩猟犬という意味があります。
代々犬好きが多いことで知られるイギリス王室では、古くからさまざまな犬種が飼育されていました。キング・チャールズ・スパニエルは現在でも存在する犬種ですが、その名の通り、チャールズ1世、2世に愛されたことで有名です。特にチャールズ2世はこの犬を溺愛しており、当時の海軍省の役人に「犬と遊んでばかりで仕事をしない愚かな王」と酷評されています。当時はコッカー・スパニエルと非常によく似た外見だったようです。
19世紀になって、パグや狆(チン)などの東洋の犬と交配して鼻の短い外見を持つ「キング・チャールズ・スパニエル」が流行しました。その後、チャールズ王の肖像画を見た愛犬家が、当時のタイプの犬種を復活させたのが「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」です。「キャバリア」とは中世の騎士のこと。チャールズ王に敬意を表して冠されたといわれています。日本では、略して「キャバリア」、さらに端的に「キャバ」とも呼ばれています。
日本で血統書を発行する機関であるジャパンケネルクラブ(JKC)では、キャバリアの標準体重は5.4〜8kg。小型でバランスのとれたものがよいとしています。JKCでは、体高についての規定はありませんが、一般に30〜33cm程度です。
キャバリアは、大きな目に大きな垂れ耳、平坦な頭頂部に尖った鼻を持つことが特徴です。
絹糸のように滑らかな手触りの長い被毛を持っており、ウェーブがかっていることがあります。2〜3歳の頃から足・耳・胸などに飾り毛が見られるようになります。
被毛の色は、ブラック&タン(黒と赤褐色)、ルビー(赤褐色)、トライカラー(赤褐色と黒と白の3色)、ブレンハイム(赤褐色と白)の4色が基本です。ブレンハイムは、頭頂部に「ロザンジュ」と呼ばれるひし形の斑があると大変価値が高いとされています。
キャバリアの被毛は上毛と下毛からなるダブルコートで、換毛期になると毛がたくさん抜けます。そのため、毎日の丁寧なブラッシングが欠かせません。
トリミングは必須ではありませんが、長い上毛や飾り毛があるため、月に1回程度のトリミングで、美しいスタイルをキープしてあげてください。
長い垂れ耳なので耳の病気にかかりやすく、散歩好きなので爪が割れやすいこともあります。また、自分で肛門腺からの分泌液を出すことができないため、定期的な「肛門腺絞り」が必要です。さらに、大きな目はホコリが入りやすく、涙のために目のまわりの被毛が変色する「涙やけ」を起こしやすい犬種です。
これらをケアするためにも、トリミングサロンを訪れて、定期的なケアをおすすめします。
平均寿命は9〜14年と小型犬としてはやや長寿。キャバリアは心臓に病気を抱えることが多いので、定期的に健康診断を受けて、長生きさせてあげたいものです。
キャバリアは、おだやかでやさしい性格で、社交性もありほかの人や犬にもフレンドリー。子犬の頃からおとなしい傾向があり、無駄吠えやかみ癖も少なく、攻撃性もないため、初心者にも子どものいる家庭にも適した犬種です。
キャバリアは基本的に従順なので、厳しいしつけは必要ありません。やっていいことと悪いことの区別をつけるために、メリハリをつけてしつけをしましょう。よくできたときには大いに褒めてあげましょう。
スキンシップが大好きなキャバリアですが、かまい過ぎはストレスの原因。ケージやキャリーケースを用意して、パーソナルスペースを用意してあげるといいでしょう。
ただし放置は厳禁です。本来、遊び好きの性格なので、おもちゃで遊んでたっぷりコミュニケーションをとってあげるといいでしょう。また、キャバリアは太りやすいので、食事にも気配りを。おやつのあげ過ぎは肥満の原因です。間食を控えて朝夕30分程度の散歩でストレス解消と肥満の予防に努めましょう。
心臓の「僧帽弁」という弁が閉まらず、血液が逆流してしまう病気です。元気がなくなったり、苦しそうな呼吸が現れたりします。加齢とともにかかりやすくなります。
水晶体が白濁してしまうことで、視力が失われていきます。ものにつまずくようになったり、散歩を嫌がるようになったりすることがあります。加齢とともに生じやすくなります。
短頭種の顔や首の構造上、呼吸がうまく行えないことがあり、その総称を短頭種気道症候群といいます。肺へ空気を送る気管がつぶれてしまう気管虚脱、鼻の穴が狭くなる鼻腔狹窄、口の中の上あごの肉が垂れてくる軟口蓋過長などにより、激しいパンティング、呼吸困難、呼吸時のゼイゼイとした雑音などが確認されます。
脊髄の中に、脳脊髄液という液体がたまった空間ができる病気で、神経を圧迫することにより症状が起こります。液体がたまった空間ができる場所や大きさにより、その症状は様々で、軽度なものでは無症状のこともありますが、首や背中のあたりを気にしてこする、頚部などに痛みを訴える、四肢の麻痺などの症状が出ることもあります。
涙の産生量が少なく、常に目が乾いた状態になるため、目に傷がつきやすかったり結膜炎を起こします。また、ドロドロした油っぽい眼やにがでることもあります。遺伝的影響が考えられています。
黒い部分の被毛が成長しない病気。白黒のブチ犬などにおいて、黒い部分の被毛の成長や毛包形成が阻害され、毛が薄くなります。毛が薄くなる以外の症状(赤味、痒みなど)は通常ほとんどありません。
三宅 亜希先生
日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。
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