更新日:2023年12月21日
「シュナウザー」とはドイツ語で「ヒゲ」という意味。シュナウザーは、体の大きさによりミニチュア、スタンダード、ジャイアントの3つに分類されています。
これら3種類の原型となったのが14世紀頃の南ドイツで繁殖していたスタンダード・シュナウザーで、かつては「ピンシャー」と呼ばれ、農場犬として活躍していました。
ミニチュア・シュナウザーは、アーフェン・ピンシャーという現存する犬種と交配してドイツのフランクフルトで誕生しました。その後、アメリカに渡って小型化が進み、現在の形に固定化されました。
アメリカでは多くの著名人やハリウッドスターに愛されたミニチュア・シュナウザーですが、ブルース・リーの愛犬だったことで広く知られています。
ミニチュア・シュナウザーの体高は30〜35cm。体重はオスメスともに約4〜8kgです。
ちなみに、スタンダード・シュナウザーは体高45〜50cm、体重14〜20kg。ジャイアント・シュナウザーは体高60〜70cm、体重35〜45kgと、ミニチュア・シュナウザーの倍の体高があります。
プードルやダックスフンドが一つの犬種の中にミニチュアやスタンダードがあるのに対して、シュナウザーは、サイズ別にそれぞれFCI(国際畜犬連盟)の犬種番号を持っています。
ミニチュア・シュナウザーの被毛は、固く密着したダブルコートでワイヤーのようにざらざらのトップコートと柔らかいアンダーコートを持っています。長い口ひげがチャームポイントで、眉毛も長くなります。
日本で血統書を発行する機関であるジャパンケネルクラブ(JKC)では、被毛の色を、ブラックのアンダーコートで漆黒、ソルト&ペッパー(シルバー)、ブラック&シルバー、ホワイトのアンダーコートで純白の4色を標準としています。
ミニチュア・シュナウザーはダブルコートですが、抜け毛は比較的少ないとされています。それでも週に数回のブラッシングは必要。また、口ひげや眉毛などを美しく整えるためにも2〜3ヵ月に1回程度のトリミングを行ってあげましょう。
トリミングサロンでは、口ひげを長く伸ばしたショータイプのスタンダードカットのほか、豊富な被毛を生かしてテディベアスタイルやモヒカンスタイル、プードルスタイルなど、さまざまなカットスタイルを楽しむ飼い主さんも増えています。
ミニチュア・シュナウザーの平均寿命は12〜15歳前後。小型犬としては平均的な寿命です。
活発でよく動き、勇敢で警戒心が強い犬種です。ときには攻撃的になってしまう子もいますが、従順で飼い主への忠誠心も強いので適切なしつけをすることで吠え癖などの悪癖がつきにくいとされています。
まとわりつくような甘え方はしませんが、飼い主さんを独占しようとする傾向があります。さまざまな犬や人とふれ合うようにする、無駄吠えをしても反応しない、といった日常生活を通じて信頼関係を築いていくといいでしょう。
ミニチュア・シュナウザーは、好奇心が旺盛な一方、周囲に気を配り、臆病で繊細な面を持ち合わせています。不安を感じると吠えたりうなったりすることも。不安を感じさせないためにも、飼い主さんは常に平常心で接するようにしてあげるといいでしょう。
もちろん運動不足もストレスの原因です。1日2回、30分ずつのお散歩を行ってあげましょう。
心臓にある洞房結節という場所が電気的な刺激を送ることで、心臓は一定のリズムで拍動することができますが、ここに機能障害が起こることによって、心臓が正常に拍動せず、失神などを起こします。
食べ物の中にふくまれるタンパク質に対して起こるアレルギーで、痒みが主な症状ですが、下痢などの消化器症状が起こることもあります。特に、目の周り、口の周り、耳、肢先、四肢のつけ根など、皮膚がこすれる場所を中心に皮膚炎が起こります。原因となる食べ物は、牛肉、鶏肉、小麦、卵、大豆、乳製品などさまざまです。
胆嚢内に胆石が作られる病気ですが、無症状のことも多いです。胆石が、胆汁の通り道である胆管に詰まったり、感染が起こったりすると、食欲不振、嘔吐、腹痛、黄疸などの症状が見られるようになります。
胆嚢内に過剰な粘液が蓄積してしまう病気です。この粘液はゼリー状で、溜まり続けると胆嚢が破裂してしまうこともあります。原因についてははっきりと分かっていない部分もありますが、脂質代謝異常、胆嚢の運動性の低下などが挙げられます。元気や食欲がなくなり、嘔吐したり、腹部の痛みがみられます。
水晶体が白濁してしまうことで、視力が失われていきます。ものにつまずくようになったり、散歩を嫌がるようになったりすることがあります。加齢とともに生じやすくなります。
涙の産生量が少なく、常に目が乾いた状態になるため、目に傷がつきやすかったり結膜炎を起こします。また、ドロドロした油っぽい眼やにがでることもあります。遺伝的影響が考えられています。
尿石症は膀胱炎を引き起こすことが多いので注意が必要です。血尿、頻尿、排尿困難といった症状が現れます。雌ではほとんどがストラバイトで、雄ではストラバイトとシュウ酸カルシウムが半々くらいですが、ミニチュア・シュナウザーの雄ではシュウ酸カルシウムと尿酸塩が多くみられます。ストラバイト、シスチン、尿酸塩は、内科的に溶かすことが可能なケースがありますが、シュウ酸カルシウム尿石は、石を溶かす友好的な方法がないため、治療法は摘出になります。
消化酵素が膵臓内で活性化されてしまうことで、膵臓に炎症が起こる疾患で、嘔吐、下痢、食欲不振、激しい腹痛などの症状がでます。重症になると多臓器不全になり死亡することもある病気です。ほとんどが原因不明ですが、高脂肪食や、内分泌疾患、肥満などがリスクとなります。高脂肪な食事を避け、肥満にならないように健康管理に気をつけましょう。
血液中の中性脂肪やコレステロールが多い状態です。これらが多くなる原因としては、先天性の代謝異常などの原発性のものと、何らかの病気(内分泌疾患、膵炎、糖尿病など)が引き金となっている続発性のものがあります。ミニチュア・シュナウザーは前者の原発性による高脂血症で、根本的な治療法がないため、食事療法などが選択されます。
止血異常を起こす遺伝性疾患です。抜歯時、出産時、手術中や、外傷を負ったときに血が止まらないといった症状になります。貧血がある場合や、出血が起こると予想される検査や手術の際は、あらかじめ輸血をしておく必要があります。
三宅 亜希先生
日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。
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