更新日:2023年12月21日
柴犬は日本古来の土着犬で、その歴史は古く、紀元前1万年〜紀元前400年の頃には飼育されていたといわれ、各地に残る縄文時代の遺跡から柴犬の祖先である「縄文柴」と呼ばれる犬の骨が出土しています。
柴犬は、主に山岳地帯で小動物や鳥猟犬として飼育されてきました。その後、明治時代になると洋犬が盛んに輸入されるようになり、日本犬の飼育が減少していったことから昭和3年に日本犬保存会が設立され、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、四国犬、北海道犬、そして柴犬の6種が日本犬標準として保護されるようになりました。現在では、日本で飼われている日本犬の約80%を柴犬が占めるといわれています。
柴犬は日本で血統書を発行する機関であるジャパンケネルクラブ(JKC)では、「柴犬」ではなく「柴」として登録されています。海外でも「shiba inu」と呼ばれて人気を呼んでいます。名前の由来には諸説ありますが、「小ぶりな雑木」を示す「柴」から来たという説が有力です。
体長は40〜50cm程度、体重は10〜13kgが平均的なサイズ。JKCでは、柴犬の体高について、オス39.5cm、メス36.5cmを理想とし、それぞれ上下各1.5cmまで許容されるとしています。ちなみに「豆柴」とは、JKCや日本犬保存会で規定している「スタンダード(犬種標準)」のサイズより小さい個体の愛称であり正式な犬種名ではありません。
赤、黒褐色、胡麻、黒胡麻、赤胡麻の5色。胡麻とは地色と異なる色の差し毛があることです。あご下から首、胸、おなかにかけてと尾の下側が白い「裏白」であることを標準としています。
柴犬の被毛は、上毛と下毛からなる2重構造のダブルコートです。そのため、柴犬は抜け毛が多い犬種ですが、特に激しく抜け毛が出るのは、冬毛から夏毛に生え替わる春の時期。抜けた下毛をそのままにしておくと、毛玉ができ、通気性が悪くなることが原因で皮膚病を招くこともあるので、春は特に丁寧にブラッシングしてあげましょう。
柴犬の平均的な寿命は12〜15年程度と中型犬としては長寿の部類です。
柴犬は愛嬌があり、勇敢で賢い犬種ですが、一方で頑固で神経質な面を持ち合わせています。縄張り意識や警戒心が強いので、家族以外は苦手な傾向があります。
本来は無駄吠えをあまりしない犬種ですが、親しくない人や犬とのスキンシップで吠えてしまうことがあります。幼いうちから身内以外の人やほかの犬とふれ合う機会を増やしておくといいでしょう。
元猟犬として野山を駆けめぐっていた柴犬には十分な運動量が必要です。散歩は朝晩1日2回、30分以上行ってください。出かける前にたっぷりと運動させておけば、お留守番もきちんとできる子が多いようです。
心臓にある洞房結節という場所が電気的な刺激を送ることで、心臓は一定のリズムで拍動することができますが、ここに機能障害が起こることによって、心臓が正常に拍動せず、失神などを起こします。
多くは高齢の犬で発症し、平衡感覚がなくなり体のバランスが保てなくなり、めまい、斜頸、眼振が起こったりします。また、嘔吐や食欲不振が起こることもあります。詳しい原因は不明ですが、ほとんどが一過性で、その後回復する病気なので慌てないで動物病院へ。まれに斜頸が治らないままだったり、再発を起こしたりすることもあります。
水晶体が白濁してしまうことで、視力が失われていきます。ものにつまずくようになったり、散歩を嫌がるようになったりすることがあります。加齢とともに生じやすくなります。
ネギ類(タマネギ、ネギ、にんにく、ニラなど)を摂取することによる中毒症状です。赤血球が破壊されて、貧血が起こります。そのため、呼吸促迫、舌や歯茎が白っぽくなる、元気がなくなるなどの症状を起こし、死に至るケースもあります。下痢、嘔吐、血色素尿を認めることもあります。柴犬はほかの犬種よりタマネギに対する感受性が高いので、細心の注意が必要です。
ハウスダストなどの環境抗原に対して起こるアレルギー性皮膚炎で、通常、重度の痒みが生じます。生後半年〜3歳くらいまでの若い時期に発症し、目の周り、口の周り、耳、四肢の付け根、肢先などに皮膚病変が起こります。痒み止めの内服も必要ですが、適切なスキンケアにより、皮膚のバリア機能を整えることも重要です。
柴犬など、日本犬がなりやすい傾向にあります。狭いところに入って出られなくなる、夜型の生活になる、トイレの失敗が多くなる、同じ場所をグルグルと歩くなどの症状が出たら認知症を疑ってみてください。予防策としては、(1)散歩による適度な刺激。(2)おすわり、待て、などの基本的なしつけや、おもちゃ遊びなどによる脳の活性化。(3)DHAやEPAの犬用サプリメントや、それらが含まれたドッグフードを摂る。(4)マッサージにより適度な刺激とスキンシップを行う。以上のことを心掛けてください。
胸の中に乳びと呼ばれるリンパ液が溜まって、肺を健康時のように膨らますことができなくなる病気で、柴犬に多いとされています。原因として、外傷、心臓病、腫瘍、奇形などがありますが、その多くは原因不明の特発性です。症状は呼吸困難や咳、食欲不振などを起こします。症例ごとに治療への反応が異なることもありますが、胸に溜まった液体を抜く、投薬による内科的治療を行う、などが一般的です。しかし、これらの治療では完治は望めないため、手術が選択されることもあります。
三宅 亜希先生
日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。
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